
11月3日 はれ
前日大和上市よりタクシーで上多古の林道まで入って、途中から林道終点の矢納谷出合まで歩いて泊まった。今日は6:03発。結構暖かいようだ。右岸沿いの道を進み、6:42茶屋谷との出合、ブナ又出合に着き、わらじ装着。ここで、日頃から体力不足気味であった正野がなんとザックからやおらユンケルを取りだし、ぐびぐび飲みだした。一同あっけにとられるが、そのおかげか彼はその一日いつになくパワフルであった。6:55発。すぐに多古ノ滝2段8m。名前を付けるほどの滝でもないような気も。右から容易に越す。次は双竜ノ滝10m、途中から滝は2条に分かれ、たしかに二つの竜に見えないこともない。向こうにはすでに次の滝が見えている。右の踏み跡を巻くが、途中そのまま右を上がる踏み跡には入らないこと。巻き終わったところが洞門の滝43m。この谷最大、水量も豊かで、豪快の一言。
洞門の滝
左のリッジをたどり、最後はチムニー状。大きな巻きだがこわくはない。そして息つく間もなく7:44幸次郎窟。七つ釜のゴルジュの始まり。とても中はいけないので、左岸の踏み跡をたどり、バンドを伝う。踏み跡は顕著だが高度感があり、踏み外さないよう注意。そして、斜滝の上に下り立つが、山崎が「うお!」と声をあげてこけた。そこの岩が大変良く滑る。下手に滑ると、滝の下に落ちてしまうので特にトップは注意が必要だ。そして、次に控えるは斜滝8m。関西周辺などでは左岸巻きとあるようだが、左岸は高い高い壁、とてもいけそうにないので、左の濡れた壁をトップ山崎、セカンド小田が空荷でフリーで登る。やや難。荷揚げして、後にはザイルを出した(8:10-9:00)。そしてそのまま右岸巻き。お次は煙突の滝20m。細いゴルジュの奥の不気味なチムニー滝。右岸を巻くが、途中上部がやや悪く、一応ザイルを出す(9:25-10:17)。そのまま続く斜滝も巻いてしまう。そして多治良渕。本流側には2段20m、右岸より2段の滝が入っている。ここまでくると両岸のゴルジュも高さを減じ、少し安心といった感じである。ここは右岸の滝の左を上がって滝の2段目のテラスを渡り、本流の右岸を巻いていく。ゴーロ帯を抜けると上流は平流、11:17-55竹林院谷出合で昼飯。右岸からも大きな滝の入る十字峡だ。核心部もほぼ終わり、水がうまい。ここから右の竹林院谷へ入る。すぐに間もなく12:16六字の滝50m。2段で下段は多条となり、確かに漢字の六に見えないこともない。
六字の滝
右岸の壁を伝って巻いていく。途中岩間を巨大な岩が塞ぎ、いやらしい。意外に時間がかかり、13:01巻き終わり。ここからは源流の雰囲気、滑りやすいナメ50mを越えると水も涸れる。ずんずんゴーロ帯を詰めていくと、山上ヶ岳の宿坊が見えてきたが、なんと沢の終わりは宿坊のごみダメ(結構最近は有名になっているようだが)。この沢の水は美味しいなあなどと言っていただけに、がく然とする。山上ヶ岳には14:58着。単独登山者がぽつりぽつり。柔らかな秋の日差し。15:10発。洞辻茶屋、大峰大橋経由で下りるが、遂に正野がガス欠を起こし、ペースが大幅にダウン。途中両手に水の入ったビニールを抱えた兄さんにも追い越されて、洞川着は16:59。確かタクシーに乗って、下市口へ下った。
注意は必要だが、それほど難しくもなく、予備合宿でなければ純粋に楽しめただろう。スケールも大きく、大峰随一の秀渓である。