日高

(ポンベツ川遡行〜新冠川遡行〜七ツ沼カール〜幌尻岳)

(90.7.26 - 31)

メンバー 片岡氏、高橋氏、阿部氏、谷本嬢、岡野氏、米澤、紅谷

ワンゲルに入って、初めての合宿。北海道に来ること自体が初めて。青函トンネルをくぐるのも、感激であった。
24日に日高本線の静内駅に集合。サラブレッドの産地として有名なところ。天気が悪かったので、入山を一日遅らせて、25日は襟裳岬に行った。歌の通りなにもないところだった。
26日、新冠ダムの奥のゲートまでタクシーで入山。本来ならここから18km先の奥新冠ダムにある収穫調査小屋まで歩きだが、幸運にも北海道電力の車が通りがかり、我々1回生二人と、谷本さん(女)が乗せてもらう。小屋はとてもきれいな小屋。釣に来ていたお兄さんにイワナをたっぷりとごちそうになった。
27日、天気はまずまず。道をたどって入谷。大きな川だ。二股を右に行き、ポンベツ沢に入る。大きな函が連続する。滝は少なかった様に思う。
ポンベツ沢にて。きれいではあったが、あまり記憶にない。
この日は、1050m二股に泊。

28日、さらに沢を詰めていく。途中きれいな滝もあり、それを難なくこなしていくと、ひょっこりと美しいお花畑をたたえたカールに出た。小さいが、カールというものを見たのはこれが初めてだったので、いたく感動した。緑色の絨毯。この上にテントを張れば大変気持ちよさそうだ。カールを上がり、稜線に出ると、一転してハイマツのドヤブ。メンバーはかなりうんざりの様子だったが、藪好きの私にとっては屁でもない。ナメワッカJ.P.で昼食の後、ここからは道を行く。太陽を遮るものはなにもなく大変暑いが、あたりにはお花が咲き、大雪あたりまでの山々も望まれ、疲れは感じない。

エサオマントッタベツ岳札内J.P.より、エサオマントッタベツ岳。遠く幌尻岳も。

そして、エサオマントッタベツ岳を下り、大きな北カールに泊まった。少しエキノがこわい。

29日、エサオマン入の沢下降、そして新冠二股より新冠川遡行。しかし、沢中では途中一回滑り台をしたくらいで、他の記憶は全くなし。ツメでは雨が降ってきた。たどり着いた七つ沼カールはガスの中。沼のほとりにテントを張った。

30日、一転していい天気。テントや濡れたものを干した。昨日はわからなかったが、とても大きな立派なカール。辺りは、なぜ、といいたくなるくらいに一面濃い緑色。戸蔦別岳のピラミッドも美しい。七ツ沼の水はほとんど涸れていたようだが。
七ツ沼カール七ツ沼カールの全景

ここから幌尻の山頂はすぐ。日高山脈最高峰、我々の上にあるのは、青い空だけだ。これからは、懐かしい収穫調査小屋までまっすぐ下りるだけ。小屋で解散、私と紅谷と片岡さんで、車を求めて林道を下る。しかし、ダムまで来ても、そして林道を行けども行けども車はいない。夕闇迫り、あたりはクマクマしてきた。笛を吹き吹き、ついに、18km先のゲートまで来たが、人っ子一人いない。近くに倒れかけの工事作業小屋を見つけ、その中で泊まった。晩飯はマッシュポテト。

31日、歩いて少し行くと、なーんと林道が崩壊して埋まっている。これでは車が来ないわけである。崩壊を乗り越えていくと、崩壊を直しに行くらしい車とはすれ違うが、同じ方向に向かう車はない。結局さらに18km先の新冠ダムまで歩き通す羽目になった。地下足袋ではきつい。へとへとに疲れた。

その後、静内に再集合したが、この長い林道で大きなダメージを負ったメンバーも多く、この後に企画されていた合宿パート2はあえなく中止になった。先述の通り、初めての北海道だったので、その時はそれはそれで旅行すればいいし、別にいいかと思ったが、今になって見ると、少しもったいなかったかなとも思う。もうはるばる日高まで行く機会もそんなにないだろうから。

まだまだ人跡少ない日高。日本に残る数少ない秘境のひとつだ。

(参考 京大ワンゲル部報'93 片岡氏の記録)