第1回「霞ヶ浦の水質悪化とその対策手法等について」
霞ヶ浦の釣りと水質を考える会代表 ヒクソングレイシー



 霞ヶ浦の水質悪化について、小生なりの考えに基づきぶった斬る!!
 最近、雑誌や自然保護団体、一般の人が言われる原因としては以下のようなことが挙げられる。
@.生活雑排水による
A.ヨシ(アシ)原の衰退
B.湖岸全域に設けられたコンクリート護岸
上記に示した原因について、小生なりの考察を述べると
@の生活雑排水については、疑いようのないところだろう。
Aのヨシ原の衰退は、多少なりとも関連性はあるだろうが、水質汚濁というよりも、生物相の単調化等のように、生物面に与える影響の方が多大であろう。ヨシ原には、窒素、リン等の除去効果があり、水質浄化作用が期待できると言われているが、それほど効果はない。「無いよりはいい」と言った程度である。しかも、現在の霞ヶ浦にヨシは根付きづらい。ご承知の通り、霞ヶ浦は非常に荒れやすく、波浪による多大なエネルギーが直接護岸に作用する。ヨシというのは、河岸侵食ぬい非常に弱い。ここで、事例を一つあげる。現在、荒川においては、深刻なヨシ原の衰退が問題となっている。その原因は、生活排水でも水質汚濁でもない。航走波によるところが大きい。航走波とは、船舶の引き起こす波のことである。その程度の波で衰退してしまうのである。航走波とバスボートでさえも転覆する霞ヶ浦の三角波のエネルギーを考えれば明らかである。誤解を招く可能性があるので申しておくと、小生は根付かないとは言っていない、あくまでも根付きづらいと言っているのである。
Bのコンクリート護岸についても、多少は関係あると言った程度であろう。護岸と水質悪化は、よく言われるが、護岸の水質浄化能力もはっきりいってそれほど無い。むしろ、消波の面での影響の方が大きいだろう。

 小生なりの霞ヶ浦の水質汚濁とその対策工について述べる。
 水質汚濁の原因については、以下の2点に尽きると小生なりには考える。
原因−1:流域の生活雑排水の流入(流域の下水道の整備状況が悪い)
原因−2:潮止ゲートによる水の流動の抑制
 原因−1については、どうしようもない。完全に行政しだいだ。流域の下水道の整備率の向上と高度な下水処理システムで霞ヶ浦の水質は、飛躍的に向上するだろう。これは、間違いない。余談であるが、日本最悪の汚濁湖沼といえば、千葉県の手賀沼である。手賀沼の汚水の流入量は、霞ヶ浦、琵琶湖の何十倍であったと記憶している。
 原因−2については、霞ヶ浦への塩水遡上を防ぐために設けられたゲートが挙げられる。このゲートにより、湖流の動きは遮られていると停滞水域と言っていいだろう。だったら、そんなゲート上げるなり、撤去するなりすればいいのでは?とお考えになるかも知れないが、それは、はっきり言って無理である。霞ヶ浦が汽水(塩水と淡水の混合)域になれば、より生物相は多様になるかも知れない。バスも多少の塩分では死なないであろう。問題は流域にあるのである。霞ヶ浦流域には、水田、蓮根畑等が多い。水源は無論、霞ヶ浦である。塩分濃度の高い汽水を水田に用いたら・・・。大打撃である。
 無理だ無理だではしょうがない。小生なりの良好な霞ヶ浦を再生する手法を述べよう。 まず、湖岸についてであるが、雑誌「Basser」8月号の吉田幸二氏のコラムにも掲載されていたように、ヤナギの植樹には大賛成である。これは水質浄化という観点よりも、湖岸の緑化、消波効果、生物面での効果は相当期待できる。さらに、意外な効果が期待できる。それは、湖岸への砂泥の堆積効果である。この効果を利用し、周辺にヨシを植樹すれば、ヨシは根付くだろう。ヤナギの植樹は、非常に簡単であり(詳しくはBasser誌参照)お勧めである。しかも根が深く付くので、少々の波では流失しない。ヤナギは、昔から柳枝工、丸太格子工等の河川の護岸工法として知られている、いかに根付くかということがわかる。ただ、陸っぱりの人は少々釣りづらくなるが、致し方ない。
 流入雑排水の問題については、行政に委ねるしかないか・・・。あるいは、流入河川での礫間接触浄化(原理は熱帯魚水槽の浄化装置と同じ)・・・、対して効果はないだろう。ただ、流入排水が、現状よりも水質が悪くなると言うことは、まず考えがたい。
 潮止ゲートについては、諦めてください。これは無理です。ただ、地下河川で他河川や他の湖沼と接続し、流水の往来を図ることで、多少は緩和されるだろう。しかも、少々趣旨はそれるが、現在「霞ヶ浦導水路」が整備中である。これがうまいこと使えれば・・・。 まあ、そんなとこでしょうか。
 ちなみに、本論の反論は一切受け付けません。
論破する自信はない(笑)