大雪

(クワウンナイ川溯行〜トムラウシ山)

(1991.8.1-8.5)

メンバー

米澤、山崎、紅谷、小田、由谷、向井、岡野氏

知床合宿の後、2日間休養となったので、7月30日は、斜里より釧網線に乗って釧路駅のツーリングトレイン(古い客車を駅に留置し、畳を敷いて宿泊出来るようにしてある。一泊数百円)に泊、31日は前に座っていたおばあさんとしゃべりながら汽車に揺られて根室本線を西進、富良野駅のツーリングトレインに泊まった。夜、妙に辺りの照明が明るく、賑やかなので何をやっているのだろうと、一緒に宿泊していた連中と外に出てみると、なんと「北の国から」のロケをやっていた。中島朋子もいた。ひとりがどうしても田中邦衛のサインが欲しいとねだりにいったが、「すまねえなああ、仕事中はサインしちゃいけないことになってるんだぁあ」と「五郎」の語り口そのままで断られたそうである。

8月1日

旭川に総員再集合する。買い出しの後、駅前の公衆の面前で(北海道とはいえ、道内2位の大都市である)EPIをたいて肉のペミを始めたが、保険証の入っているタッパーを富良野に忘れてきたことに気づき、あわてて取りに戻る。駅員が預かってくれていた。13:55慌ただしく旭川に戻り、バスに乗り込み出発。終点の天人峡温泉で降りて、少し道を戻り、ポンクワウンナイ川出合でテントを張った。

8月2日

天気が思わしくなく、増水を恐れて一日ゼロ沈をすることにした。釣をする者、ぼーっとする者人それぞれ。1回生を天人峡温泉まで晩飯の買い出しに行かせたところ、土産物のそばを大量に買い込んできた。たき火を囲んで酒盛りになるが、Yuが飲みすぎ、そこら中にゲロを吐いた揚げ句大の字になって寝てしまった。酒を飲みまくって人より先に寝てしまうのは以来彼の得意技である。

8月3日

雨は降っていないが、曇っている。5:16発。沢のリーダーは今回が始めて。クワウンナイ川、北海道ではおそらく一番有名な沢であろう。まずは延々と河原歩き。魚止めの滝で昼飯となる。ここで宿泊の予定だったのだが、天気が不安なので、一気にヒサゴ沼まで行ってしまうことにする。魚止めの滝を越えると、いよいよかの有名な滝丿瀬十三丁、延々2kmに及ぶ長大なナメの始まりである。

緑の木々の間を縫って、まるで用水路のような滑床がうねうねと連なり、あたかも永遠に続くかと思われる。このようなタイプの沢はみんな初めてなので、感激もひとしおである。注ぎ込む支沢はまるでダムのようだ。特に問題となるようなところはなく、最後のオーバーハングの滝、二俣の滝を越えて、ツメに入る。平和な佇まいであるが、だんだんガスってきて、激烈に寒くなってきた。今日のメニューは豚汁。長い一日に腹も減ってきて、全員で「豚汁!豚汁!」と、暖かい晩飯を頭に浮かべつつ掛け声をかけながら歩いた。岩場では「キッキッ」という泣き声とともに、ナキウサギがちょこっと姿を見せる。向井や小田が一生懸命写真を撮っている。17:15ヒサゴ沼着。縦走客がうじゃうじゃいる。

8月4日

今日はトムラウシ山ピストンのみ。いろんな大学のWVが来ており、朝は大変賑やかである。6:30出発。昨日までとは打ってちがって抜けるような青空。空荷でのんびりと歩いていく。頂上はたいした人出。眺めは最高。リスが走り回っていて、餌をやった。それぞれぼーっと景色を眺めたり、昼寝をしたりした後、昼飯を食べて、のろのろと昼過ぎにテン場に戻った。向井は相変わらずナキウサギやオコジョの写真撮影に没頭していたが、戻ってきた彼は、これは痛恨といった顔をしてこう言った。「フィルム、入ってなかったっす・・・。」あまりにもありがち、漫画のようだ。今日の晩飯はカレーライスである。

8月5日

今日も晴天である。5:15発。程なく化雲岳の頂上。ぐるり360度の展望。北を眺めれば旭岳、振り返れば昨日登ったトムラウシ山がじつに美しい。

化雲岳より、トムラウシ山

同じく化雲岳より、盟主旭岳

雲海が出て、眩しい朝日がこの上なく気持ち良い。山頂には5m位の高さの小さな岩がちょこんと乗っていて、それに登って記念撮影。

大雪山のへそといわれる所以であろう。しかしYaは、「ダボ!ここは大雪の乳首やっちゅうねん!ガイドブックにも書いとるっちゅうんじゃ、ワレ!」と言ってはばからない。おげれつNo1はこの男である。名残惜しみつつ、ここからなだらかな道を下っていく。途中美しいお花畑や羽衣の滝をみながら、10:52下山した。天人峡温泉に入浴後、ビールを飲んで、バスに乗り込み旭川へ。ここでひとまず解散となるので打ち上げ。ジンギスカン食い放題、飲み放題。御機嫌で、散々酔っぱらった私は、小走りで出ようとして、出口のガラスの自動ドアに気がつかず顔面を強打、口の中を切り、散々の幕切れとなった。翌日からは道北徒路である。

(参考 ワンゲル部報 由谷氏の記録)