「この釣行記を書くにはそれこそ半ばやけくそめいた勇気と、

 誇大妄想に近い自信が必要であったに違いない。」

  _ 筒井康隆 _

佐賀関OLM開催の合図は 愛機P206の「太陽に吠えろ」の呼び出し 音から始まった。

「もしもし・・」と答えるまもなく 

「にゃはっはっは 航希さ〜ん?」

「はい・・」

 も言うまもなく「黒鯛釣れちゃ〜〜たよ〜〜ん」 かけてきたのは勿論あの人である。

  困ったオヤジだ!こうなりゃ我が佐賀関OLM組も負けてはいられぬ。

早速仕事のトラックを九州で乗り捨て(相棒が運転して帰った)

一路佐賀関港へ・・

途中の素晴らしい眺めの海岸線を右手に眺めつつ、佐賀関港には夕方5時 頃に着いた。

ここで伊豫組有望新人R197さんと7時に、クラゲさんとは10時に 落ち合う予定になっている。

それまで近くの防波堤で釣ることにした。

薄暗くなり始める中、

早速今日買ったばかりのケミ内蔵可フカセ浮き1420円 と水中浮き860円

 我が名刀正宗にセット(たんなる安物だけど・・)した。

その間に今回、釣りの奥深さと難しさをたたき込む為に連れてきた

我が次男は早速回りの釣り人達に情報収集開始!

「おじちゃ〜ん つれる〜〜?」全く奴は人見知りというものがない。

しかしそのおかげで十二分な情報が集まった。

その情報を整理すると・・・「全く釣れてない」(TT)

それでもまあ一応・・と毛利さんと釣りはじめた。・・

「全く釣れない」(TT)

その上、風がびゅうびゅう吹きはじめ 寒い寒い。

(おっとこんな事言ってたら 神戸のダンナに何言われるか)

時間は7時に近くなったので、

次男を毛利さんに頼みR197さんと落ち合う予定の 場所に向かった。

車のカーラジオから

「ジャイアンツなんと〜〜〜 しょかい  きゅうて〜ん」

の絶叫が聞こえる。フムフムいい感じだ。

R197さんは事前連絡でガンダム仕様のRVRに乗ってると聞いていた。

しかし・・ガンダムモードってどんなんじゃ? 

ま・まさか機動戦士ガンダムの コスプレで現れるんじゃないよな。

などと考えていると、前から白い車が近づいて 来た。車番が合った。

R197さんだ。

「ちわ〜 航希です。 え〜っと ア〜ル・・いやル〜トいやえ〜っと・・」

R197さんて文字では解り良いが、呼ぶとなるとなんと呼びにくい。

{この問題は後の伊豫組閣僚会議で呼び名はイクナさんに決まった}

それにしてもなかなかの男前である。

どうしても伊豫組はズッコケのイメージが あったが、

これは期待が持てる。 早速毛利さんが釣ってる場所に案内した。

薄暗い中 防波堤に登り息子に近ずくと、

ケミ内蔵可フカセ浮き1420円 と水中浮き860円は消えていた。

昨日巻いたばかりの道糸も3分の1ほどは なくなっていた。 

仕方なく1号の棒浮きに0・5号の水中浮きを付けて彼に持たせた。

勿論浮きは寝たままだが、まあいいや。暗い時の仕掛けは面倒だし・・。

タバコを一服吸って ふと見るとまた根がかり。(TT)

黒鯛狙いには根がかりは付きもの これで息子も少しは釣りの恐ろしさを おもいしったか? 

と思ったが、甘かった。

竿のお辞儀の仕方が変だ! 

道糸が右に左に動いている!

「とうちゃ〜ん なんかな〜 ねとるうきが たってな〜 しずんだんよ〜」

ここれは・・げ・げ・げげげげっ(@@)

つれている・・

しかもこの竿のしなり方して メバル カサゴじゃない。

餌はイソメ。 

 ま・まさか・・・・・!

竿を息子と一緒に持った。

 重い。

 竿を立てて巻く。 これは・・タモがいる・・しかし・・毛利さん達は遠い・・

どうしようかと考えあぐねていると近くのおじさんが

「まちょっれ ワシがタモだしちゃる。」

と親切に言ってくれた。

「すびばぜ〜ん」

興奮気味の私に対して、我が息子は

「とうちゃん 手ぇのけや。 俺一人でやりたい」

とほざく。

水面までやっと引っ張り上げた。

水面がバシャバシャと大きく音をたてる。

獲物は暗くて解らないが、 結構な物のハズである。

タモが出される。 

入った・・。  

見る。 見ろ。 見た。

「うわ〜〜っ  スズキや〜」

騒ぎを聞きつけ毛利さんとR197さんもやってきた。

「航希さん。こりゃ良い型ですね。60CMは越えてますね。 良い浮きの入り方したでしょう?」

と毛利さん。 「あにょ〜〜 これワテが釣ったんじゃないんでし!」(TT)

10時のクラゲさん到着まで粘ったけど・・・大人3人 惨敗!

10時ぴったりにクラゲさんがやってきた。

いつもの釣りスタイルではなく ビシッと決まった背広だ。

なんか何時もと違う。

挨拶もそこそこに新築された民宿クラゲに向かう。

港から10分も走ったろうか?そこで見たモノは 民宿というより、

ペンションあるいはプチホテルと言った方が よさそうな立派な家だ。

奥様と長男君そして可愛い可愛い女の子「夕海ちゃん」が迎えてくれた。

まず最初に挨拶!それから伊豫組&梅堤の人達からの贈り物を手渡す。

これにはクラゲさんも笑った笑った。

それはハマダンさん手書きの本物の 「民宿クラゲ」と書いた看板だった。

笑い終わったら、もうハラペコ&喉カラカラ。

「クラゲさ〜ん 遠慮しないで食べてね」

全く誰の家か解らない。

ああ〜〜っと言う間にビールの空き缶が並ぶ。

ワインは空にする。 一升瓶は飛んでいく。

おまけにクラゲさん自慢の「イカダ釣り名人戦優勝カップ」を拝見し、

釣り雑誌の表紙を飾った姿に笑い転げる。

その間にもクラゲさんの息子さんはお母さんの手伝いをよくしている。

程良い気持ちになったときには もう12時になっていた。

しかしまだ夕海ちゃんは起きている。

スルメをしゃぶりながら、カラシを舐めて焼き鳥を食べつつ ビールを飲んでいる。

一歳にして・・・・・。(@@)

もうダメだ。今日は許して下さい。

ギブアップ宣言をしようと していたら、

やおらクラゲさんが「KENさんから差し入れ 届いてますよ〜」

とチョコレート缶とビデオを出してくれた。

チョコレートは、その色、形、艶。びっくりしました。

「チヌ落とし込み」のビデオは**が*****で*****だった

もう悔いはない。 AM3時  

爆睡・・・・・・・!!!

AM5時  起床・・・・・・・!!!

隣に寝ていたR197さんも世の中の終演まじかに

思えるような 七色の音色を持つイビキに目覚めている。

思えば毛利さんは2日前から イカ釣りで寝てないんだった。

「グオッ〜〜  ガオ〜〜ッ  ピユ〜〜ッ」 聞いていたら何だか面白い (^O^)V

AM7時  クラゲ邸を出発! しかし・・・・

何故か筆者は此処からの記憶がない!

はたして黒鯛は釣れたのか?

  噂では海底のカレイを網ですくおうとしてる無謀な親子もいたそうな。

(なあんと5Mの水深の底が丸見えのスケスケの海なんです)

パン粉を風になびかせ、フカセでキスを釣ったお人もいたそうな。

イソベラ釣れただけで、今日はボウズじゃないと喜んでる黒鯛釣り師もいたそうな。

3日も釣りをして家に何も持って帰れないお人もいたそうな。

時間はアッという間に過ぎて行った。

黄昏の海に、釣り人達の姿がとけ込んでいく。

今日の別れは少し寂しいが、また会える嬉しさを生み出してくれるだろう。

次のターゲットは 東? 西?

今日の晩御飯は スズキの刺身だけだった。

勝ち誇ったような息子に隠れるように 

ビールをゴクリと飲んだ。