槍ヶ岳、表銀座

(84年の夏)

メンバー おやじとわたし

中学校1年の時。初めての北アルプス。
夜行急行「ちくま」に乗って、信州へ。初めての夜行列車に、鉄道好きの私は感激もひとしお。薮原で下車予定だったが、松本まで乗り越す。松本でおやじが乗り越し運賃支払うが、JRでは、薮原から乗車したものとして運賃を支払わなければいけない。神戸から松本までの運賃との差額を支払えばいいと信じ切っていた親父は、珍しく激昂していた。松本電鉄に乗り換え、上高地へ。中学生の私にとっては、河童橋から垣間見られる雲の中の穂高も、ひときわ新鮮な風景に映った。槍へのメーンルートを、澄んだ雪解けの清水が流れる梓川に沿って、明神、徳沢、横尾と進んでいく。一気に槍ヶ岳山荘まで登る予定だったらしいが、当のおやじがダウン。槍沢ロッジに宿泊した。翌日、雪の残る槍沢をつきあげると、突然目の前に槍の穂が姿を現した。がらがらしたジグザク道を肩の小屋へ。300円もするジュースにびっくり。頂上からはぐるり360度の展望が広がる。荒々しい穂高の眺めが印象的だった。ここより、通称「表銀座」を逆縦走。途中ヒュッテ大槍で、親父が携帯燃料で湯を沸かして、昼飯にインスタントラーメンを食べた。東鎌尾根を下って行くが、梯子や鎖も多くそれなりに険しい。たどり着いた西岳山荘はかなり古い小屋だった。ここから眺める槍と東鎌尾根はとっても厳しい表情を見せている。そして、うってかわって和やかなほとんど平坦な尾根道を伝って大天井岳へ。この日はヒュッテ大天井泊。確か、飯がうまかったよなあ。
槍ヶ岳大天井、燕間より、槍穂連峰。
次の日は天気は快晴。眩しい朝日の中を燕山荘へ。設備が整い、とても贅沢なきれいな小屋で、子供心にこの小屋に泊まりたかったなーと思ったのであった。裏銀座方面の眺めも雄大。
燕岳燕山荘より、燕岳をバックに。左が我が親父。
ここからは、合戦尾根をざくざく下って、中房温泉へ。風呂の記憶はまるでない。
とにかく、鮮烈な印象。山が初めての人を連れてくるのにはうってつけだろう。
私にももし息子が出来たら、うちの親父がそうしたように、きっとここに連れてくるに違いない。