| 博士山(奥会津) 写真へ ■ 2002年3月10日 晴れ一時曇り ■ 6:10 昭和村奈良布(760m) 〜 尾根伝い 〜 9:42-10:00 博士山(1482m)〜 黄金沢 〜 11:00 奈良布 ■ 山スキー(BANDIT TR9) ■ 単独 まえがき 会津駒を滑り終えてから、駒の湯に入り、のんびりと昭和村に移動した。これが意外に遠くて、結局130kも走ってしまった。南郷村からの道も田島からの道も冬期閉鎖で、川口まで回り込まなければならなかったのだ。帰り道についでにという気軽な気持ちだったのだが。 それでも、春のポカポカ陽気で乾いた奥会津の道をのんびり走るのはとても気持ちよかった。浅草岳も真っ白に輝いて見え、99年に登ったきりの山に今年は行ってみようかとも考えた。 それにしても、先日のブナの講演会ではないが、道路沿いに見える山は殆ど全てといってもいいほどてが入っていて、杉山が地すべりしたように見える斜面も目についた。 川口から昭和村に入っていくと、クルマに出会うこともなくなり、とても静かな風景があった。住んでいる方には申し訳ないような言い方だが、会津の奥座敷というか、陸の孤島というか、なるほど昭和村だなあと実感してしまった。 小野川というわりと戸数の多めの集落が、高田へ通づる国道401号の除雪最終点になっていた。かやぶきのお宅はなく、みんなトタンをかぶせている。そして、輸入住宅のようなデザインの家もけっこう目立つ。それが風土に合ってるかどうかということになると、異論はあると思う。しかし、昔ながらの大きな民家が、冬にはとても寒くて暗いというのも事実である。そういう意味では、高気密高断熱の住宅は、冬は快適だろうと思う。 本当に久し振りで昭和村に入ってみた。もしかして、積雪期は初めてかもしれない。5月に来たことはあるが。私自身の価値観も変わりつつあるので、雪が消えてから自転車で走ってみたいと思った。 さて、博士山の登り口を探すべく、琵琶首というう地名のあたりまでクルマを走らせて見た。事前の情報では、博士山の山スキールートは、琵琶首と奈良布の二つがあった。琵琶首の神社マークのあたりから登るらしいが、道路沿いからいきなり雪面になり、クルマを停めてゆっくり寝てられるスペースがなかった。それで、県道から少し入った奈良布の集落に上がってみた。 こちらには夏道の登山口を示す標柱があり、そのそばの道路に駐車帯があって、のんびりできそうだったので、ここから行くことにした。会津にいた当時、なんとなく来た覚えがあるのだが、もっと道が狭かったような記憶だ。 本編 6時過ぎに出発する。田んぼの中をシールをつけたスキーで歩く。地図を見た印象で、朝のしまった雪のうちに尾根に突き上げ、あとは緩やかな尾根をだらだら進む予定であった。 すぐ左に見える尾根の突端に取り付く。けっこう急だが、雪がしまっていて登りやすく、シールで直登できる。ところが、登ってみると、この尾根が意外に起伏が多く、高低差のロスが多いことに気付く。しかも、雪庇状に右に雪が張り出していて、慎重に左のブッシュを通らざるを得ない場所も少なくなく、けっこう難儀してしまった。スキーで進むにはロスが多く、ザックにつけて、所々地面の見えるやせ尾根を歩く。 博士山はブナの山という印象があるが、里に近い大部分にはブナは皆無である。下のほうには杉があり、尾根はアカマツが主体、そして、左側の谷にはずっとカラマツの植林地が広がっている。山全体の8割ぐらいまで見渡す限り手が入っている印象だ。 時々雑木林の明るい沢があってほっとする。尾根を行くと左右の山々がよく見えて飽きない。特に、北側の大岐沢から伸びる林道と沢一帯に広がる造林地の様子はよくわかった。こうしてみると、琵琶首から均一に高度を上げていくコースは山スキーに適している感じであった。それに較べると、自分が登っている尾根は、山スキー向きではない。自分がいる尾根から北側の日影の斜面はサラサラのすばらしい雪で、登るのやめて滑り込んでもいいような斜面もあった。それにしても、博士山から伸びる尾根の北側を行く琵琶首ルートの方が滑りは楽しいのだろう。まあ、今さらしょうがない。 カモシカやウサギの足跡をたどりながら高度を上げる。1156mのピークあたりで、立ち枯れで折れたブナが目につく。本来ブナ帯だったのだろうが、尾根のわずかな部分を残して切られてしまい、カラマツが育ちつつある。しかし、風の強い場所では木が育たずに、残された何本かのブナも枯れてしまうように見えた。 尾根で分断されたブナは風楳による結実の可能性が低くなるので、ブナ林の勢力を拡大することは困難だろう。次の世代のブナも少ない。 やがて右に、大きくはげたピークが見えるようになる。博士峠から来る1455mのピークだと思い、地図で現在地を確認すると、愕然とするほどに進んでいない。尾根には地図で見るより小ピークが多く、全てを忠実にたどるとけっこう高度をロスする。このルートを登りに使うのは失敗だったと気付いても後の祭りだ。 右に見える1455ピークの高さを見ながら、高度を上げていくと、やがてまとまったブナ林にはいっていく。そのうち、琵琶首からのものとおぼしきトレースが現われる。4人ぶんくらいあるだろうか。既に滑ってるので、昨日のものだろうか。 1476のピークにつく。展望が良いが、先に博士山の山頂が見え、「まだあるのかよ」という感じである。 トレースはこのピークで終わっているが、私の場合、黄金沢に下ればいいだけの話なので、尾根をたどって山頂へ行くことにする。地図では6mの差なのだが、一度下るので、50mくらいの差になる。 博士山の山頂に立つ。展望は良いが、昨日の会津駒の後なので、いまひとつ感動に欠ける。昨日は薄着で山頂にいることができたが、今日は風が冷たくて、春用のノースフェイスのウインドブレーカーだけでは足りずに、ゴアの雨具を着て行動しても汗をかかないほどであった。 緩やかでいい感じのブナ林が広がる黄金沢を滑り出す。黄金沢の名前から、豊かな恵みを印象するが、それも、このブナの森があってのことだろう。しかし、すばらしいといえる森はすぐに終わってしまう。しかも、雪質があまりよくないために、滑りに余裕がない。沢が狭くなり、対面の伐採地が迫ってからは段差のある雪面を避けることに集中して滑る。 傾斜は緩く、すでに谷底に下ってしまったので、あとは先を見ながら適度に高度を維持しながら滑る必要がある。 何箇所か沢が割れている。できるだけ斜面の高い位置をトラバースしながら滑る。 そのうち、林道の跡がはっきりわかるようになり、ずっとそれをたどる。ほぼ平になってるので、スキーが滑ってくれない。昨日の失敗があるので、今日は缶入りのワックスを持ってきた。滑り出すときに1度塗りさらに林道を滑っている間に一度塗った。ヒールフリーにしてほぼいい感じの滑りができる。こういうときには、幅広のカービングタイプはいまいちである。 やがて太い杉の林になり、それから白く開けた田んぼに出た。 のんびりと後片付けと着替えをしながら、静かな山里の春の空気を楽しんだ。 あとがき 〜西山温泉〜 奈良布から柳津へ抜ける道路沿いに、ポツポツと集落がある。一つ目の居平という集落は、戸数15戸ほどだと思うが、昔ながらの狭い道に面してとても情緒ある風景を見せている。土蔵の壁に何気なくかけられた丸いわかんじきや、軒先の雪を落とす長いへらなどが、長く続いてきた雪国の暮らしを静かに語っている。 西山温泉について事前に調べなかったので、どこでお湯に入れるのはわからなかったが、少し離れた場所にある「 せいざん荘 」はよくあるタイプの公営温泉らしかったので、迷わず行ってみた。詳しい説明はリンク先の説明をどうぞ。 循環かなあと思いますが、露天風呂付きであの施設で310円は破格です。 |