白峰三山

(85年の夏)

メンバー おやじ、わたし、織田先生

白峰三山とは、南アルプスの北岳、間ノ岳、農鳥岳を指す。中学校2年の夏、イギリスに渡る直前に、親父の友人の織田先生とともに信州へ向かう。
「ちくま」を塩尻で下り、鈍行に乗り換え、甲府へ。ぐうぐう寝ていたところに、途中乗ってきた学生達がちょっかいをかけてきたが、わたしは寝たふり。たしかタクシーに乗って、広河原へ。昨年の槍とは違って、したからピークが見える。大樺沢ぞいの道をたどって、右俣コースに入る。だんだんガスってきたが、高山植物が咲き誇っていた。この日は肩の小屋泊。翌朝起きてみると、天気はまずまず。北岳は標高3192mで、日本第2位。頂上からは、南アルプスの山々はもちろん、去年登った槍ヶ岳もはっきりと見えた。目の前には、間ノ岳がどっしりと構えている。

北岳山頂。右が織田先生。

北岳2左は我が親父。バックは仙丈岳
ここから間ノ岳へ向かうが、天気は下り坂、雨が降り出す。ポンチョぐらいしかない私たちは、ずぶぬれになる。
織田先生は「雨の山もいいもんだ」とかおしゃっていたように思うが、やっぱ山なんて晴れなきゃ意味がない。
事実、大門沢の小屋まで、記憶はほとんどない。雨の山など、よほどでないと印象に残りはしないのだ。
起きた翌日も雨。濡れながら下り、車道に出ると、奈良田温泉の車が迎えに来ていた。乗り込んで、風呂に入ったのであろうが、どんな温泉だったのか全く記憶ににない。このあたり、私の記憶は灰色の雲に染まっているのである。バスで身延へ下り、身延山に立ち寄って、日蓮宗に好いイメージを植え付けられ、神戸に帰った。
考えてみれば、この時以来親父とは山に行ってないなあ。