肌の構造
肌(皮膚)は大きく分けて、内側から順に【皮下脂肪】【真皮】【表皮】の3つに分ける事が出来ます。
一般に肌と言われている部分は表皮の事を指し、その表皮は更に内側から【基底層】【有棘層】【顆粒層】【角質層】
に分けられます。 以上が皮膚の基本的な構造です。 どうです、分かりやすいでしょう。
【皮下脂肪】や【真皮層】はスキンケアよりも殆ど医療の分野なのと、真皮については後でも触れますので、ここでは
ちょっと置いておく事にします。
次に、スキンケアの対象である表皮の、それぞれの構成要素である4つの層についてお話を進めましょう。
表皮層の一番奥にあり、表皮細胞が活発に作られているところです。メラニン細胞もこの層の中に在ります。
この層は、ターンオーバーのスタートとなる表皮細胞を生み出すと共に、(細胞上部に存在するメラノサイト細胞が紫
外線を受けてメラニン色素を作り出し、色素を含んだ細胞を上部層へと押し上げる)と言う紫外線の体内進入阻止の
一連の皮膚活動の出発点となる層です。
それともうひとつ、この層自体の中にもメラニンは存在し、その量によって肌の色が決定されています。
*肌のターンオーバーとは:(皮膚は平均28日周期で入れ替わる事。年齢と共に周期が長くなる)
基底層で作られた細胞は、有棘層の名前通り、お互いにトゲ出してそれぞれが繋がり、丈夫な組織を作っています。
この細胞の間をリンパ液が流れ、種々の酵素を作ると共に、この層は基底層で作られたメラニンを含んでいて、紫外
線の透過を阻止しています。
またこの層の中にある、ランゲルハンス細胞は免疫機能をつかさどり、異物の侵入をブロック!。
つまり表皮の中枢ともいえる層で酸性度は弱アルカリを示します。
表皮細胞は、この層に上がってくると次第に押しつぶされたように重なって、顆粒が密集したような密度の高い層を
形成します。 さらに、この層の最上部から細胞はターンオーバーの最終段階である角質層へと上がっていきます。
顆粒層を形成する細胞の中には、ガラスのような性質を持つ、「ケアトヒアリン顆粒」が含まれていて、この顆粒は紫
外線を散乱させ体内への侵入を阻む役割を担っています。
スキンケアのメイン対象となる、角質層は、薄く板状になった細胞が核を失いケラチンの板となって層を形成していま
す。このケラチンは非常に強靭な物理的性質を持っており、又化学物質に対する抵抗性も強いものを持っています。
(但し、比較の問題ですが酸性よりもアルカリには弱く溶解されます、アルカリ性の温泉につかると体がヌルヌルするのはこのためです)。
そして角化細胞は、細胞間脂質(セラミド)によって強力に結合されていて、角化細胞層の間にある、天然保湿因子
(NMF)が水分を閉じ込め柔軟性を保っています。
つまり角質層は、物理的・化学的な刺激から身を守り、しかも柔軟性を持っている魔法の鎧のようなものなのです。
そして、表面に近づくにしたがって結合力が弱まり、最後には垢となって剥がれ落ちて行きます。
以上が表皮を形成する4つの層ですが、
実は肌にはもう一つ重要な第5の層とも言えるものがあります。・・・・その層の名前は?
(天然のスキンケア機能)
この皮脂膜 こそ人体が外界と接し、素肌への外部刺激を受け止め、必要な場合はブロックをする最前線なので
す。(自動車で言えばタイヤのようなものです)
ですからこの皮脂膜は、タイヤが消耗品であるのと同じように、常に補修や交換を繰り返しベストの状態に保つ事が
求められます。そのため、この 皮脂膜はいつも生き物のように、ダイナミックに活動しています。
つまり皮膚は、表面から順番に【皮脂膜】【角質層】【顆粒層】【有棘層】【基底層】という、5つのバリヤで、外部
からの物理・化学・細菌などあらゆる刺激から身を守る重要な器官である事を忘れないでください。
表皮の構造 顆粒層と角質層の構造
肌表面の話
前項でも述べましたが、肌の表面で外界と直接向き合っているのは皮脂層という薄いベールです。
この皮脂層は弱酸性に保たれることで、アルカリを好む病原菌の繁殖を阻止し、且つ皮膚表面からの水分(潤いの
基)の蒸発を防いでいます。つまり一番外側の皮脂層がしっかりとがんばってくれれば、それよりも内側の表皮は健
やかさを保てるという事になります。
健康な素肌とは、それぞれの層がそれぞれの役割を確実に果たしている、総合的なバランスの取れた状態なのです。
それでは、最前線で働いてくれている皮脂層はどんな物で、どのように形成されるのでしょう。
皮脂膜とは皮脂腺から分泌される脂質と汗が混合して形成された天然乳化物で、「皮膚の上面に薄い膜を作り皮
膚の滑らかさを保つ/水分の蒸散を防ぐ/弱酸性を保ち有害細菌の増殖を防ぐ。」というトリプルな活躍をしています。
ですから、この皮脂膜が欠けた所は、保湿能力が落ちてカサついたり、酸性度がアルカリ側に傾くことで、有害細菌
の定着と増殖をも許す事になります。
皮脂膜は、肌表面に作られた、いわば天然の高機能クリームのようなものですので、洗顔等によって簡単に洗い流
されてしまいますが、ただ、この皮脂膜は、強い再生力を持っていて、非常に短時間(5〜15)分の内に元どおりに
回復し、元どおりの機能を果し始める事が知られています。
でも、ここで、一つ素朴な疑問にぶつかりませんか?
表皮の【基底層】【有棘層】の酸性度は「弱アルカリ」、体内の酸性度も基本的に「アルカリ」、体に良いのは「アルカ
リイオン水」、 などなど、基本的には人は「アルカリ」に傾いているはずなのに、なぜ皮脂膜は弱酸性で、アルカリ性
の石鹸で洗い流されても、すみやかにもとの弱酸性に戻れるのでしょう。不思議ではありませんか。
これについては殆どの場合「アルカリ中和能という、肌が本来持っている能力です」。などと簡単に片付けられていま
す。 でも・・・・皮膚の本質はアルカリ性なのにアルカリ性を中和するなんて矛盾していませんか?。
実は、肌の表面では私たちのまったく意識しない所で、生物同士の共生関係に基づいた営みが華やかに行われて
いるのです。