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会津駒ケ岳 2003年01月09日(木) 快晴 行程 6:30 桧枝岐スキー場駐車場(920m)単独 (山スキー BANDIT+TR9) ウェア:ドロワット上下 1月に入って、5日の日曜をはさんで天気が大きく崩れた。西吾妻では遭難騒ぎもあったし。 新雪の深雪、いわゆるディープパウダーといわれるような山の雪を楽しもうとすると、降雪状況をきちんと把握しておくことが重要になる。しかし、休日や計画日が最初から決まってると、激降りのあとの快晴下のサラサラのパウダーを狙いに行こうという計画はなかなか実行できないわけだが。 そんなわけで、1月の乾いた深雪を狙って駒に出向いた。 桧枝岐までの道のりは160キロ。田島の駒戸トンネルまでは道路もドライ。トンネルを抜けてからがちょっと別世界。桧枝岐近くなると圧雪の白い道路になった。 予想通り、登山口には駐車スペースがなくて桧枝岐スキー場に駐車して仮眠をとる。 朝、5時50分起床。谷あいから見える空には満天の星がきらめいてる。 登山口まで10分の歩き。気温は−12度。水分のない雪で、圧雪の道路も歩きやすい。 登山口で、まだほの暗い中の写真を一枚と思ったら、満充電のはずのデジカメ(ソニーP1)がレンズ伸びた状態で強制終了。そしてその後作動せず。たしかに動作保証の気温以下だが、最初からこんなじゃ、デジカメ持ってくるだけ損だった。まあ、メインは銀塩カメラのEOSなので「やっぱり」という程度の反応でショックはなかったが。 予想外にも、登山口からしっかりしたトレースができている。昨日のもののようだ。ストックの跡を見ると、どうやら単独行の様子。その上にワカンの跡もある。ワカンの跡は途中の林に消えていった。 林道からはずれ、杉林を抜けて上の林道の大曲に抜ける斜面も、かなりいい感じのルート取りをしていて、「これは私よりもベテランだなあ」とトレースの主の実力を察する。 林道の大曲で、深い雪の斜面を必死に登るカモシカを発見。あたりにはカモシカの足跡が縦横無尽に。 トレース通りに谷を登る。谷から尾根への突き上げのポイントにしても、トレースの主の選択はバッチリである。トレースをはずすと、激ラッセルなのかというと、実はそれほどでもない。サラサラの超良質のパウダーが足首の上くらいだ。 トレースのおかげで1時間ちょっとで第1ポイントのアンテナに到着。無風快晴という願ってもない天気だ。出発時は寒くて、長袖インナー・オーロンラガーシャツ・マウンテンジャケット と厚着していたが、陽が差してきて風もないので一番上のジャケットを脱いだ。 登ってきた谷に、トレースの主の滑りの跡が見られないと思っていたら、ここから北側に滑っていった模様。私はそっちは滑らない。 毎度ながら、ここからはブナ林のなかの快適な登りが続く。先行者のルート取りも完璧。忠実にいただくことにする。 同じ斜面を登るのに、どんな角度でどのくらいの頻度で折り返していくかというのが全て記録として残っているトレースからは、その人の技量まで推し量られる。 しかも、キックターンのうまいヘタもわかる。私だったらキックターンせずに微妙にステップターンしていく場所も、この人は正しくキックターンしていた。トレースを追うと、私がスリップしてしまう斜面もあった。そろそろシールも買い換え時か。 ブナ林の終盤頃から、そのトレースに変化が出てきた。普通一般的には赤いプレートとマーキングを登っていくのだが、このトレースはずっと右に寄っていく。しかも、折り返しに無駄がでるようになった。 ということで、1700mくらいからトレースとさよならしてラッセルをはじめる。どちらかというと尾根の左寄り(南)に登った方が、燧ケ岳方面の景色もよく、雪も若干堅い。 基本的には激ラッセルを覚悟してきたのだが、予想に反して殆どトップのもぐらないラッセルだ。ディアミールのクライミングサポートを最大に起こし、かかとから着地してつま先でけるイメージで登っていくと、自然にトップが上がってくれる。トップが雪面の下に潜ってしまうと、それを上げるのにけっこう体力を消耗する。 シラビソ林を抜けると、会津駒山頂の真っ白な斜面が視界に広がる。シュプールはない。はいはい、私が落書きします。さすがに風が冷たくなりジャケットを着込む。 浅い風紋が出来ていて、表面が固い。激深のパウダーの期待が外れた。山頂直下の白さにも、ウインドパック気味のまだら模様が見える。 駒の小屋の下に若干あるシラビソ林に、子ウサギのかわいい足跡がたくさんついていた。好き好んで標高2000mの厳しい場所に生きているのだろうか。こんな場所で子供を育てられるのだろうか。足跡をたどると、西側の樹林帯に伸びてるようだ。たしかに、もっと下には敵もたくさんいるとは思うが。 若干バテ気味で登頂。360度のパノラマ。富士山も見える。大戸沢方面は林がずいぶん黒く見える。 ポットに入れてきた「ホットポー」(ポカリスエットのホット)が意外にうまい。ビスケットで軽く腹ごしらえ。 シールをはがし、ワックス塗って滑降開始。 今回は最初から源六郎沢の底を目指す。しかし、思ったよりも全然硬い雪だ。フワフワという感覚じゃない。少し沢に近づくとすばらしくいい雪になった。沢の底が最高の浮遊感。そのまま沢を滑って行きたいところだが、ちょっと狭くなったところ(約1870m)で第1ラウンドは終了にする。 滑ったままで登山道には合流できないので、シールを貼って右手の斜面をトラバース気味に登り返す。 途中の開けた斜面から、今描いてきた自分のシュプールを見る。 間違いなく誰にも見られることなく、風と雪で消えていく落書きだ。もっと攻めの滑りに徹すれば、つまりスピードに乗れば、いいラインになるんだろうが、単独だとケガしたら終わりだし、今の技量ではこれで精一杯。とりあえず、コケない滑りで良しとしよう。 約30分のシール歩行で尾根のルートに合流した。プロトレックの高度計は1950mと表示してる。天気もいいのでスキー板に腰掛け(雪の上にシートを広げてももぐるだけだ)、燧ケ岳を見ながらのんびり昼食にする。 あまりに気持ちがいいせいか、MISIAの「果てなく続くストーリー」をいつの間にか口笛で吹いていた。NHKでこの歌と一緒に流れてたビデオにははまりました。 そこからブナ林主体の第2ラウンド開始。いつもあんまりいい滑りができないので期待していなかったのだが、ここが過去最高の雪質だった。上部の第1ラウンドよりもフカフカで気持ちよい滑りだった。 左手の北斜面には、もっと良さそうな斜面がたくさんあって誘惑にかられる。 2ラウンドはアンテナで終了。快晴で日差しが強いので、さすがに少し融けて重くなり始めてきた。 アンテナからは登ってきた南東コースを滑る。アンテナから東側にも滑れるが、夏道登山口のすぐ北側で大きな雪崩が起きることがあるので、あまり好きじゃない。それよりなにより南東コースにある日影の谷が滑りたい。 最初は重雪かつ薮が多くてターンもままならず、斜滑降キックターンで小刻みに高度を下げる。 その昔、乗ってはまりかけた雪庇が出来てる手前から谷に滑り込む。 とにかく日影の谷なので雪質が最高。この小さな谷に名称などあるはずもないが、会津駒の冬期ルートでは重要な場所なので、勝手に名前をつけよう。 カモシカの足跡やフンが多いので、私は今後「カモシカ谷」と呼びたい。またはこの谷に多い大木が「センノキ」で間違いないなら「センノキ谷」がいい。とにかく、ここの斜面では最後の楽しい滑りができる。もっとも、時期的に遅くなると、どうしようもない腐り雪になってることが多いが。 というわけで、快晴のもと気持ちよく終了。 定番の駒の湯(500円)に出向いたが休みだった。それじゃあということで、帰り道での第2希望、伊南村の古町温泉(310円)で、雪に囲まれた茶色のお湯に浸かった。 Copyright © 2003.MildWoods.
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