〜許してあげる〜

 音楽誌の取材を終わって、夜までちょっと時間を
もらって外へ出てきた。
 石川を迎えに行くんだけど……考えてみれば、何
でわたしなわけ?
 まぁ…昨日、石川に「迎えに行く」って言っちゃっ
たけどさ。
 ……これもサブ・リーダーとしてのお仕事の一環
よ!
 そうよね……別に石川を特別扱いしてるわけじゃ
ないわ。




 自分を納得させながら、病院へ向かう。
 何か……ム〜カ〜ツ〜ク〜。
「あ、圭ちゃ〜ん(ハート)」
 む…もう二人きりモード全開じゃないの……。
 でも、大声で「圭ちゃ〜ん(ハート)」はやめて
ほしいわ。
 それでも、松葉杖なんかついちゃってる石川を見
たら許しちゃうわけで……。




「…まだ、足痛いの?」
「はい」
 それなのに、何でそんなにニコニコなわけ?
 痛々しいよ……。
「あの……お願いがあるんですけど」
 きょうは…多少のことは許しちゃうよ。
「ホントですか〜?! あのですねえ……」




 と言うわけで、わたしたちは原宿に来てる。
 ……って一体、どういうわけ?!
「この足じゃ、しばらくはお買い物なんて無理じゃ
ないですか。だから……」
 だから何なのよ?
「圭ちゃんと一緒のきょうが最後のチャンスなんで
す! いいですよね〜?」




 ……だからけが人のくせに、何でそんなに嬉しそ
うなのよ。
 まあ…許してあげるわ。
 別にあんたの笑顔が可愛いからじゃないわよ!
 え〜と…そう、けが人だから…ね…。
                    (続)



続く