〜触っちゃった〜

 さ、触っちゃった……圭ちゃんの胸。
 すごく柔らかかった……。
「ちょっと! いい加減に手を退かしなさいよ!」
 ハッ!
 ご、ごめんなさ〜い!!
 わざとじゃないです。本当にわざとじゃないんです〜!
「当たり前よ! わざとだったら承知しないんだから」




 すごい勢いで怒ってる圭ちゃんだけど、お顔が真っ赤で…
…可愛い……。
「何、ボ〜ッとしてんのよ。またこけちゃうでしょ? ほらっ、
ちゃんと前を見て歩きなさいよ」
 言いながら、圭ちゃんの目が泳いでます。
 圭ちゃん、照れてるんですか?




 少し歩くスピードが、ゆっくりになったみたい。
「これくらいのスピードだったら大丈夫?」
 包帯をしてる私の左足を見ながら、気をつかってくれてる。
 ありがとうございます。圭ちゃん……。
 もう、感謝と愛を視線に込めて、圭ちゃんの瞳を見つめちゃ
います。
「本当に世話の焼ける子なんだから……」
って、口の中でボソボソつぶやいて、ますます目が泳いじゃっ
て……。




 そんなところが圭ちゃんらしい可愛さで……いつも冷静なよ
うに見えて、すごく照れ屋さん。
 もっと私のことを見つめてほしいけど…でもいいんです。
 その分、私が圭ちゃんのことを見つめてますから。
 ちょっとしたところに、いっぱいある圭ちゃんの温かい心。
 それに触っちゃったから、気づいちゃったから…私は圭ちゃ
んから目が離せないんです。
                          (続)



続く