船形山       写真へ

■ 2002年3月24日(日) 曇り時々晴れ 風強し
■ 7:00 升沢・内水面水産試験場(530m) 〜 8:40 三光の宮(1200m)〜10:00升沢小屋 〜  10:41 船形山頂(1500m)11:17 〜 11:53升沢小屋 〜 13:34下山
■ 山スキー  TUAイクスキャリバー
■ 単独
■ 地図 エアリアマップ:蔵王・船形山  2・5万図:升沢、船形山


 いつもと趣向を変えて北に向かってみることにした。実は、桧枝岐まで走るのとほぼ同じ距離で船形山に入ることができる。しかも、走ってはこちらのほうがずっと楽なのだ。

 天気が思わしくなく、升沢の内水面試験場に着く頃には本降りの雪になっていた。すでにクルマが7台くらいあって、夜も遅いのでそろそろと一番離れた場所に停めて寝る。

 5時過ぎに目が覚めたが、クルマに当たる雪の音がうるさいような天候だ。モチベーションがあがらず、二度寝を決め込む。遅くなればなるほど天気もよくなるだろうと勝手に決める。
 外で火を使うことができないため、車の中でコンロを使用。ポットに詰めるために紙パックの100円コーヒー飲料を沸かしていたところ、吹きこぼしをしてしまいパニック。コーヒーくさい中でカップラーメンをすすりこんで出発。

 クルマがたくさんある割には、誰も出てこない。皆、泊りがけで入山してるのか?。20センチくらいの新雪。複雑な気持ち。どうせ滑る頃には腐るのだろうと。
 林道から離れてブナ林の急登に入る。割と高めの素性のいいブナが多い林だ。雪面はすでにほんとの残雪状態らしく、ブッシュが結構出ている。ブッシュといっても、ここまで育つのに20年とかいうブナの幼樹も多く、傷つけないように気をつけて歩く。新雪の下は黄砂?で黄色く汚れた雪。

 30番からはじまる新しくて赤いプレートがついているが、次々と見えるほどに多くはない。しかし、赤布のマーキングがけっこう頻繁についている。
 20分くらい登ると、途中で幕営していたパーティのトレースが現われる。極端に楽になった。それからしばらくして、早くも下山する別の二人組みとすれ違った。

 またしばらくして、一群平の下で3人パーティを抜く。登路になってる尾根筋のブナはほんとにすばらしいのだが、その南はカラマツ林がけっこう大きく広がっている。北側には杉の植林地らしいのが見える。 かろうじて残されたブナ林と言うべきか。

 いつの間にか、登ったばかりらしいしっかりしたトレースが現われた。このパーティも途中で幕営したようだ。俄然楽になった。
 三光の宮という小ピークからは平坦になり、若干下り気味になる。かなり平坦部が広いので、初めて来た身には少しまごつく。やはりトレースを追ってどんどん進む。

 わけなく樹林越しに、トレースの主のパーティが見えた。12人くらいの大部隊だ。できれば、追い越さずにトレースを頂きたいので、あまり接近しないようにペースを調整する。

 しかし、何やら止まってルーファイしてる模様。追いつくとめんどうなので、距離を保ってこちらも止まる。そういえば、20くらいまで見えたプレートが見えなくなった。升沢小屋へのトラバース開始の位置よりも蛇ヶ岳よりに登ってしまったようだ。

 まあ、どっちにしろ、トラバースすればいいだけのこと。しばらく跡を追っていたが、ルートの取り方に無駄が多いため、トレースと別れて独自にラッセルを開始する。

 晴れ間にちょっとだけ小屋らしきが見え、その方向に当てて進む。そのうち、下方の雪面に小屋の屋根が若干のぞいてるのを発見。升沢小屋らしい。ということは、さっき見えたのは山頂小屋か。随分と近くに見えたが。

 升沢小屋から、少し深くなった雪をがしがしラッセルする。どこまで行けるかわからないが、行けるところまで進もう。

 沢沿いに、多少の急登も直登する。トップの折り返しが切れ始めたアセンションのシールだが、接着力と登坂力には、いまだに不満がない。
 雪深い斜面を登りきり、千畳敷らしき広い雪面に出るが、強いブリザードで地形もよく見えない。かろうじて見える赤布を手がかりにして、トラバース気味に北西に進む。そのうち、雲間に四角く小屋が見えた。

 見え隠れする小屋を目標にブリザードを進む。とにかく小屋で休めば後はなんとかなる。今日は完全装備で登って正解だった。バラクラバをかぶって行動するのは、もしかすると今年初めてかもしれない。天気の良い時しか登らないと、結構軟弱になっていく。今日は、3月下旬の1500mとは思えないブリザードだ。

 なんとか、小屋に着く。小屋の周囲に雪はない。小屋の裏にまわると、なんとそこが山頂であった。さっさと写真を撮って、小屋に入る。

 すばらしい小屋だ。ドアや窓の気密もしっかりしてるし、吹雪の中でも簡単に開けられる。ドアを開けるために雪堀しなくてはならない小屋も少なくないのだが。ここは最高!
 外は地獄、中は極楽という感じで、一度入ったら出たくなくなる快適さだ。立派な薪ストーブがあり、個人のデポ品もけっこう多く、薪も個人の名前のかいてあるデポ品だった。

 30分くらい、窓外の横殴りの雪を見ながら休憩してから、意を決してその風の中に出発。始めのうちはブリザードに翻弄されて斜面感覚がつかめなかったが、少し下ってみると、すばらしい雪質で、さっそくショートターンで直下する。

 升沢小屋のあたりまで、実にすばらしい雪質で、あまりにすばらしいので登り返して、小屋に直下する斜面にシュプールをきざむ。3月の下旬ながら、今シーズン最高のパウダーじゃないかよ。適度に斜度のある斜面が短いのが気になるが。

 気分良く升沢小屋まで滑り込むと、ここからは平坦なトラバース。登りでトレース使わせてもらった高校生Pが、2張りのテントでくつろいでる。滑りに来たというよりも、雪中訓練ですね。もっとも、私の高校山岳部時代には、山スキーはなかった。

 登りとは別の正規のトラバースルートを進む。ちゃんと赤い数字のプレートがあるじゃないか。ツボ足とスキー混合のトレースも高速道路並。ところが、これがまたけっこうアップダウンがあり、合計4回シールをつけた。もちろん、トラバース分はずっとシールつけててもいいのだが、たとえ10mでも滑れる斜面は滑りたいパウダーなのだ。

 三光の宮からは、シールを撤収してOK。ちなみに、ここまではいちいちザックにいれずに、ゴアの雨具のおなかにぶっこんでる。カメラ用にウエストバッグを使ってるので落ちることはない。
 ここからは、すでに多くのシュプールがあって若干うるさいが、それでも新雪を探して気持ちよく滑る。

 だんだんツボ足のボコボコと、尻セードの跡がやたらと多くなり、若干閉口する。一群平あたりで、その主の一団が見えた。30人以上の大部隊だ。その脇のブナ林の中をさっさと滑りぬける。

 当然、下になるほど腐って重い雪になったが、それでもこの時期とは思えないような滑りが楽しめた。一群平から下は、ずいぶん人が入ってる様子で、ソリのあともたくさんあった。ツボ足でやたらと荒らされた斜面が多かったが、上部のパウダーを堪能できたので、全く不満なしであった。