

6月30日(金)
朝、あずさにJR茨木駅まで車で送ってもらって、8時発のバスに乗る。相変わらずガラガラ、おかげで爆睡、気がつけばもう関空に着いていた。まだ集合時間までには30分くらいあるが、ANAのカウンター前には既に何人か集まっていた。昼飯のサンドイッチを買い込んだ後手荷物を預けるが、リュックが今回初めてX線検査を受け、ガスボンベの持ち込みがばれてしまった。一応約款により、ガスボンベの持ち込みは、受託手荷物、持込手荷物を問わずできないことになっているのだ。取り出しを命じられ、やむなくボンベを空港に預けることになった。サミットの影響などで厳しくなっているのかもしれないが、これからは注意が必要のようだ。アクシデントはあったが、一応の手続きをして、嫁さんに命じられたマイル積算も無事済ませて、飛行機は予定通り出発した。天気は良く、窓からは、残雪を頂く富士山や日本アルプスの山並み、佐渡島を見ることが出来た。しかし北海道に近づくと、だんだん雲が多くなってきた。直前から梅雨前線が北上、雲が北海道の方にかかりだしているのである。後で聞いた話では、この週末の間関西の方はとんでもない暑さだったそうだ。でも稚内に着く直前、雲海の上には利尻山が浮かんでいるのが見えた。今日は頂上からはさぞ素晴らしい眺めだろう。まもなく雲を抜けて、13時過ぎANA429便は稚内空港に着陸した。荷物の取り出し、確認に手間取っているうちに予定していたバスが行ってしまったので、シンジ隊長はじめボンベ買い出し隊はタクシーで先行、我々は14:30のバスに乗ることになった。みんなは早速土産物屋へ。まだ着いたところなのであるが、たくましい主婦タワケは、「買えるときに買っとくんやア!!!」と言って、ものすごい勢いでお菓子を買い込んで、大阪へ送っていた。バスに乗り、空港を出発。道路脇には私の知る数少ない花、エゾカンゾウ(ニッコウキスゲ)が咲き乱れている。天気は薄曇りといったところ。ほとんど旅行客をのせたバスは稚内駅前を通り、稚内港へ。「さいはて」という名の旅館にも、なにか旅の哀愁を感じられずにいられない(ハチは別の方向でたいそう感動していたが)。フェリーターミナルには無事ボンベの買い出しを済ませた幹事方と、既に水沢から、新幹線、「はつかり」、「はまなす」を乗り継ぎ、「スーパー宗谷」で既に到着していたアオがお出迎え。しかし出港時間がせまっており、再会を懐かしむこともなく慌ただしく船に乗り込む。15:30定刻通り出港。船内は満杯、すし詰め状態。登山姿の人が多く、大部分は利尻登山の客のようだ。仕方なく甲板上の座席に着く。風がびゅんびゅん吹きぶさみ、寒い。しかし前方に座るシンジとハチはこのなかでも平然と寝ている。よほど日々の疲労がたまっているか。カヨはじめ何人かは、寒い思いをしている我々を見捨てて、いつのまにかちゃっかり船内に席を確保していた。だんだん利尻の黒い影がフェリーの前方に迫ってきたが、ほとんどガスの中。17:10定刻通り、利尻島・鴛泊に到着。しとしと雨が降っている。とりあえず、ターミナル2Fの食堂で晩飯。私を含め大部分の人間は、ウニ、イクラ、イカの三食丼を注文。私は更にタコ天そばとビールを一杯。アオは一人刺し身定食をとるが、これがなかなか絶品のようであった。が、いくら物欲しそうにしても、当然一切れも分けてくれなかったのであった。食後、タクシーを拾う予定だったのだが、ここのおかみさんが大変親切で、全員を車で利尻北麓野営場まで送って下さった。感謝!そそくさとテントを張る。うんこ博士タワケの御高説を賜った後、さっそく寝る。夜中、結構激しく雨が降る。
7月1日(土)
朝方、2時か3時頃か顔面を強打されて目覚める。何かと思えば、アカの足を隔てて隣に寝ていたカヨの腕であった。そう、何を隠そうカヨお嬢様は実はたいそう寝相が悪いのだ。アオ氏送別会の時にも、保養所の襖を蹴飛ばしていたそうである。私はそれ以後うつらうつらするがあまり寝れず。4時起床。カヨ、「そうなんですー。何かなあと思ったら、黒い大きな物体があったんですー。」全くこの女は・・。準備して、4:30隊長シンジを先頭に出発。朝早くから登山客が続々。雨は止んでいるが、どんよりとした天気だ。すぐに名水の誉れ高い「甘露泉」の水場に着く。水くみ。ここより上部には水場は一切ない。5:12四合目通過、おおきな20名ほどのツアー登山客パーティーが休憩している。おっさんとねえちゃんがガイドのようである。5:18、その少し先で休憩。朝ご飯にする。パンとソーセージなど。先程の団体に抜かれる。5:32発。寝起きが悪かったせいか、ひじょーううに眠く、半寝の状態で黙々と高度を上げていく。5:56五合目通過、この辺りから木々が低くなってきて、展望が開けてきた。6:06-15休憩。眼下にはガスの合間から鴛泊の町とポン山、小ポン山が見える。6:25六合目に達する。ここは見晴らし台となっているのだが、またさっきの団体が休憩しており通過。ここより七合目はとても近く、6:44に通過。このあたり急な登りであるが、涼しいこともありラクチンである。だんだんガスに囲まれるようになり、展望が無くなってきた。花を見るくらいしか楽しみもない。咲いていた(らしい)花、ミヤマアズマギク、なんとかウツギ、ヨツバシオガマ、ゴゼンタチバナ、チシマフウロ、(エゾノ?)ハクサンイチゲ、ボタンキンバイ、ミヤマバイケイソウ、マイヅルソウ、ハクサンチドリなどなど(私は解説されるがままに図鑑のページに折り目をつけただけだが・・・)。7:38長官山を通過、ここよりピークが眺められるはずだが、もちろん霧の中。7:55避難小屋着。しとしと霧雨。なかで休憩する。あまり快適といった感じのところでもない。出発しようとすると、タマの姿が見えないので、「タマー、タマー!」と呼んでみると、茂みの向こうからがさがさと姿を現した。写真を撮っていたようだ。しかし、実はタワケもタマと一緒にいたのだった。みなに存在を全く忘れられていたタワケ、「なんで、あたしのことは呼んでくれへんの?」なおもしょぼしょぼした天気の中を進む。8:32-44九合目。地図に「ここからが正念場」とあるが、現場の看板にも同じ文句がかいてあったのには少々びっくりした。9:10沓形分岐を通過、ここらのハクサンイチゲの群落はなかなか見事。
沓形分岐付近のハクサンイチゲの群落
すべりやすい道を下りの人と行き違いなどしながら、9:34頂上に着いた。シンジの設定した予定よりも2時間あまり早い。相変わらずガスの中、展望はまったくなし。おかしい、春の芦生で私は神になったはずなのだが・・?マッサン差し入れのリンゴを剥き、めいめい祠をバックに記念撮影。
利尻山頂にて
この間にもぞくぞく登山客が登ってくる。10:02頂上を後にする。10:26沓形分岐、ここより沓形コースに入る。かなり急な下り、ところどころロープを頼りに慎重に行く。親知らず子知らずの悪場は特にどうということはないのだが、崩落がよくある場所であり、落石には注意しなければならない。11:07九合目を通過し、三眺山で休憩、意外に時間がかかった。さ、行くぞ!というときになって、一生懸命ぬりぬりしている人が一人。こんな天気じゃ日焼けしないって・・・。11:32発。12:14八合目、13:04七合目を通過して、13:13避難小屋。すこし明るくなってきた。カルピスゼリーを放出。結構長い間だべって、13:42出発。だんだん目前に海が見えてきたが、ここからが単調な道で非常に長い。アオは「だるいだるい」を繰り返す。足下のぬかるみもひどかったのだが、ハチが深い水たまりの中に片足をひざ下くらいまでつっこんでしまった。これで切れたハチ、「もういっしょや!」とばかり、以後どんな水たまりもズンズンおかまいなしに進む。ようやく前方、木々の間に何か見えてきたが、タワケ、「青い鳥や!!」。それは街灯の青いシェードだった。14:53見返台の登山口着。立派なトイレに、自動販売機、公衆電話と先程の青い街灯がある。タクシーは観光で出払っていて、少し時間がかかるとのこと。昼寝を決め込む。1台は割に早く来たが、その後がなかなか来ない。結局その1台が、もう一台を連れて引き返してきた。下まで下りると太陽が出ていた。シンジと運転士がずーっとしゃべっている。利尻富士には16顔があるんダワー、沓形には日本丸が寄港するんダワー、暖流が流れてるから、利尻の子供は9月まで泳いでるんダワー・・・云々、先行女性陣にも全く同じ話をしていたそうだ。海沿いにエゾカンゾウが咲き誇り、わずかな時間であったが、広々とした緑の裾野のドライブは快適であった。途中、利尻富士温泉に歩いて向かう4人の先行女性陣とすれ違って、テント場着。我々9人もお風呂セットを手に温泉へ向かう。30分ほど歩く。温泉の入り口には「甘露泉」が。露天もある。のんびりつかっていると、北海道の最果ての地まで来たという感じはまるでしない。脱衣場に来ると、携帯が鳴る。相手は我がハニー!今回のために導入したのだ。ハニーは今日千歳経由で稚内に入り、野寒布の水族館で、ゴマちゃんとペンギンさんと遊んできたそうである。明日の船の時間のことを伝えて、電話を切った。ちょっと朝以来胃の調子が悪いので、風呂上がりのビールは遠慮した。幹事さんがタクシーを呼んでくれ、程なくジャンボタクシーがやって来た。と、マユミが安堵の表情。聞けば、我々は9人であるにもかかわらず、タクシー会社には人数を6人と伝えてしまったらしい。なぜだ?どう見ても我々は9人ではないか!テント場に着くと、先行女性陣がすでに飯炊きに入っていた。皆で輪になって、レトルト大会。しかし、昨年の九重でマリが持ってきた「迫力の大盛牛丼」のような刺激的なモノを持ってきた人はいないようであった。私は「富良野カレー」だったのだが、やはり胃がイマイチ。食後は梅酒など登場、遅くまで話し込んだ。
7月2日(日)
5:30起床。今日も似たような天気である。朝飯は雑炊、卵入り。テントを畳み、今日利尻をレンタカーで回ってから礼文に渡る予定の皆さんとはここでお別れ。車を借りに行くタマ、アオ、カヨのタクシーに便乗させてもらう。が、レンタカー屋がまだ閉まっていたので、4人で港に出て茶をしばく。ホットココアをとるが、ロシアンティーの如き両手持ちの変なカップに入っていて飲みにくい。これも最果ての地ならではか?まもなくレンタカー屋の開く8時となり、3人ともお別れ。私は出港時間まで暇だったので、港を臨むペシ岬展望台へ登る。徒歩15分くらい。ガスっていて、景色はほとんど何も見えない。カモメがたくさんいたので、写真を撮ってみたが、ワケワカメ。ズボンを汚しただけで、すぐにフェリーターミナルに戻った。よく見ると、ターミナルの表にも「甘露泉」が。何ヶ所あるのだろう。缶コーヒーを飲んでいると、ハニーより電話。7:50発の船に無事乗れたとのこと(利尻経由の礼文行きなのである)。携帯とは便利なものだ。その船は時間通り入港、私も乗り込み、2等船室のはじっこにいとしのハニーを見つけた。ここに来るまでに、2,30頭ほどのイルカの群れを見たそうだ。10:05出港。島から離れるにつれて、急速に雲が薄くなり、日が差してくる。隣のおじさんは立派なカメラを抱えていて、おばさん達にからかわれている。実は礼文に渡ってからどうするか何も決めてなかったのだが、とりあえず飛び込みでレンタカー屋をあたってみることにした。10:45礼文島・香深港着。さっそくレンタカー屋に走る。3軒目のニッポンレンタカーでなんとか1500ccのランサーをゲット。利尻、礼文のレンタカーは特別料金で、6時間でなんと¥13900(ガソリン代含)もするが、まあ致し方ない。嫁さんは、係のおばさんのとまどいも意に介さず、しっかりマイルのポイントまでつけてもらっていた(つもりであったが、後日確認するとやはり手続き違いによりポイントはついていなかった)。ひとまず、東海岸沿いに道道40号線を北上、スコトン岬へ向かうことにする。利尻方面はガスが立ちこめ、利尻山は望むことが出来ない。道路脇にはエゾカンゾウがイヤというほど咲き誇っている。途中、坂を上ったところに礼文島高山植物園なるところがあり、入る。礼文にしか咲かない固有の花々の栽培を研究している施設。小さなところだが、ミヤマオダマキ、ハナウド、エゾカンゾウなど、素人の私にもわかるように表札付きで花を咲かせていた。大人一人200円なり。小さな峠を越え、坂道を下っていくと、久種湖。南のほとりがミズバショウの群生地ということなので一応行ってみたが、あるのはやはり青々とした草ばかり。でも、天気もすっかり良くなって、木道から遠く向こうに広がる湖面も麗らかである。少し行くと、車は船泊湾沿いに走るようになる。水色の海の向こうにはトド島が見えてきた。途中、トド島展望台の標識が出ているところで左折、緩やかな坂道を上がっていく。そこからの眺めはまさに爽快の一言。あたりには桃色のレブンシオガマ、薄紫色のチシマフウロ、もう見飽きてきた、橙色のエゾカンゾウ、オオカサモチの白い花が競うように咲き誇る。
レブンシオガマ
北を見ればスコトン岬の突端の先にトド島が浮かび、南に目を転ずれば、なだらかに連なる緑の丘の向こうに、薄いガスに包まれた礼文岳がそびえる。
トド島展望台より南を望む
トド島展望台よりトド島を望む
普段は感動ということに縁が遠いあずさも、このときばかりは満足そうな表情を浮かべ、「これはいいわー」と喜んでいる。ここまで連れてきた甲斐があったというものだ。ここからスコトン岬はすぐ。売店、ベンチ、臨時郵便局あり。晴れ、青い空、青い空。気持ちのいい風景。
スコトン岬にて
メンバーの中に、神の私を越える、とんでもない雨女がいたに違いない。「日本最北限の地」の看板に加え、岬直下には、「日本最北限の民宿」もあった。確かに、地理的には宗谷岬が最北端だが、交通的にはここが最北限といえるだろう。何か口論中の夫婦に頼んで記念撮影。ベンチにすわって、昼飯代わりに売店で買ったうにおにぎり、たこてん?、あげいもを食べた。あずさは、郵便局でレブンアツモリソウなどの切手が入ったレターセットを、私は「トドの大和煮」を買った。再び車に乗って南へ。浜中で道を折れて、礼文島を代表する希少種、レブンアツモリソウの群生地の前を通る。残念ながら、もう花の時期は終わっていて、閉鎖されていた。その先の澄海岬からは険しい西海岸の眺めが良い。売店と、木工細工の店あり。また浜中に戻り、海岸線沿いに金田ノ岬をまわって、南進する。途中水中公園に立ち寄るが、昆布が水中でゆらゆら揺れているくらいで、特に何もなし。でも対岸の利尻山の方は、少しガスが晴れてきたようだ。香深井で右折、礼文林道に入っていく。舗装はされていないが、おおむねいい道である。当然歩行者が多いので注意。しかし、ガスが出てきて、展望はよくない。もうLCMのメンバーが礼文に上陸したころ。彼らが、利尻から雲を連れてきたか。まもなくレブンウスユキソウの群落。エーデルワイスの一種。白いガスが吹き抜ける斜面一面にかわいい白い花が咲いている。桃色のレブンシオガマも多い。
レブンウスユキソウ(残念ながらピンボケ)
さらに道沿いには黄色いセンダイハギも見られた。普通の道に戻り、再び坂を上がって桃岩展望台へ。すっかりガスに覆われて展望は全くないが、イブキトラノオ、ミヤマキンポウゲ、レブンキンバイソウなど、いままでのところではあまり見られなかった花があった。まったく、この島は花の島の名にふさわしい。
レブンキンバイソウ
次は西海岸に出て、桃台猫台へ。桃岩と猫岩の展望台、桃岩はどんよりとしたガスの中で全く見えないが、猫岩は、なるほど猫の頭の形をしている。計画では今このあたりをLCMのメンバーが歩いているはずだが??車に乗って、地蔵岩の方に向かうと、いたいた、みんながずらずらと歩いている。車を止めて御挨拶。さらに先の地蔵岩を目指すが、シンジ、「なんにもないよー!」でもとりあえず行ってみる。地蔵岩は高さ数十mあろうかという鉛筆のようにとがった岩。人がたくさん。「もういいか」と車を降りずに引き返す。桃岩への坂道を歩く皆を追い越し、トンネルを抜けて、香深の町に戻ってきた。車を返して、お土産を物色して、昆布や売店オリジナルの写真集を購入し、17:25分発の稚内行きの船に乗船。割とすいていて、足が伸ばせる。途中客が皆窓の外を見るので何かと思ったら、海と雲の向こうに利尻山が顔をのぞかせていた。今回初めてその秀麗な姿を私達の前に見せてくれた。わたしたちも思わずシャッターを切った。
フェリーより利尻山
だんだんと薄暗くなる中、約2時間後に稚内港着。歩いて5分くらいのところにある稚内ステーションホテルへ。入ってみれば、ホテルというよりは旅館の風情。荷物を置いて晩飯を食べに。すぐ近くのすし屋、江花さんに入る。客が多いが、握るは大将一人、忙しそう。かなり待たされたが、寿司はおいしい。ウニやイワシを追加注文。ホテルに戻って入浴しようとすると、なぜかホテルの人はしきりに一緒に入れと勧める。わたしはおおいにケッコウだったのだが、あずさは拒否。別々に入る。上がって、古い漫画が置いてあったので、「らんぽう」と「ハレンチ学園」を熟読した。歯磨きをして、明日に備え早めに就寝。
7月3日(月)

朝7:00に起きさっさと準備、ホテルを出る。駅前の食堂で朝ご飯をとって、これはあらかじめあずさが予約していたマツダレンタカーへ。車はデミオ。道内どこでも乗り捨て無料、メンバー会員となって、るるぶ北海道を見せて、さらに割引、とってもお得。これに、店員が「何を考えとったんか、間違えてつけてしまった」カーナビ付き!まずは、国道238号線、オロロンラインを海沿いに南へ、サロベツ原野へ向かう。4回目の北海道だが、車の運転は初めて。道はまっすぐ。車は少ない。オー、快適!でも、今日も利尻は雲の中。カーナビはひたすら40号線に行くよう指示するが、ことごとく拒否。「案内ルートをはずれました。リルートします」と、なんども検索の仕直しを繰り返すその姿はなんとも哀れだ。懐かしの稚咲内で左折、程なくサロベツの原生花園に着いた。前に来たときは全く花がなかったのだが、今日はエゾカンゾウが一面に咲き、地平線までオレンジ色の大地である。所々白いワタスゲも生えている。
サロベツ原生花園にて
遊歩道をぐるっと一周し、売店で「かおりちゃん」なるアイス(バニラ味)を食べ、御土産にクロユリとエゾスカシユリの球根、エゾカンゾウの種を買った。出発、ここから徒歩旅行の時と同じ道をたどって、兜沼へ向かう。私にとっては思い出の道、記憶にあるいくつかのカーブもまた懐かしく、変わりない風景に感慨に耽っていたのだが、その一方であずさは草を食む牛をみては、「牛さんだ!」と喜んでいる。途中眺めのいい場所で写真をとりつつ、国道40号線に入り北進、市内手前で右に折れて、白鳥の飛来地として有名な大沼の北側を通る。小高い丘からはひたすら青い宗谷海峡が望まれ、振り返れば大沼の静かなたたずまい。まもなく国道238号線に再び合流、海を左に見ながら緯度を上げていくと、いよいよ宗谷岬である。現在の日本の実質最北端の地。駐車場が立派になり、小奇麗になっている。
宗谷岬にて
そして、ひたすら流れていた、宗谷岬のシンボルとでも言うべき、ダカーポの「宗谷岬」が鳴らされていなかったのには少しばかり驚いた。売店であずさは、日本最北端到着証明書を買っていた。あまりこういう買い物をしないので、らしくないとおもったのだが、日本の突端に来たのは彼女は初めてであり、4つ全てそろえる気なのかもしれない(ちなみに最東端は根室の納沙布岬、最南端は波照間島、最西端は与那国島。わたしは征服済み)。写真を撮って出発、オホーツク海にでる。相変わらず道は快適なものの、ややこの辺り曇りがちで、あずさはうつらうつらし始める。途中猿払公園で休憩し、浜頓別のベニヤ原生花園に立ち寄った。展望台からオホーツクが望める海岸沿いに絶景地、巨大なエゾニュウ、ハマナス、ヒオウビアヤメ、ハマエンドウ、そしてタンポポの類が黄色やオレンジの花をつけ、遠くから見ると鮮やかなカーペットのよう。
ベニヤ原生花園にて
ハマナスとヒオウビアヤメ
天気も回復、やや疲れてきたあずさも感激している。次いですぐ近くのクッチャロ湖へ。湖畔にレストランがあったので、こんどはウニ、イクラとホタテの三食丼を注文。食事中携帯にカヨからメール、アオが雨のサロベツはうらさみしいかなどとのたまっているそうである。私の神通力をまだ理解できていないようだ。湖畔は観光バスも来て人だかり。大きな湖だが特に何もあるわけでもなく、白鳥の季節に来てみるべきのようだ。ここから枝幸まで南進、そこより道道を内陸に入った。途中歌登までは、かの美深-枝幸を結ぶはずだった美幸線のための建築物と思われる橋やシェルターが見られ、実に味わい深い。国道275号線に合流し、天北峠を越えて音威子府までの下り道は、左右の緑が大変鮮やか。道の左にはこんどは天北線の廃線跡も見え隠れする。あずさは気持ち良すぎてイッてしまったか、また寝ている。音威子府で国道40号線に合流、稚内と旭川を結ぶメインルートだけあってトラックも多く、やや混んでいる。まだ時間もあったので、美深で道を折れて、再び国道275号線を朱鞠内湖に向かう。予想通り車通りはほとんどなく、快適ドライブ。日本最大の人造湖(ダム湖)である朱鞠内湖、展望台の上から見るとこれまた青い水が涼しげ。昔、紅谷と一緒に今はなき深名線で来た湖畔へと向かう。すでに湖畔駅は跡形無い。湖畔は小奇麗に整備されているが、人影はまばら。青い湖面と木々の緑は美しいが、訪れる観光客も少なくなっただろう。
朱鞠内湖畔にて
日本最寒地の看板前で震えながら記念撮影して、朱鞠内の町中を通る。駅があった面影はやはりまるでなく、ここを鉄道が通っていたとは思えない。とにかく車の少ない275号をを幌加内までさらに驀進。時々ざーっと強い通り雨。道道に入って、峠を一つ越えて、割合スムーズに旭川市内へ。礼文から稚内への船の中で携帯から予約しておいた今日の宿泊地、旭川キャピタルホテルに到着。駅から歩いて15分ほどのところでやや離れ、設備も最低限といった感じであるが、その分ツインで一泊\8400と激安。駅の辺まで歩いて、それらしい飲み屋で晩飯。コンビニで朝飯を買って、またふらふらと歩いて、きょうもさっさと寝た。
7月4日(火)
6時半に起きて、朝飯をとって早速車に乗り込む。今日は富良野、美瑛が目的地。国道237号線を南へ。途中給油。スーツ姿の若店長が自ら給油、地図をくれると書いてあるので頼むと、事務所に走って取ってきてくれた。まずはかの有名な中富良野のファーム富田へ。あずさの計算通り、開場時間の8時ちょっとすぎに到着。残念ながら十勝の山並みは雲の中であったが、早咲きのラベンダーがつぼみをつけている。
ファーム富田にて
紫色の畑を見ながら、紫色のラベンダーソフトを食べた。ラベンダーの抽出作業の現場や御土産屋を見て、来た道を戻り、美瑛の丘へ。車だと便利。少し迷いながらも、通称パッチワークの路を、マイルドセブンの丘、親子の木、セブンスターの丘、ケンとメリーの木、ぜるぶの丘の順にたどっていく。途中いちばん賑やかなセブンスターの丘の辺りのじゃがいも畑はその白い花が満開。
美瑛のじゃがいも畑
そして、文字通りパッチワークのように、色々な色模様のこまぎれを縫い合わせるように、はるか彼方まで続く畑と丘。
美瑛の丘。どこまでも続く。
これぞ北海道を代表する風景。美瑛に来るならこの季節である。
最後に、北の大地をともに走り抜けたデミオと記念撮影
来た道を引き返し、時間がないため、三浦綾子記念館に寄るのは断念。旭川駅近くでデミオを返却して、折角なのでラーメンを食べに行く。店の名前を忘れてしまったが、平和通り沿い、駅からすぐの右側の地下にある梅なんとかというラーメン専門店は、量も多く大変うまい。店員のお姉さんもなかなかよろしい。12時発のホワイトアローで旭川を離れ、札幌乗り換えで新千歳空港へ。14:11着。しかし、ここで15:00発のANA138便は15:55発に変更になっていることを初めて知る。ショック!1時間あれば三浦綾子記念館に寄れたのに・・・・。しかたなく、土産物をみたり、あずさがコーヒー牛乳がどうしても飲みたいというのでそれにつきあったりして時間を潰した。搭乗口に行くと、稚内からの便で来たシホ、ショウコ、マユミ、アオと再会。あまり別れを惜しむ間もなく(惜しくもないが)アオは仙台行きに乗り込んで行った。いよいよ北海道とお別れ。しかし飛行機は気流が悪くよく揺れ、あずさはしんどそうである。さらに空港が一杯とやらで少し延着した。関空で3人とは別れ、食事をして、いつもの茨木行きのバスに乗る。途中からものすごい雷雨。近畿道で事故があり、トラックが反対車線から突っ込み、乗用車がぐしゃぐしゃになっていた。阪急茨木からはタクシーに乗り帰宅、長い北海道旅行は無事終わった。