勇壮なエイサー
「感動的メンソーレ沖縄モード」
沖縄の町には珍しく、海に隣接していない沖縄は南風原町
(はえばるちょう)に僕は来ていた。
11月9日 気温29度 天気 薄曇り。
鹿児島から28時間(遅延3時間)の船旅にウンザリしていた気分のまま、
トラックから自転車を降ろした。目指すは感動的沖縄海色の風。
「なんだ坂 こな坂 やな坂 こな坂」
力いっぱいペタルを漕ぐ。
収穫にはまだ早いサトウキビ畑の小高い岡を登ると、
運動不足気味の身体からはドッと吹き出てきた。
ランの温室栽培。
朱色の屋根。
何気ない風景の中にも南の原の風を感じる。
何度目かの岡に登った時、急に目の前が開けた。
海だ 魚だ 釣りだ。
車輪は苦労して登って来た道と反対側をスーっと気持ちよく回り、
汗が火照った身を気持ちよく冷却する。
海は少し荒れ気味だがまさしく沖縄の海だ。
2・3キロ沖に白い波が突然現れる。
沖縄の人が言うにはそこを境に、サンゴに守られた内海と諸外国、
本島につながる外海とを区別するらしい。
少し早いが疲れた身体を癒すため、
電話で予約を取った1泊2食付き4500円の民宿に向かう。

沖縄最北端 辺戸岬
「吉本的ずっこけ苦笑いモード」
民宿じゃ 民宿じゃ 熱烈歓迎なる垂れ幕が掛かり
余り美人ではないがきれい好きそうな若女将に
「まあまあ、遠くからお疲れでしょう。あいにく今日はお部屋が一杯で、
学生のお嬢さんと隣部屋になりますけど ごめんなさいね」
などと出迎えられ、
お風呂にぷわーっと入って、プシュウとオリオンビールをグビグビ喉から飲んで、
うみんちゅう自慢の沖縄の魚を食べるぞ〜〜〜。
「ごめんくさい」
「しーーーーーーーん」
ありゃ誰もいない。
もちろん垂れ幕もない。
まあ予定より2時間も早く着いたんだから仕方ないな。
たぶん今日のご馳走の買い出しかな?などと思いつつ、
民宿の前の防波堤に向かった。
いるいる沖縄の釣り師達。
じゃまにならぬようそーっと仕掛けを盗み見る。
「オキアミのカゴ仕掛け 浮き付き」これが主流のようだ。
釣れているのはチョチョウ魚とアジ?みたいな魚。
反対側に向かって歩いていくと お・おおおおおっ見つけた1号竿にどんぐり。
まさしく黒鯛の仕掛け。
しかもクラゲさんと沖縄には絶対ないと言っていた団子。
「すみませーん。何釣ってるんですか?」
「チヌ****」(****は沖縄の言葉で聞き取れなかった)
まさしく沖縄の黒鯛釣り師発見。
かっちょええフイッシングウエアーではなく、
サンダルに半パンに腹出しTシャツ。
団子も撒き餌のように勺で時折撒くだけ
(団子ではないの?でもたしかに海はそこだけ少し濁っている。)
「釣れますか?」
「今日はダメや。 この前は50オーバー釣った。」
「ひょえーー。」
参りましたとブラブラしていると
年齢不詳のおばあちゃんがサビキで何か釣っている
「なに釣ってるの?」
「ボラ」
へえー沖縄にもボラ釣れるんか
四国では寒ボラといって冬においしい魚なんだけど美味しいのかな?
と思いつつ・・民宿へ・・。
「ごめんくださーい」
「しーーーーーーん」
ありゃ・・ 時間来てるのに・・・
しかたなく少年マガジンを読みつつ、靴が散乱している玄関前で待っていると、
薄暗なった通りからさっきの年齢不詳のおばあちゃんが 、ボラを下げて帰って来た。
ギャアーーッ。
民宿は以外お客は無く(当然隣部屋には女学生も居なく)通された部屋には、
シーツの無い敷き布団と毛布。
風呂は家の風呂の半分位。さすがは4500円。
でもそんなのは慣れている。
期待は料理と酒。
沖縄にしてはちょっと熱めの風呂に入り夕食を待つ。
喉が痛いほどカラカラ。
30分が過ぎ 1時間が過ぎ もうだめだーっと気絶しそうになったとき
「お食事ですよー」とおばあちゃん。
食卓に並んだ料理を見て ゲ・ゲ・ゲの鬼太郎。
ご飯に汁・鳥の唐揚げ・どうみてもボラの刺身。
おまけに暑いお茶が出ている。
ビールでも飲みますか?と聞いてくれないの?。
小心者の私はビール下さいとも言出ず、
泣きながら暑いお茶を飲みつつご飯を食べた。
ご飯を食べた後 みょーに落ちつく部屋に横になると睡魔が早くも襲ってきた。
良い方向で考えるとこれが沖縄の本当の家庭に泊まれたのか。
少しだけ秋の気配を感じる浜風が 私の睡眠を後押しした。
PS 翌日の最後の日は ステーキにソバにテビチ
オリオンビールに泡盛など食べくって飲みまくった。
おかげで帰りの船では船酔いの前に爆睡していた。