赤石岳・聖岳

(2001.10.12-16)

アオ、シホ、カヨ、ノブコ、マッサン、オミツ、ヨネ

10月12日 はれ

朝、眠い目をこすりながら新大阪に集合。6:36発のひかりでまず静岡に向かう。シホは延々と爆睡。8:31静岡に到着。はるばる東北の田舎から出てきたアオと合流する。アオは盆に今回と同じ主稜線を歩いたにもかかわらずの参加である。9:05、バスに乗り込み出発。長い長いバスの旅。みな最初の休憩地の横沢までは爆睡。シホもバスから降りることなく引き続き爆睡。立派な体格の女車掌さんが、誰も降りるとも思えない停留所の名前を一個ずつ律儀に読み上げていたのが、これまた子守唄のようである。途中井川駅で2度目の休憩。大井川鉄道の終着駅、土産物屋あり。気味の悪い者がいろいろと売っているが、その中に「いのししカレー」を発見。かなり興味を引かれたが、買うのは帰りにする。12:30、ようやくバスは畑薙第一ダム着。いるのは我々だけ、売店もしまっており、ひっそりとしている。昼飯を食べながらしばし談笑。見上げれば茶臼岳の紅葉、うららかな秋の日ざしであるが、風は少々肌寒い。そのうちようやく椹島ロッジのバスがやってきたので乗車、15:00発。しかし、出発後すぐに停車、降りて別のバスに乗り換えろという。なるほど、先で林道の路肩が崩壊していた。再乗車後は、バスはバリバリ進みだし、16:00頃椹島ロッジ到着。前述のバスは椹島ロッジはじめ、荒川小屋、千枚小屋、赤石小屋など東海フォレスト経営の小屋に宿泊しないと乗せてもらえないので、しかたなく今日はここに宿泊するのである。さっそく入浴、夕食。前祝いとばかりビールも飲む。部屋に帰った後はさらに酒を持ち出し、いつもの様に宴会開始。お肌の手入れに余念のないカヨ、鏡を見ながらさかんに鼻の毛穴を気にしている。年をとると、重力で毛穴が開いてくるのだという。

10月13日 はれ

今日もすかっと青空である。ロッジで朝食後、ロッカーにいらない荷物をデポして、6:55出発。ロッジから道標に従って近道を上がり、いったん林道に出て、少し畑薙ダム方向に戻ったところの鉄はしごから上がる。いきなりうっそうとした樹林帯の急登、黙々と登る。先が見えないが、涼しく歩き良い。7:26-7:31、8:06-8:11と休憩を重ねる。見上げる木々の紅葉もなかなか見事である。

8:49-9:00、エアリアにある「林道跡」でレスト。赤石小屋までの中間点。なかなかのペース。ここから少し傾斜は緩くなってくる。9:41-9:52、10:22-10:39と休憩、樹の薄くなったところから、千枚や荒川の稜線を望むことができる。行動食を頬張りつつ、しばし撮影タイム。11:15-11:30、小ピークでレスト。木々の向こうにようやく赤石小屋が見えてきた。12:00小屋到着。新しいきれいな小屋。素泊まり用の古い小屋は、もう宿泊者も少ないということですでに閉鎖、しかたなく素泊まり寝具付きで大枚4500円を出して宿泊することとなった。小屋の前に立つと、赤石から聖にかけての稜線が一望のもと。

 小屋から見た赤石岳

見れば小屋のおやじが楽しそうに望遠鏡を覗いて声をあげている。聖の頂上に人がいるのまで見えるらしいが、なんといっても気になるのはけさ出ていった軽装のド素人っぽい登山者のこと。小赤石、赤石間の稜線に発見したようだが、いまだ赤石の頂上にたどり着いていない様子。はたして無事かえって来れるのか。今日は他にも千枚から団体がくるようで、いまかいまかと望遠鏡の視界にあらわれるのを楽しみにしているようであった。下手なことをしていると全部チェックされそうだ。この間に、南アルプス冬期全山縦走デポ隊なる人たちが上がってきたが、赤石小屋には見向きもせず通過していった。ちょっとくらい休んでいけばいいように思うが、さすが猛者ぞろいのようである。そして裏のテラスに上がれば、荒川、悪沢、千枚の峰峰が一望のもと。山肌を黄色に染め、すばらしい景色。

 テラスから見た荒川三山、千枚岳

高山病気味で小屋に引っ込んでしまったオミツ以外の6人で、夕方まで談笑した。ある時、カヨの靴に鳥がオシッコ。それをカヨはなんとアオの靴になすりつけた。曰く、「だって、(アオの靴は)あんまりきれいじゃなさそうでしょうー!」晩御飯は中華風鍋。外で食べるが、思いのほか時間がかかりそのうち暗くなる。寒い。宴会は小屋の中で。予定通り団体客が入り、なかなかにぎやかである。「酒はうすかったらあかんやろー」とこわい台詞を吐いていたのはやはりノブコか。テラスではオミツが星の撮影を試みるが、テラス自体の振動で撮れてなかったそうだ。20:00、小屋の消灯とともに就寝。オミツのとなりの人がものすごいイビキ。お気の毒。

10月14日 はれ

4:00起床。満点の星空である。オミツは夜明けの写真を撮るべくすでに先発している。そのオミツの残り汁で朝食のラーメンを作るが、水分がなくなってしまい、ドロドロ。およそ人間の食い物ではない。味も激マズだが、仕方なくむりやり詰め込む。ヘッドランプをつけて、5:03発。少しずつ東の空が白んでくる。南の空にはオリオン座、そしてそのはるか下、地平線近くに見なれない星が。あれはもしかして、全天で2番目に明るい、日本では見るのが難しいとされる一等星、カノープスでは??富士見平には5:38着。先着のオミツも「ヨネちゃん、カノープスが見えたで!」と興奮気味。しかし寒いので、肝心のカメラが思うように動いてくれないようである。その名の通り、富士山が目の前に見え、まもなくその脇から朝日が登ってきた。みな一斉にカメラを向ける。最高のご来光である。

 富士見平より、富士山からのご来光

空も雲も、背後の赤石も真っ赤に染まる瞬間。息を飲む。

 紅く染まった赤石岳

記念撮影も済ませ、6:31発。少し下ってトラバース道に入り、のち沢ぞいの登りになる。7:13-7:27水汲みを済ませて、急な登りを一歩一歩登っていく。8:17ついに主稜線に到達、8:21-8:30、頂上を目の前にしてちょっと休憩。南アルプス北部の山々、中央アルプス、北アルプス、御岳、白山、すべてが一望のもとである。ここから頂上まで最後のひと登り、赤石岳頂上には8:47に着いた。見渡す限りの360度の絶景は言うに及ばず、目前には明日目指す聖岳が赤石川の深い険谷を隔てて堂々と横たわり、西には雲海の上に富士が浮いている。

 南アルプス北部の山々を望む

 雲海に浮かぶ富士山

天気も上々。めいめい行動食を口にする。タマの差し入れ、イモケーキも登場。しかし、旦那アオの一言、「愛情の押し売り!」。のんびり休憩した後、10:01出発。がれた道をまた急に下る。しばらく尾根の南側を巻いたあと、がらがらのトラバース道で主稜線に戻る。10:38-10:50休憩。このあたりから赤石を見返すと、がらがらした岩肌が壮観である。このあたりは平坦な道。馬ノ背(というほど細くはないが)を経て、11:18百間平。時間もあるので、ゆっくりとぜんざいを作る。相変わらずの青空のもと、その名のとおりの真っ平、他に誰も人もいないので、のんびり気分である。12:34発。ここからはさらに急な下り。鞍部からの大沢岳の登り道は見上げるようである。明日の朝一の登りが思いやられる。ここから沢道を少し下れば百間洞山の家、13:10着。ここの小屋の有人営業はすでに終了、2階部分が解放されているが、狭い。10数人がやっとであろうか。その上、トイレまで閉鎖されている。東海フォレストは、お金をとっても構わないから、もう少し登山者に便宜を図ってもらえないものだろうか。小屋に入ってしばらくすると、ガスがかかってきて、聖岳も見えなくなった。やはり酒盛り。話題は、尼が岳、大洞山に初登場の新人、イマサキとオカモッチャンのことに。まだ二人の顔を知らぬ姐シホ、おしゃべりイマサキには「一回だまらさなあかんな!私にあいさつにこんと、LCMには入れへん!」あー、コワイコワイ!夕食は、最近恒例となりつつある焼き鳥丼。他に登山者二人、今日も若干いびきのうるさい方が。

10月15日 はれ

4:00起床、5:45出発。今日もあさからいい天気。いきなりの急登、三角錐の中盛丸山へむけどんどん高度を上げる。朝日に赤いナナカマドの実が赤く染まる。6:44再び主稜線に到達、中盛丸山頂上には7:06着。見渡す限りの大展望。西に見えるのは伊吹か大峰か。7:21発。いったん下って登りかえすと、小兎岳8:00着。聖岳は目の前、さっそくデジカメを手に撮影に走ろうとするが、足をザックの紐に取られて思いっきり転倒。「カチン」と少し嫌な音。見ると、デジカメのレンズ部分を石にぶつけてすこし歪んでしまい、スイッチをオフにしてもレンズがひっこまなくなってしまった。ショック!撮影には支障ないようであるが・・。パニック状態。修理代いくらかかるだろう。。手が塞がっていたので両膝も強打した。しかし、先はまだ長い。気を取り直し8:14発。小ピークを越えて兎岳8:51着。でっかい聖岳がそびえる。先行していた、昨晩一緒に泊まっていたお兄さんが懸命に撮影中。目を転ずれば、主稜線は、赤石、塩見、仙丈、間ノ岳、甲斐駒、そして、中央アルプス、遠く北アルプスまで、あまりによく見え過ぎて見飽きそうである。細く険しい聖兎コルも良く見える。さんざん昨日アオにびびらされていた女性陣、不安げである。オミツにひとりひとり記念撮影してもらった後、9:11発。急な下り道、細い尾根で、危険という程ではないが一同慎重に進む。9:41コルを通過、9:49聖への登り口でレスト。辺りはラジオラリヤの赤い石が露出している。ここからの見上げるばかりの最後の大登り。9:53発。道ははじめは稜線の北側を巻くように進み、そのあと崩壊地の縁を回るように登っていく。少し緩くなってきたところで10:40-10:49レスト。赤石岳を隔てて望む赤石岳、斜面の紅葉がなかなか見事である。

 紅葉真っ盛りの赤石岳

頂上はすでにこの辺りから見えている。11:14、聖岳到着。360度の大展望はいうまでもない。おととい宿泊した赤石小屋も見える。小屋のおやじが望遠鏡をこっちに向けていることを期待して、まずは踊って御挨拶。初めて深南部の山々も眺められる。はるか下の方にこれから向かう聖平、茶臼岳、光岳、池口岳、大無間、小無間、、、。

 聖岳より南ア深南部の眺め

その中にカヨ曰く「丸盆岳」という山があるらしい。読んだ本に書いてあったらしいが、頂上は笹原におおわれ、気持ちのいいところで、ぜひ昼寝しに行ってみたいと。地図で見ると、確かに黒法師岳の北東にそのような名前の山。下からは往復10時間くらいかかるようである。そこまでしていく価値のあるところなら是非行ってみたいところであるが。。ひととおり堪能した後、12:29出発。急なザレ道をジグザグに急降下、やせ尾根を少し伝って13:06小聖岳、その直下で13:11-17休憩。目の前には荒々しい大崩壊地。さらにどんどん下っていくと、樹林帯となる。13:43-54薊畑分岐で休憩。このあたりから見上げる聖岳も堂々としたものである。ここから聖平小屋は一投足、14:15着。テラスのようなところもある立派な小屋、夏の盛りにはさぞにぎわっているのであろうが、今日はひっそりとしている。開放されている薄暗い冬期小屋に入って荷物を下ろす。その後は外の日当たりのいい所でお茶しながらお菓子なんぞ食べて談笑した。夕方、いい天気だったので、オミツとともに聖平へ。何人か登山者がやってきて、座り込んでビールを飲んでいる人もいる。そのうちヤスもやってきた。しかしいよいよ日が沈もうという時、上河内岳の方に雲が湧いてきたなと思ったらあっという間に辺りはドガス、すごすごと退散。晩御飯はレトルトカレーにポテトサラダ。マッシュというと非常食であって、コーヒーを混ぜたりスープの素を混ぜたりろくな経験がない私であるが、ちゃんと調理してもらえば美味しいものになるということを今日初めて発見した。食後は酒盛り、アオは取り付かれたように「ウナギボーン」をむさぼり食う。

10月16日 はれ

起き抜け一番、夜カヨのとなりに人が立っていたそうである。またぼけていただけだろうが。今日もはれ。4日間一滴も雨に降られないというのも白神の時以来の経験かも知れない。パンにカップスープをとって、5:24まだ薄暗い中出発。聖沢ぞいの道をゆるゆる下り、6:15-6:24展望台で休憩。ここからの聖岳東尾根の紅葉がこれまた見事である。

 聖岳東尾根の紅葉

さらに道は尾根を巻き、乗越を越えたところで休憩、7:09-16。ここより道は急な下りとなる。下りのカヨの本領発揮、早い早い。一方、昨日のデジカメ事件で足を強打していた私はちょっとつらい。最近とみに体が重そうなシホも少し足に来ている。それでも快調に下り、8:04-18聖沢吊橋で休憩。道はまた一旦平坦になり、9:03-10出会所小屋跡。最後の大下り。でも意外に早く、9:29には林道に出た。一安心、談笑しながら林道を北上、牛首峠からは遠く赤石の尖峰が覗いていた。椹島には10:12着。デポを回収して、さっそくシャワーを浴びさせてもらう。良く見ると脱衣場のトビラが開けっ放し。またカヨに見られたかも、、。バスまで時間があるので、おみやげとカップヌードルを買って戻ってくると、畑薙第1ダム12:46発のバスに間に合うよう送迎バスを出してくれるとのこと。300円もするカップヌードル、買う前に言ってくれよと少し思いながらもいそいそと準備、爆走するバスにゆられ、なんとか畑薙からのバスに間に合った。帰りもバスは井川駅で休憩したので、お目当ての「猪カレー」購入。家で食べてみたが非常に脂っこく、またコレステロールアップか。静岡に近付くにつれ、空は急速に曇ってきた。下山したとたんに天気が下り坂とは、改めて我が実力に感心する。16:00すぎには静岡着、誰が言い出したか、「玉露ソフト」を食べに駅の商店街へ。アオと別れた後、軽くウナギ料理で打ち上げをして、新幹線に乗り帰阪した。