お盆休みも終わり、今年の秋にはどこに旅行に行こうか…と考えていたある日、高校時代の友人のちぃちゃんからメールが届きました。
> 9月のあたま(2,3,4日)に休みをとろうと思ってるんですが、あずさちゃん、
> ひま?一泊でどっかいったりしたいなーと思って。
お盆を境に仕事が一段落し、比較的余裕のあった私は、
> 9/2,3,4ー?んー、多分いーよ。最近は入社3年目ともなり有休も余りがちなので、
> 4日も取ろうと思えば有休取れると思う。
と返事しました。ちぃちゃんは今年なりたてほやほやの産婦人科の女医さん。なんでも4月に仕事が始まって以来、1日も休まず(要するに土日祝祭日もなし)働いているとか。その超忙しい中、なんとかとることにした貴重な休みなら、有休消化を目指すサラリーマンの私がプロデュースしてあげましょう!とばかり、
> ところで、一泊二日はいいけど、どこ行きたい?
> 私はこのところ結構頑張って遊んでいて、どうしてもここに行きたい、という持ち
> 合わせはそれほど無いので、ちぃの希望があれば絶対的に優先します。ついでに、
> 忙しかったら手配は引き受けます。ダンナと旅行するときは大抵私が手配するので、
> かなり旅行の手配慣れしてきている今日この頃。
と申し出たところ…。
> 北海道に行きたい!
> 私、北海道には行ったことないし、札幌とか小樽とかそういうべたなとこに行き
> たいなぁ。それでけっこういいホテルに泊まって、ゆっくりしたいなぁ。
> あずさちゃんが手配してくれたら安心だし、ぜひぜひお願いしたいなぁ。
ほ、ほっかいどー!?ま、まじで?北海道ってことは予算10万円か…。しかも私、7月に北海道行ってきたとこなのに…。一泊程度ってちぃが言うから予算5万程度の近場を想定していた私はさすがにびびり、ちょっと腰が引けたものの、考えてみればダンナとだったら札幌小樽観光&グルメ旅行なんてしないだろうし、結構いい機会かな、と思い、携帯電話もメールもなかなか通じない(病院は電磁波が悪影響を及ぼす危険性があるため、携帯は大抵切っている。また、週3日程度は当直で、そうでない日も帰宅はほとんど午前様のため、メールチェックは週一回位しかしないらしい。)ちぃとどうにかこうにか連絡をとりつつ、インターネットで情報を調べ、旅行代理店に足を運び、会社から昼休みこっそり電話を掛け、ようやくフライトとホテルがセットになったプラン(直前だったため、ツアー会社の手仕舞いとかフライト満席やホテルの満室等で計画は二転三転した)を押さえてチケットを手にしたのは、8月31日のことでした…。
9月2日
伊丹空港でちぃと待ちあわせ。空港まで送ってくれたダンナを交え、おそば屋さんで昼食を取った後、JALに乗り込み、一路千歳を目指す。機内で向こうでの行動についてちょっと打ち合わせ。ちぃ曰く、ちょっとはガイドブックをを読んだものの、「観光のとこはほとんど読んでへんねん。とにかく美味しいもん食べられたらいいねん。」ということらしい。私は大学3回生の時に北海道一周旅行(by JR)をしており、その時に札幌にも小樽にも立ち寄っているが、当時は旅行が下手だったこともあり、ちょっと心残りなところもあるので、まぁ、私が行きたいところに連れて行こうと考える。
結局機内で1日目夕食札幌ビール園、2日目昼食海鮮丼、夕食寿司、3日目昼食ラーメンと全日程の食事内容のみ決定した後(2人の希望はほぼ一致、ほとんど話し合う必要なし)、ちぃは日頃の寝不足を補うべく睡眠モードへ、私はいつもの様に機内誌、日経新聞、スポーツ新聞を読む。
千歳に着き、JRで札幌に向かったものの、札幌はあいにくの雨。それでもせっかくだから、とばかり大通り公園のテレビ塔に向かう。しかしチケット売り場のおねぇさんに上にあがっても雨で何も見えないと言われ、断念。そのまま時計台に向かい、写真撮影。その後、ちょっと時間は早いがタクシーで札幌ビール園に向かい夕食ということにする。
札幌ビール園ではジンギスカン+αの「ビール園まるごとセット」を注文。それと、ビール園に来たからには、と最近はほとんどアルコールを飲まない私もビールを注文。実はちぃは大学生の時から、顔に似合わないビール好きである。(病院でも仕事が一通り終わった後、残るはデスクワークだけとなると冷蔵庫からビールを取りだして一息いれるとか。ええんか?)私は1杯目を少し残したところで止めたが、ちぃは涼しい顔で2杯目に種類の違うビールを注文し、「こっちの方がおいしい」と言っていた。ジンギスカンは予想よりもやわらかく、更にカ二、じゃがバター、おにぎり、そして雪印アイスクリーム(!?)もついて大満足。
ビール園からタクシー、JR、タクシーを乗り継ぎ、小樽運河沿いのけっこうゴージャスなホテル、ホテルノルド小樽へ。
ホテルロビーにて
当初予定していたホテルは軒並満室で、私としては不本意ながら、グレードアップしてここになったわけである。まぁ、ちぃは喜んでいたし、いっか。チェックインし、交代でシャワーを浴び、ここのところ世間に取り残されているというちぃに解説を加えながら「フードファイト」や「恋のから騒ぎ」などだらだら見つつ、就寝。
9月3日
7時起床。窓の外を見ると、なんと晴れ!祈りが通じた。ホテルのバイキングで朝食を取り、身支度を整え、まずは歩いて北一硝子工房へ。前に小樽に来たときにも、もちろん北一硝子は訪れているものの、特にお土産を買った記憶はなく、今回は何か買おうと思っていた私だったが、なかなかこれという物に巡りあわない。一巡りした揚げ句、はし置きにターゲットを決め、もう一度はし置きコーナーに戻り、ちょっと珍しい杯の様な形のはし置きを買った。杯の部分に水を入れ、小花をあしらって使うようになっている。ちぃはガラスでできた7センチ位のリンゴのオブジェを購入。キムタクと松たか子のドラマ「ラブジェネレーション」に出ていた様なヤツである。愛のおまもりという様な意味があるらしい。私は更にちぃのと同じ様なリンゴのオブジェ(ただし私のは2センチ程度の小さなもの)とネックレスも購入。ちぃももうちょっと小物を買い足してガラス細工ショッピング終了。
すぐそばのオルゴール堂もひととおり覗き、ちぃが買えるうちにおみやげを買ってしまう、と言うので、いきなりおみやげ屋へ。私は今回は会社の人にもほとんど言わず来たので、この前来たときに飲まなかった白い恋人チョコレートドリンクやダンナに言われていたラーメン程度の最小限にとどめたが、ちぃは医局用、研修医室用、ナース用、自宅用…とお菓子を数箱、更にいっつもお邪魔してはビールをもらっている研究室用に、と小樽限定ビール詰め合わせまで買っていた。
一度ホテルに戻り、おみやげを置いた後、昼食へ。昨日の決定通り、海鮮丼を目指す。JALツアークーポン券の使えるおたる政寿司でウニイクラ丼を注文。あまりのウニの美味しさに、ちぃ大感激。
昼食後、小樽駅前からバスに乗り、天狗山展望台へ。途中、バスの中からちぃの携帯を借りてダンナに誕生日おめでとうメールを送る。そう、この日はダンナ様の29回目の誕生日なのだった。愛情よりも友情を優先する私…。バスを降りた後、更にロープウェーで天狗山に登る。小樽市内が一望でき、なかなか壮観。しみじみ、晴れてよかったねー、と言い合う。併設されていたシマリス園でしばしリス達と戯れ、ちょっとのんびりした後、再びロープウェーとバスで小樽駅前に帰る。
一旦ホテルに戻り、30分程度休憩した後、予約していた旭寿司に夕食を食べに出かける。予約していたのは食べ放題コース。付だし、刺し身、おすいもの+にぎり食べ放題というわけだが、いきなり30貫出てくる。各々10貫くらいまではペースよく進んだが、先に私がペースダウン。残り3貫を残して、もはやここまでか…、と思われたが、いくらなんでも小樽の寿司を残すわけには…、と20分程度休憩した後、時間をかけて食べ切った。ちなみに私はお茶だったが、ちぃはここでもビール2杯(小樽ビール+サッポロビール)。非常に満足そう。そしてここでもウニに感動し続けていた。
夜の小樽運河にて
ホテルに戻り、最上階のバーに行こうか、と言っていた計画は胃袋の事情により実行不可能だったので、この日もだらだらテレビを見ながら就寝。
9月4日
6時30分起床。この日も朝食はホテルのバイキング。私の胃にはまだ前日の寿司が居座り続けていたので、バイキングにもかかわらず、かなり少なめ。しかし、おそるべきことに、ちぃはちゃんと食べていた。普段あまりきちんと食事をとることが出来ない(昼食はほとんど食べられないらしい)ため、体が食べだめを覚えたみたいー、と言っていた。ほんまか?
チェックアウトを済ませ、JRで札幌へ。荷物をコインロッカーに預け、身軽になってまずは北大へ。とりあえずは、クラーク像。
クラーク像前にて
クラークの胸像の前に立つと、ちぃは一瞬、あれ?、という顔。彼女の頭の中には羊が丘のクラークの全身像があったようだ。何を隠そう、私も大学生の時に来たときに同じリアクションをしてしまっている。マンガ「動物のお医者さん」でも二階堂のいとこが同じリアクションをしている。私達以外にも、多くの人がここにきて同じリアクションをしているに違いない。おのぼりさんらしく写真撮影をし、次はポプラ並木へ。ガイドブックには立ち入り禁止になっていると書いてあったが、低いチェーンが掛けてあるだけだったので、数歩入って写真撮影。実は私の学生の時の北海道旅行の最大の心残りはポプラ並木だったのだ。ポプラの木が並んでいる所で写真を撮ったのだが、その後会った北大生の友人に「それはニセポプラや!」と指摘されていたのである。しかし、ちぃは、思っていたほどではない、と冷たく切り捨てていた。ところで、ここまで、各学部の建物を横目に見ながら来たわけだが、なんで、こんなに建物きれいなん?しかも花壇とかきれいに整備されているし…。京大理学部のすきま風ピューピューの設備で研究をしていた私には納得いかない。私立やったら許すけど、おんなじ国立やのに…。と、ここでちぃが北大病院を見ていく、と言い出す。彼女もこの大学のきれいさが納得いかないらしい。あえて北大病院を見ても、更に悔しくなるだけなのは予想されたが、話のネタに、とイチョウ並木をくぐり、病院へ。外観で既に圧倒されつつ、中へ。ちぃは、片っ端から彼女の勤務先と比較していた。そして病院を出た後、「明日オペの時、この話しよー」と言っていた。お医者様方、オペ中に雑談するのはやめて下さい(一市民より)。
北大を離れ、今度は大通り公園へ。
大通り公園にて
今日はテレビ塔からの景色もばっちり。四方をぐるっと眺め、そろそろタイムアップの時間が近づいてきたため、北海道での最後の食事、ラーメン屋へ。ガイドブックに載っていた時計台近くのラーメン屋で、計画通り、みそバターラーメンをいただく。そしてちぃは、なんとここでも、「ビール下さーい!」。いやはや、彼女のハードな生活を支えているのはまさにビールなのかもしれない。ビール腹になっても知らんぞ…。
ラーメンを賞味した後は、JRで千歳へ。最後に私はチーズケーキ、ちぃはロイズの生チョコをおみやげに買い足し、空路、関空へ。機内では、ちぃのみならず私もおやすみモード。あっという間に関空に着き、空港で「ほな!」とあっさり別れた後、私はいつもの茨木行きのリムジン、ちぃははるかで各々帰宅。翌日からまた始まる、それぞれの仕事の生活へ戻っていきました…。