<最終章・感動、涙の完結編>



このエッセイで扱っている内容はあまりにも高度且つ抽象的なために

読者諸兄の中には理解しきれていない方も多いことと思う。

前章で−急用が入り代役を頼んだのだが−アニメやゲームの妹的キャラクターの中から

幾人かピックアップして紹介したものの、それだけでは具体例として十分とは言えまい。

故に読者諸兄の理解を助けるためにもここで私が理想とする“妹”を公開してみることにする。

適宜参考にして自らの理想とする妹を各々見つけて戴ければ望外の喜びである。

また、是を以て取りとさせていただく。



これが理想の妹、綾瀬めぐみだっ!



俺は、ゆっくりと簡潔に問題の本質を説明した。

「いいかい。俺はおまえが好きだ。でも、妹は幼馴染みにはなれないんだ」

「じゃあ、私がお兄ちゃんの妹じゃなければ、お兄ちゃんの幼馴染みになれるの?」

「ああ……。どっちがいい?」

彼女はしばらく考えてから、うつむき加減に俺を見た。

「ねェ、お兄ちゃん……。私さ、わがまま言ってもいい? 怒ったりしない?」

「ああ。いいから言ってごらん」

「うん。私ね、お兄ちゃんの妹のままでいたい……」




年は俺より三つ年下の中学三年生。

背丈は俺の肩ぐらい。

少し垂れ目がちの眼に黒く大きな眸。

柔らかそうな髪は肩にかからないくらいに切り揃えられており、思わず触れたくなるその髪を

どうやら最近伸ばし始めているらしい。幼馴染みの弥生に対抗でもしているのだろう。

俺は今の髪型が似合っていて好きなのだが……う〜む、さらさらのロングヘアーか…

…それも案外似合っているかも…一度見てみたいな。

めぐみの性格は一口に言うと明るくて子供っぽい、と言うか俺に言わせればまだまだ子供。

年齢以上に背伸びする向きがあるし、目一杯ほっぺたを膨らまして怒るし、事ある度に甘えてくるし…

…いや、甘えてくること自体は全然構わないのだがその度に背中に頬を擦り付けてきたり

じゃれついてくるのはちょっと……決して厭なわけではないというか…その…

…少し恥ずかしいなって思って……。

 そのくせ昔っから妙に世話好きなところがあって、特に最近は両親共に不在で

俺とめぐみの二人きりということもあってか、そりゃもうお節介なぐらい面倒見が良くなってしまって……。

ただめぐみは家庭内のことは大概器用にこなすくせにに何故か料理の腕だけはいまいちなんだよなぁ。

まぁ欠点があったほうが護りがいがあるっていうし……って一体何を言っているんだ俺は?



これが理想の幼馴染み、立花弥生だっ!!



ニコッと笑う彼女の言葉は、俺にふたつの感情を抱かせる。

安堵と落胆。本当にわがままなのは俺のほうなんだ。

「そ……、そうか……」

俺がつぶやくと、彼女は恥ずかしそうに頬を染め、ささやくように言葉を付け加える。

「でもね、お兄ちゃんの幼馴染みにもなりたいの。両方は、ダメ?」




ストレートのロングヘアーがよく似合っている俺の幼馴染みで高校三年生。

家がお隣同士のためか生まれて此の方ずっと一緒に居たような気がするのは、

幼稚園から高校まで同じ学校だったせいか。

俺の部屋の窓から弥生の部屋の窓まで1mと離れていないため簡単に覗くことが出来るのだが、

もちろん俺はそんなことはあまりしない……いや、だからあれは事故であって覗こうなんて気は全く…

…って誰に言ってんだろ、俺?

まぁとにかく弥生は体が弱くて運動や人付き合いは不得手なようだが、

勉強は出来るし家庭的だし料理は上手だし……俺の自慢の幼馴染みなんだよ。



その言葉は、俺を完全にノックアウトした。

こんなに愛しい気持ちにさせる女は、世界中どこを探してもほかにいない。

俺は彼女を抱き寄せ、小さくいじらしい唇に優しく口づけた。

(完)




SPECIAL THANX

CYUJO KOBAYASHI

AND  YOU

開発・1997 「妹に関する考察」補完委員会



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