
10月12日(土)
朝大阪を立ち、新幹線、地下鉄を乗り継ぎ、桜新町の駅で15:30頃由谷と合流。なんと由谷購入のセフィーロで、混雑する環八を経由して一路関越道を北上、塩沢石打ICでおりて、晩飯(お惣菜)やビールを買い出しして、清水の登山口へ。着いたのは19:30頃、駐車場にはすでにたくさんの車。1人テントを2つ張り(ほんまは幕営禁止)、電池式の蛍光灯を囲んで、酒盛り。明日の晴天を予感させる満点の星空。さきほど由谷が衝動的に購入した蛍光灯だが、ちゃちな割には明るくなかなか良い。食べたらさっさと就寝。21:00過ぎくらい。
10月13日(日)
4:30隣のテントの由谷の目覚ましで起床。自分の目覚ましにもかかわらずやつは起きないので、テントを揺すって起こす。周りは人がいっぱい。朝飯のラーメンを作る間にも、清水の民宿かららしいマイクロバスが次々と到着、吐き出された無数の登山客達はヘッドランプを灯して出発していく。汁の少ないどろどろのラーメンを平らげた後、6:02発。米子橋のたもとより、左岸のやぶやぶした踏み跡(テープもところどころあり)をたどっていくと、一旦アスファルト道に出る。そしてすぐに分かれる河原に向かう道を辿って、「9号堰堤」を右から越えたところより入谷。まだ少し薄暗い中、しばらくはがらがらの広い河原をたどる。岩が濡れてきたところで6:37-53わらじ装着。想像通り我々以外にも何パーティーか入っている。なにせ今日は3連休の中日で、かつ絶好の紅葉日和。一年でいちばんにぎわう日かもしれない。っと!ザックにくくっておいたはずのヘルメットがない!さっきの薮の中でおとしたか??仕方なく、落石のないことを祈りつつノーへルで行くことにする。7:00やっと最初の滝30m、困難なく右から越すと、7:09すぐに深いトロをたたえた6m滝。その向こうの右にまがったところには3段40m滝。
トロをたたえた6m滝
これはなかなか大きい滝、迷わず高巻。右岸の明瞭すぎる踏み跡を行くが、思ったよりはなかなかの大高巻き。沢に戻る下りは少し注意要。7:22巻き終わり、しばらくナメと小滝が連続し、感嘆の声をあげつつすすむ。8:11、ゴルジュ帯入り口。ふたたび両岸がぐっと狭まる。迷わずゴルジュ内へ。左岸を巻こうとしていた先行パーティーが引き返してきたのをみると、巻くことは考えない方がいいようだ。シャワークライムを交えながらすいすい登っていく。少し高度感のあるところもあるにはあるが、特に大きな困難はない。ノーザイルで快適にどんどん越えていく。
ゴルジュ帯の中の滝。おおむね容易。
最後の12m滝は左から巻いてしまったが、意外に薮が濃い。直登したほうがよかった。そして、この滝を越えるといよいよ目の前には、米子沢を米子沢たらしめている長大な大ナメが姿を現してきた。8:42-9:07、日の当たる所でレストの後、フリクションをきかせながら、ひたひたと登っていく。

このまま天まで続いて行きそうな優美な流れである。空は雲一つない快晴、山肌は紅葉で赤く黄色く染まり、最高の一言に尽きる。
バシバシ写真を撮りながら進む。ナメの上部から振り返ると、白いスラブと山肌の紅葉、そして遠く上越方面の青い山々が絶妙のコントラストである。

楽しいナメ歩行も終わって、9:57二俣。ここで昼食にする。いつもの食パンにハムにベーコンにマヨ、そして生食用のほうれん草。由谷は嬉しそうに食パンの上にベーコンを並べている。食後はコーヒー。由谷はまたたばこをくゆらせている。ニコチンの摂り過ぎでさらに衰弱がすすんでいるようで、泊まりの沢はもう無理かもと言っている。後続の若者3人のパーティーが上がってきた。関西弁、さえない出で立ち、マニアックそうな会話内容、まさか我々の後輩では?と勘ぐってしまう。10:53出発。気になる看板もあったような気がするが、読み方がよくわからなかったことにして右俣に入る。辺りは見事な草紅葉。稜線の上をたくさんの登山者が右へ左へ動いているのがよく見える。ここいらでテントを張って、星を仰ぎながら一夜の夢を結ぶのも悪くないなあといいながら細くなった流れを進む。
源流部の草紅葉
完全に右俣をつめるのはやめにして、早く稜線に上がることにする。11:27、薮をこぐことなく無事稜線へ到達。わんさか登山者がいる。物珍しそうに見る人たちをしり目に、少しでも人が少なそうな牛ヶ岳山頂へ。11:45着。今度は由谷購入の甘酒。しかしこの野蛮な男はあたためずに水で薄めてそのまま飲み出す。なんともものすごい量である。腹がたぷたぷになる。ここからは巻機山の広い山頂が見渡せる。東に目を転じれば、八海山、駒ヶ岳、中ノ岳の越後三山、2年前行った平ヶ岳を中心とする奥利根の山々、燧ヶ岳や至仏山、白根山、武尊山、、、すべて一望のもとである。
右の高いのが燧ヶ岳、正面奥の平坦なのが平ヶ岳。
由谷はさほどピーク同定に興味がないのか、甘酒を平らげるとすぐに昼寝を始めた。だいぶ下りはじめた人が多いのか、登山者もさほどやって来なくなったのでのんびりする。12:57、ぐっすり寝込んでいる由谷を叩き起こして、出発。一目散に下る下る。どんどん他の登山者を追いこしていくが、時代遅れの地下足袋を履く我々に、無数のおっつあん、おばちゃんが「沢登り?」と声をかける。「はい、よかったですよ!」と生返事をくり返す。途中米子沢を一望できるポイントがある。1回レストをはさんで、15:06下山。由谷も言葉通り一日ならもつようだ。ヘルメットを探しにまた薮に分け入っていくと、入って3分ばかりのところであっさり見つかった。なぜ気付かなかったのだろう。。着替えて、六日町の温泉へ。しけた「公衆温泉」に連れていかれそうになったので止めて、温泉街の並びにある「清流館」へ。1500円くらい取られただけあって良かったが、茶色い色をした。いかにも効能のありそうな「薬湯」は局所に非常に染みる。私が敏感なのか?高速に乗り、東京へ向かうが、予想通りの大渋滞。まだ群馬県なのに。。こっちの人たちは毎週末このような行動をくり返しているのであろうか。「全く東京は人が多すぎてどうしょうもないですよ」と由谷、おおよそ公僕の言葉とは思えぬ「東京原爆投下完全殲滅論」を聞きながら、のろのろと進む。高速をおりたのは21時頃。組合の仕事で名古屋から帰ったばかりという山崎をこの時間から桜新町に無理矢理呼び出して、駅前の焼肉店へ。明日は朝一で静岡に行くという話を聞き、なるほど苦労しているのだなあとすっかりさびしくなった頭と丸くたるんだ顎に目をやるのであった。それなりに満足して店を出て、贅沢にタクシーに乗ってラーメンで締め、山崎とは別れ(これだけのためにわざわざホンマに出てくるとは、と本気で感心したが)、由谷の寮へ。即就寝。
10月14日(月)
今日もいい天気である。寮はかなりぼろっちいが、窓からは馬事公苑の木々が見え、天気のいい時は富士山がのぞめるらしい。まあせめてもの救いか。駅まで送ってもらい、東急、山手線、新幹線を乗り継ぎ帰阪した。