和尚山(安達太良) 1610m

2002年3月1日
寺沢〜和尚山〜寺沢林道〜寺沢
単独  クロカン+長靴

 先日、前ヶ岳に登った時に見た和尚山麓の雑木林を現地で確認してみたくて、寺沢をつめてみることにした。 

 家を出るのが遅くなってしまい、県民の森の先にある林業用作業道登り口に軽トラを置いて登り出した時は、なんと10時であった。

 最近とても暖かくなり、雪はどんどん消えている。
 登り口の近くでマンサクが咲いているのを見つけた。植物をデジカメで撮るのがけっこう難しいことに気付いてからは、あまり接近せずに遠くからパンフォーカスで撮影して、あとで必要な部分を切り取ることにした。
 はじめから植物撮影を念頭に置いていたら、このデジカメは買わなかったろうなと後悔しているが、とりあえずこのカメラと付き合っていくしかない。今回はEOSも持ってきた。

 寺沢の北側に伸びる作業道には若干雪が残ってる。長靴でも歩ける状態であるが、それでもスキーをつけたほうが楽なので、クロカンを滑らせていく。
 ところが、この作業道がすぐに行き止まりの感じになり、仕方がないので雪の消えた雑木林を寺沢に下りてみた。

 寺沢の付近は、カモシカの足跡がにぎやかだった。
 沢沿いに林の中をたどりながらしばらく行く。薮がひどくて、クロカンで歩く感じではないが、右岸左岸の平な部分を使いながら、長靴の長所を活かして沢を渡って登る。
 しかし、あまりに進まないので、南斜面を上りつめるとあるであろうはずの寺沢林道を目指して、若干急な潅木層の斜面を登ることにした。クロカンでは全く歯が立たずに、ザックにつけたが、ツボ足だと股まで潜ってしまいけっこう難儀する。

 やっとのことで林道に出てからは快調にスキーを進められる。お目当ての雑木林はまだまだ先である。このあたりは殆どアカマツの林だ。
 林道は、クロカンで進むに程よい勾配である。MTBクロカンとクロカンスキーのフィールドはほぼ同じ場所といってもいいだろう。クロカンで登れなくなるような斜面になると、MTBに乗って登ることも困難になる。

 寺沢林道は地図で見るよりもずっと上まで伸びていて、標高1000M付近の大きなカラマツのあたりまで進むことができた。
 そこから先の広葉樹林は、道らしきものはなく、適当にルーファイしながらいく。
 しばらくは、多少低めのナラとかカバノキ系が多い感じの混んだ林を、枝を引っ掛けながら登るが、やがてゆったりしたダケカンバの林になった。これが先日前ヶ岳から見た林の一端だ。

 右側の斜面に、ずっと奥までダケカンバの林が続き、新しい枝の赤味が強くなって、森全体が真っ赤にみえる。その中にポツポツとブナがある。
 このあたりは、国有林の機能類型では「自然維持タイプ」なので、伐採されることはないことになっている。安達太良の東面としては、けっこうすばらしい森と言ってもいい場所ではないかと思う。

 真っ白な和尚山が見えると、山頂に行ってみたくなり、時間的には全く遅いのだが、観察モードから登頂モードに切り替え、ガンガン登りだす。
 片斜面になってる雪面をウロコ板で頑張っていたが、だんだん限界になり始め、開脚でものぼれなくなり、ツボ足に切り替えた。
 ウロコで登れない斜面は滑りもままならないので、スキーをデポしてもいいのだが、何せ軽いので、とりあえずスキーも持って上がる。

 山頂直下に、小ピークがあり、ここから見ると白い大斜面が壁のように見える。
 右奥の方は若干雪庇になっている。
 時刻は2時を回っていたがとりあえず登ってみることにする。クロカンでは下りも不可能に見えたので、ザックとスキーはデポしてウエストバッグのみで登る。雪面は長靴でちょうど良い具合の腐り具合で、アイゼンが必要な硬さでもなく、キックしながらサッサと登る。

 稜線に立つと、右手の奥がずっと高く盛り上がっていて、下から見えた山頂と思われた場所よりもさらに高い部分は遠そうだった。地図上の三角点は1603mになっているが、実際にはもっと北側が15mくらい高く、せっかくなので、そっちまで延々と歩いた。ここはクロカンがあった方が快適であった。

 考えてみれば、高校時代の無雪期に登って以来、和尚山に登ったことはなく、薮に囲まれた印象の山頂がどこだったかなど覚えてはいない。
 とにかく一番高そうな場所まで行き、写真を何枚か撮ってさっさと下山にはいる。2時半をまわっていた。はっきり言って、ゴンドラ使って安達太良山頂に立つ距離の3倍くらいは軽くある。たった1600mの山頂ながら、安達太良の妙な懐の深さを感じる。

 スキーを置いた場所まで下り、いよいよスキー滑降なのだが、はじめから憂鬱である。山スキーを持ってくれば良かったと思うようないい斜面が伸びるのだが、長靴クロカンには厳しすぎる腐り雪であった。ザラメならずらしも利くが、ズブズブと沈むのでずらせない。しかも、ズブズブという抵抗の変化でスピードにむらが出て、そのたびにバランスを失いコケた。
 最近、こんなにスキーでコケたことはないというくらいに、とにかくコケた。大学で新人の頃にも、これほど転ばなかったと思うほど、止まる=転ぶという状態であった。
 長靴が緩いこともあり、スキーと足裏の一体感がまるでない。もう2度と使うものかと思いながら、腐り雪から立ち上がったのも数知れず。とても人にはお見せできません。
 山スキーなら多少腐っていても、なんとかこなせるようになったが、クロカンでは全く歯が立たなかった。さらに、森林帯の中は、曲がることができすに立ち木を避けることができず危ないので、下りにもかかわらずスキーをザックにつけてツボ足で歩くという屈辱的な結果になった。

 だましだまし林道まで降りてからは、クロカン長靴の本領発揮で、快適に滑れた。使い分けできれば、林道終点まではクロカンで、その先は山スキーならいいのだろうが、そうはいかないので、滑りを楽しみたいなら重くても山スキーで行くべきなのだろう。



自然礼讃