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〜世話の焼ける子〜
まったく……この子って、わかりやすいと言うか…単純と
言うか……。
「松葉杖なしで歩きたいんです」
なんて言っちゃって。
ただ私とくっついて歩きたいだけなんでしょ?
それならそうと言ってくれれば……やっぱり「駄目!」っ
て言っちゃうわね。
……ま、ちょっと可愛いウソだから許してあげるよ。
おっと!
ホラ〜。ちゃんと掴まってないと、こけちゃうでしょ。
ホント、世話の焼ける子なんだから……。
だから、恥ずかしがってないで、ギュッと掴みなさいって
……もう。中途半端なんだから。
しょうがないわね。
私がちゃんと手を回してあげるから。
よいしょっと。
「あんっ…」
コラッ!
ちょっと腰に手を回したぐらいで、色っぽい声出すんじゃ
ないのっ!
恥ずかしいじゃないの……。
「圭ちゃん、何で赤くなってるんですか?」
あ〜っ! もう、うっさい!!
まったくもう……あっ! ほら危な……。
ムギュッ。
きゃっ! ちょ…ちょっと、どさくさに紛れてどこ触って
んのよ!
「わざとじゃないです〜」
そんなこといいから、早く胸から手をどかしなさいよ。
油断も隙もない子ね。
無駄にドキドキしちゃうじゃない……。
(続)
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