白岩山、扇山

〜昔の交易路でもあったブナ林を歩く〜

2002/8/3、4

一日目 : 五ヶ瀬スキー場 〜 白岩山 〜 扇山山小屋 〜 扇山
 二日目 : 扇山山小屋 〜 白岩山 〜 向坂山 〜 五ヶ瀬スキー場

霧立越から見た高千穂峰(左)と韓国岳

 日本最南端の五ヶ瀬スキー場に登山口はある。長崎からは5時間とアプローチが長い。今回この山に登ろうと思ったのは、白岩山に咲く花を見るためと、ここから扇山への縦走路である霧立越を通って、扇山山小屋で泊るためであった。
 白岩山登山口から緩やかなのぼり道を30分ほど登ると杉越に着いた。ここからはもはや尾根歩きだ。さらに30分ほどで石灰岩の岩峰、白岩に着いた。現在はここのことを白岩山と言っているらしい。この周辺には驚くほどの種類の花がある。ヤハズハハコ、ソバナ、シオガマギク、ウツボグサ、ホタルサイコ、キジムシロ、クロクモソウ、キリンソウ、ミヤマカラマツその他名前のわからない花がいくつかあった。派手な群落があるわけではないが、種類多さは特筆すべきである。そして景色もすばらしい。東側は九州山地最高峰の国見岳をはじめ市房山、白鳥山、五勇山などの九州山地の山々が一望できる。西側は木々で隠れてよく見えないが、祖母・傾などが見える。
 白岩から稜線を少し歩くと現在では水呑みの頭と呼ばれるピークに着く。ここからは東側の展望がよいが、木々が邪魔していまいちである。さきほどの白岩からここまでは九州一のシャクナゲ群落がありその数10万本という。5月頃訪れれば見られるであろう。
 ここから扇山への稜線は霧立越えといい昔の交易路であったようだ。道は広く整備されていて、なるほど馬でも充分通れそうだ。ここを馬に乗って行き来していたのかと考えるとなんだか感慨深いものがある。途中、馬つなぎ場という場所があり、ここで馬をつないで休んだのだろう。今日も下界は真夏日でジリジリと太陽が照り付けているはずだが、ここは稜線にもかかわらずほとんど日が射さず涼しい。見上げると頭上は豊かな木々に覆われている。カエデ類が多く、紅葉時期はきれいなのだろう。またブナが多いのにも驚いた。しかもかなり太いものまである。山小屋から1.5キロほど手前には平家ブナと呼ばれる場所までもある。周りの森は植林され、無残な姿になっているが、この付近にはまだこれだけの自然が残っているのはうれしいことだ。

ブナの巨木

 登山口から5時間近くかかってようやく山小屋にたどり着いた。山小屋は思ったよりも立派だ。中には誰もおらず、置かれている日誌を見ると今月はまだ誰も着ていないようだ。この暑い真夏に山登りをする人はあまりいないのであろう。やはり5月のシャクナゲの咲く時期に登山客が多いようだ。

扇山山小屋

 まだ日が暮れるまで時間があったので扇山に登ることにした。山頂ではホツツジが一面に咲いておりとてもきれいであった。また展望もよく市房山や石堂山がよく見えた。雲がだいぶ広がってきたので夕日を拝むことはできなかった。山小屋の外には水が流れており、トイレまであってかなり快適だ。水はかなり冷たく、持ってきたビールを冷やして飲むことができた。山の水で薄めたウイスキーも格別だ。

 翌日は5時過ぎに起き、6時過ぎに出発した。やはり朝はすがすがしくて気持ちがいい。登山客がほぼゼロの霧立越を戻り、向坂山まで足をのばし、下山した。下山後、もう一つのターゲット、キレンゲショウマを探しにいった。林道沿いの沢に群落を見つけた。一属一種の植物で日本人が始めて学名をつけた植物の一つらしい。

 今回のコースには登山口、水呑の頭、山小屋と3箇所に水場があり、きれいな冷たい水を得ることができた。持っていった2リットルのペットポトルには水が入りっぱなしで最後まで使うことがなかった。思ったより涼しくて、水の消費が少なかったのも要因だろう。九州の山は標高が低いので夏の山は暑く遠慮したいと思うのだが、ここならばよいのでは?

キレンゲショウマ

 帰りに温泉へ寄ったのだが、目当ての場所では子供のサッカー大会が行われており、ものすごい人だかりで、駐車場に車も停められない状態であった。これでは温泉は超満員であろう。と九重まで行き、筌の口温泉に行った。ここから50キロ以上はなれているため、立ち寄り温泉ではないので省略。