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〔No.5〕
山へ行く前、行った後
| 今回は安全で楽しい犬連れ登山ができるためには、あなたと愛犬に何が備わっていなければならないかを考えてみましょう。 |
| 体調 |
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山歩きはかなりの体力を消耗します。また、山中で体調を崩すとつらい思いをしなければならず、最悪の場合は遭難に結びつきかねません。出発前に、あなたと愛犬の体調を良好な状態に保つよう努力をしてください。 |
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睡眠不足は解消しておきましょう。バテのもとです。また犬連れ登山の場合、アプローチに車を使うことになりますので、帰路で居眠り運転に陥り、交通事故の心配も出てきます。 風邪や腹痛など体調が万全でない場合、通院や服薬で早めに体調を回復しておきましょう。風邪をひいていても、山を歩けば治ってしまう……などというのは20代までの元気なうちです。 前日に何かの理由でお酒を飲まねばならない、ということもよくあります。山歩きを控えている場合、飲み過ぎは禁物です。 特に循環器系の持病をもっている方は出発前のチェックをしっかりやってください。朝元気で家を出て行った中高年登山者が、山中で心臓発作を起こして突然死した例が、丹沢で実際に発生しています。山の中では救急治療ができません。 |
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愛犬は身体の不調を言葉で表現できません。出発前日までに体調チェックを済ませておきましょう。なんとなく元気がない、餌を食べない、毛並みがよくない、などといった様子が見られたら、早めにかかりつけの獣医さんの診察を受けましょう。当日になっても元気がないようでしたら、山行を延期するか愛犬を置いていくことを考えねばなりません。 |
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| 体格・体型 | |||
肥満体の人は基本的に登山に向きません。犬も同様です。 単純なたとえですが、もしあなたが標準体重より10kg太っていたら、それは標準体重の状態で10kgの余分な荷物を背負って山を歩くのと同じ状態です。登りでは、脚への負担と同時に、循環器系の負担も重くなります。つまり息が上がりやすくなるということです。下りでは、脚への負担がより大きくなり、関節炎や捻挫の危険が増加します。 普段からウェイトコントロールに気を配りましょう。特に太りやすい体質のあなた、太りやすい犬種の愛犬の場合、きちんとした体重管理を心掛けることをお勧めします。 |
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| 体力 | |||
登山の場合、体力に合った山を選ぶことができるので、絶対的に必要な体力レベルというものはないと思います。安全で楽しい山歩きをするためには、体力に合った山を選ぶということが基本になります。 しかし、体力がつけば、より高い山、より長いコースを歩くことができるようになります。体力目いっぱいの山歩きは危険です。ゆとりのある山歩きをするためには、普段からの心掛けが必要です。トレーニング方法については回をあらためて考えることにします。 あなたの体力に合った山を選ぶと同時に、愛犬の体力で楽しく歩きとおせるかどうかも計画時にはチェックしておきましょう。これまでの山歩きで、どの程度の山が愛犬の体力の限界かをきちんとあなたが把握しておくことが必要です。 |
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| 情報収集 | |||
前に述べたとおり、同じ山を歩く場合、犬連れ登山は一般の登山より危険度が大きくなることを忘れないようにしましょう。可能なかぎり事前の情報収集を行い、きちんと計画を立てて出発しましょう。 人間には、単純に色分けすると、なんとかなるさと考える楽観タイプと、何かあったらどうしようと心配する悲観タイプがあるようです。実際なんとかなる場合が圧倒的に多いのですが、万が一なんとかならない場合が問題です。想定されるアクシデントやトラブルは計画段階で織り込んでおきましょう。 それができるかどうかはあなたの情報収集能力と計画力に左右されます。簡単と思える山でも、ガイドブックや地形図をよく読み、事前に行程表を作っておくことをお勧めします。歩く山がきまったら、インターネットで山名検索すると、季節ごとの山の状況を把握することができます。犬連れ登山の情報に出会うかもしれません。ガイドブックに載っていない危険情報や現地の最新道路情報を把握することもできます。 また温泉情報や名産品の情報なども得ることができます。下山後のプラスαで一日をより楽しく過ごすことができるかどうかもあなたの情報収集能力にかかっています。 |
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| 記録と分析 |
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山から帰ってきたら、簡単でいいから必ず記録を残しましょう。この記録を分析することで、あなたたちパーティーの強みや弱みが見えてきます。 あなたたちパーティーの実歩行時間とコースの標準時間を比較することにより、あなたたちは登りや下りに強いのか、弱いのかがわかります。それは次回以降の計画の、実歩行時間の算定に役立ちます。特に晩秋は日暮れが早くなるので、こういうことを把握しておかないと、とっぷり日が暮れて暗くなった山の中であわてる、などということにもなりかねません。 また、どういう場所を通過するときにどういう問題があったかも記録を残すことで意識化できます。今回はアクシデントにまで至らなかったが、つぎには山の条件次第でそれが事故に結びつくかもしれません。こういうことを予防するためにも、記録による山歩きの意識化は必要です。 どんな道具、どんな食糧を持っていったら、それがよかったか、期待を裏切る結果になったかも把握しておけば、次回以降の装備の調達や食糧計画にも役立ちます。 ノートに簡単なメモでいいのです。こういう努力を積み重ねることによって、もうひとつ上の山歩きができるようになります。 |
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