
私がM1の時の秋、西表でサバイバル合宿を敢行した大先輩、速水氏、中山氏のたっての希望により実現した山行。
おそらくもう2度と実現しなさそうなメンバーだ。
休ませてもらえるか心配だったが、論文提出と引き替えになんとか鈴木先生には許してもらえた。
10月7日、前日特急日本海で京都をたち、東能代で下車。「ひがすのすろー」のアナウンス。ここはもう津軽である。五能線に乗り換え、陸奥岩崎からタクシーで追良瀬堰堤まで入山した。天気は快晴。堰堤を左岸の道から巻いて、13:00入谷。青空にブナの森が映える。
淡い緑色のブナの森
沢はひたすらおだやか。河原歩きと渡渉が連続する。少し色づいている木もある。
なにか珍しそうな草木があると、先輩2人はすぐ議論を始める。この日はダケノ沢手前に15:20頃に早々とテントを張った。
翌10月8日は7:00発。すぐに石ノ滝に出会うが、左岸から容易に巻ける。中ノ沢出合を越えるとすこしゴルジュになるが、これも容易に通過。9:26に五郎三郎沢出合に着いた。この枝沢は、25mの直瀑となって本流に注いでいる。
五郎三郎沢出合の25m滝。左岸の河原は絶好のテン場。
ここで大休止。ゆっくりと森を眺める。
ブナの木(たぶん)。朝日が射し込み、緑が眩しい。
10:00出発。シワラノ沢出合直後のトヨは右岸巻き。昼飯を食べてホソ沢出合を過ぎると、小さなゴルジュ、滑床が連続し、少し沢らしい。12:48ウズラ石沢の出合に着いた。今日はこの出合の台地にC.S.2。キノコがたくさんとれた。「サバイバラー」2人がいると、食物採取は安心だ。早速水炊きにして食う。
明けて10月9日。今日もいい天気だ。上流のヒグラシの滝の見物に行く。8:25発。10:05には着いた。ナメ状の美瀑である。
ヒグラシの滝。さらさらと流れる。
ここからは、釣をしながらテントまで引き返す。先輩二人はさすが大物を捕獲。私も、小さいながら一匹つり上げた。めいめい記念撮影。晩飯のさつま汁にぶちこまれた。山の幸に恵まれた昨日今日。酒もうまい。これが沢の醍醐味。
10月10日、今日は高曇り。7:16発。 8:10S字ゴルジュに突入、通称グニャグニャ滝につき当たるが、左岸に捨てロープがある。容易。核心はツメのルーファイなのだが、残念ながら早く稜線に上がりすぎ、白神岳のかなり南側に出た。1時間ほどひどい藪こぎを強いられた。11:36白神岳着。苦しむ我々を山頂から見ていた人は、最初はクマが出たかと思ったそうだ。山頂には避難小屋があり、快適。なだらかな山々は黄色く色づいていた。思わずうだうだしてしまう。日本海も見えた。13:27発。下りは予想外に長く、登山口の白神平に着いたのは16:30。更に歩いて、陸奥黒崎の駅に着いた頃には日が暮れていた。駅近くの人に、民宿を紹介してもらって車で送ってもらった。十二湖の駅からすぐ、失礼ながら宿名を忘れてしまったが、安くてすごいごちそうが出た。最高の打ち上げになった。
翌朝もいい天気。十二湖の駅で、地元のおじいさんに話しかけられたが何を言っているのか皆目解らず、大変困った。人気のまるでない荒々しい海岸線を眺めながら秋田に出て、特急、新幹線を乗り継いで、雨の松島を見て、京都に帰った。
難しいところもまったくなく、天気も良くて、のんびり出来たいい山行だった。
この時以来、速水、中山両氏にはお会いしていないが、お元気だろうか。