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 お気楽クロカン日記    大徳坊(安達太良中腹)   2003/02/22


 安達太良山のなかで、個人的に気になっているスポットが「大徳坊」と言われる一帯である。ここは勢至平から伸びる台地状の張り出しなのだが、勢至平と大徳坊の間は「八町林」といわれる広大なカラマツ林だ。

 二万五千分の一の地図だと、このあたりは広葉樹マークで埋め尽くされているのだが、実際にはカラマツの植林地になっている。前にも書いたが、ほぼ100年近くになるカラマツの林なのだ。カラマツ林の前がなんだったかというと、どうも茅場ではなかったのかという話を聞いた。つまり、その平坦な地形ゆえかなり昔から人間の手が入った地域で、ブナ帯の天然林時代もあったはずだがよくわからない。

 ここが本来あるべき広葉樹の森になればすばらしいと考えているわけだが、実際にどの程度広葉樹が混じりこんでいるかを確かめたいと考えていた。

 ということで、ぶらっと出かけてみた。

 おそらくもっとも簡単にここに行くのは塩沢スキー場のリフト利用ということになるだろう。しかし、それでは運動にならないので、正統的にぐみ塚林道を登って行く。

 林道の終点付近から南側のウダイカンバ主体の雑木林を登る。ステップソールでは登れないとわかっていたので今回はシールを貼り付けた。登りは快適だ。それにしても非常に雪が少ない。

 一つ目のカラマツ林の台地に上がって、混んだ林を西側にトラバース気味に登って行くと、雪の白よりも笹の緑が目につくようになる。南斜面ということもあり、スキーをしてるというよりは薮こぎをしてるといったほうが正しいような状況になる。

 それをがまんして大徳坊の台地に上がる。整然としたカラマツの列がずっと続いている。約3m間隔で並んでいるが、10本に1本くらいの割合でカエデやリョウブなどが伸びている。コナラもけっこうある。ブナはさすがにないようだ。
 やはりメジャーなどを持ってきて、きちんとメッシュを作り、その中にどのくらいの樹種があるかを測るべきだったと反省。

 とりあえず自分の中での印象を確率するためにブラブラと歩き回る。東側の突端には低いアカマツが植えられているが、その境目には白樺の大木もある。林縁ほど自然度は高い。まあ当たり前だが。そして、そこに伸びた陽樹を先駆的樹種としながら、カラマツ林内のギャップに落ちた種が育っていくようである。

 台地から北側の斜面は塩沢スキー場へ続くのだが、こちらの斜面は、上の方こそカラマツが伸びているものの、すぐにまばらな雑木林になる。
 しかも30mもくだるとブナの比較的太いものを現われる。この台地の南側に較べて、ブナの発育状況は良いといえる。へたに手を入れなければ、大徳坊は北側から最終的にはブナ林に遷移していくのだろう。それにはまだ100年以上の時間を必要とするだろうが。

 そこに若干人間の手を入れて、広葉樹林化を進めることは、ここに住む動物にとっても人間にとってもいいことだと思えるのだが、どうだろうか。

 もう少し所々のカラマツを倒し、笹を刈り込むのは、実験する価値があるのではないだろうか。

大徳坊のカラマツ林


林縁に伸びる白樺