三番瀬散策リポート



三番瀬(さんばんぜ)
東京湾の最奥部に広がる自然の干潟。
海面積は1200fにおよび、東西距離4キロb、南北距離3キロb、
全体に1bよりも浅い海で、大潮の干潮時には広大な干潟が現れる。
そのほとんどが埋め立てられ、わずかに瀬の深い部分のみが残る。

間口が狭く、奥行きのある東京湾は、海流の循環という点では決してよい環境ではない。
循環が悪ければ、水質は悪化する。にもかかわらず、東京湾は漁場として栄えてきた。
様々な生物を育み、自然の営みを送る中で干潟は東京湾の浄化に重要な役割を担っていたのである。
近年、東京湾内の海岸のほとんどが埋め立てられ、干潟も姿を消した。
わずかに残された三番瀬にも、埋め立ての計画が持ち上がっていた。
現在は、その重要性が再認識され、船橋市をはじめとして様々な方面から保護の声があがっている。
三番瀬では、四季を通じて様々な生物が見られる。



8時ちょっと過ぎ、船橋漁港着。
予定していた人数よりたくさんの方が散策会に参加すると言うことで、
本来1便しか出ない船を2便に増やしたということである。

今日お世話になる船は「たかつね」
客員数27名の小型漁船である。
たぶんベテランであろう船長のだみ声が、拡声器から響き渡る!!



8時40分船橋漁港発。
天気予報では、あまりはかばかしくない空模様のはずだったのだが、
太陽も出てきて海も穏やかだった。
(湾の最奥部だから波もないしね♪)





首都高速の下を通過。
高速を走る自動車たちの喧噪が響いていた。
海の上は、風が気持ちいい!

あとどのくらいで着くのかなぁ?




鉄筋コンクリートの倉庫街が続く。
倉庫の前には、砂や砂利の山が作られていた。
この先に、生き物の聖地があるとはとても思えない無機質な風景。





貝殻島発見!
しばらく行くと、大きな船の陰から貝殻島が現れる。
この島は、三番瀬の手前にある堤防の内側に貝殻が堆積してできた物である。
桟橋などはないが、渡し船は貝殻の山に突っ込むようなカタチで着岸する。




貝殻島に降り立つ。
船の舳先にハシゴを立て、貝殻島に降り立つ。
足元は、ガシャガシャと音を立て、不思議な感覚だ。
ここでは、すでに三番瀬にはいなくなってしまった貝の貝殻も見つけることができるそうだ。




散策開始♪
早速散策を開始する。みんな、手に熊手やスコップを持っている。
バケツやクーラーボックスを持っている人たちもいた。
どうやら、貝やカニは自由にとってもいいらしい。
自分は持っていかなかったので、得物を持っている人の近くで、
どんな物が掘り出し物があるのか観察した。


三番瀬の生き物たち
画像にポイントを置くと説明が標示されます(point!は、ロールオーバー画像つき♪)

たくさんのミズクラゲが干潟に残され、日に当たり、次第に縮んでいく。 ゴカイは、干潟の砂を食べ、体内で有機物だけを濾し採る。フンといっても、消化物ではないのだ。 巣ゴカイが、あたりの砂や貝殻を使って作ったチューブ上の巣。砂に埋まっているので引き抜くのは容易だが、すでにゴカイは反対側から素早く砂の奥に潜った後だ。
ミズクラゲ ゴカイのフン 巣ゴカイの巣
まずこうした珪藻類が干潟に繁殖し、これを動物性プランクトンが食べ、それを小生物や魚たちが食べ、大型魚や鳥類の餌となり、フンが排泄され、有機物は珪藻類の栄養分となる。食物連鎖のはじまりにあたる生物。 干潟を掘ると、ごろごろと出てくる貝。アオヤギに似ているが、砂が多く食用には向かない。 巻き貝かな?と見ると、ほとんど小さなヤドカリだった。ここに写っている物も、ほとんどがヤドカリである。
干潟に発生した珪藻類 シオフキ貝 見渡すかぎりのヤドカリたち
丸い甲羅がかわいい♪このカニは、横だけでなく前向きにも歩けるのだ! シオマネキの仲間であるが、ハサミの大きさは左右対称である。写真ではわかりにくいが、長い眼柄を持ち、水面に眼だけ出している。 地中海産のカニ。大型船のバラストタンクに紛れて日本に運ばれたといわれている。荷物を積んだ船がバラスト水を捨てる際、この海域に放され適応・帰化したと考えられている。
マメコブシガニpoint! オサガニ 地中海ミドリガニpoint!
ボラは出世魚であり、成長の段階によって名前が変わる。イナッコ→オボコ→イナ→ボラ→トドという順である。オボコは、かわいらしい女性を表すオボコの語源。また、イナは、いなせの語源。トドはとどのつまりの語源と言われている。 ドジョウやナマズのようなヌメヌメとした魚。その外見とは裏腹に、実は白身で、天ぷらなどにすると美味しい。潮の引いた防波堤の牡蠣殻の中で乾燥に堪えていた。 貝殻が見あたらないが、貝の仲間である。殻は退化して薄く体内に納められている。生存競争の厳しい環境で貝殻がいらないということは、相当にまずいということか?
ボラの稚魚 ギンポ ハダカカメガイの仲間



みそ汁の配給
散策会の最後にみそ汁が振る舞われた。
アサリのたくさん入ったみそ汁と、コンビニで買ったおにぎりでお昼にした♪

point!
9時から2時間も干潟を歩き回っていただけあって、お腹がぺこぺこだった。




今日の獲物たち♪
この日に干潟で発見した生き物が水槽に入れられていた。

point!
スタッフの人が、1つひとつ手にとって解説してくれた。
名前がわかると、その生き物についての理解がぐっと増したような気がする。


本日の散策会の主催は、三番瀬フォーラムという市民団体です。
興味のある方は、下のサイトを参照してください。


2002.5.12(SUN)