それは我が釣り仲間Y君を襲った何とも恐ろしい出来事です。

その日 私と釣り初心者のY君は磯でかご仕掛けの釣りをしていました。

釣り初めに何気なくY君の仕掛けを見ると、リールの道糸がPEラインに

替わっていました。

「おおおっ Y君 PEラインとはカッチョええねぇ」

と冷やかしの言葉にY君は遠慮がちに微笑むだけでした。

私たちの狙いはマダイでカゴ仕掛けがなじんでから、100M以上流して

しては様子をみます。

1時間もすると私の竿には当たりが幾度もあり、小型のマダイも

2匹ほど釣れました。

が・・・Y君には当たりがありません。

私はY君の仕掛けがうまく撒き餌と同調していないのだと思い

Y君にもう少し沖の潮目まで流すよう勧めました。

Y君はギラリと目を光らせ遠くまで流れた浮きを見つめていました。

と・・その時です。

「ズボッ」っと勢いも凄く浮きが沈みました。

見た目、かなりの大物のようです。

「Y君・・浮き入ったよ!!」私の声も荒くなります。

「りゃぁ」Y君は少し遠慮目に合わせを入れました。

当然、竿がギュィィンとしなる・・はずでした。

しかし不思議な事に竿は曲がっていません。

「ひょっとしたら糸ふけが沢山あるのかな?

 それともすっぽ抜けたかな?」

 と私は他人事とは思えずY君に近づき竿先を見上げました。

 

ひゅうううううううううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私は見てはいけない物を見てしまいました。

と言うより見なければならない物が見えませんでした。

なんと彼のリールのスプールから道糸がすっかりなくなっていました。

Y君おそるおそる問いただすと、なんと彼は道糸を巻き替える際に

道糸とスプールを結んでいませんでした。

その後浮きは浮かんで来ませんでした。

Y君は青ざめた顔のまま、その後3時間黙って私に付き合ってくれました。

ス・スマン! Y君

戻る