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〜愛しの松葉杖〜
あぁ……圭ちゃんと二人っきりの原宿……す・て・き……。
………って、一人で浸ってるじゃあいじゃないよね。
いよいよ、「圭ちゃんとラブラブデート大作戦」を決行する
ときよ!
…き、緊張するけど……愛のために頑張ります!!
「あの…圭ちゃん……」
松葉杖をコツンコツンとつきながら、隣の圭ちゃんの顔をの
ぞき込もうと……。
あれっ?! 松葉杖の先が空を切って。
「おっと!」
あぁ…圭ちゃんの唇が目の前に……。
倒れそうになった私を抱きかかえる圭ちゃん。
計画以上に大接近……す・て・き……。
「大丈夫?」
はっ! うっとりしてる場合じゃないよね。
「ご、ごめんなさい…松葉杖、慣れなくて……」
「松葉杖って歩きにくそうだよね」
ここよ!
ここで言うのよ!
「…あ、あの…それで……わがまま言ってもいいですか?」
「何?」
不思議そうな顔の圭ちゃんも、やっぱりスキ。
…じゃなくて。
「圭ちゃんの肩を貸してくれませんか?…松葉杖なしで歩きた
いんです」
「肩? わたしの?……松葉杖の方が、まだ歩きやすいんじゃ
ないの?」
「そんなことないですっ! 圭ちゃんの肩がいいんですっ!」
ふ〜んって私の顔を見て、
「…いいよ。わたしが梨華の松葉杖になってあげるよ」
圭ちゃんが私の松葉杖!!!
あぁ…愛しの松葉杖……。
「だから…梨華……人ごみの中で泣くんじゃないの!」
「グス…はい……」
圭ちゃんは、怒ったように松葉杖を取り上げて……
「肩、つかまりなよ」
だって。
「はい…」
私は必要以上にしっかりつかまって、二人でひょこひょこと
歩いていった。
(続)
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