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【チャーミー石川】
あの日以来、私と明日香ちゃんは「清く正しい交際」を続けてます。
メールのやり取りしたり、長電話したり……。
そしてOFFの明日は、ついにデート♪
原宿にお買い物に行って、お昼食べて、家に戻って得意のケーキ作りを教えてあげるんです。
やってることは普通のお友達とかわらないけど、本当の私を知ってそれでも仲良くしてくれる明日香ちゃんは、私にとって二人といない特別な人。
今から張り切っちゃいますよ〜!
明日の予定をあれこれ考えて楽しんでる私に、よっすぃ〜が近寄ってきた。
「梨華ちゃん、明日のOFF、どっか行かない?」
「ごめ〜ん。もう予定が入っちゃってるの」
「え〜…そっかあ…じゃ、あさっては?」
あさってもOFFだけど、明日香ちゃんは予備校。一人でさびしいなって思ってたから…。
「あさって?…いいよ」
って言ったんだけど…そのとき、よっすぃ〜の笑顔がなんか妖しかったような…。
「ホント? じゃあ、梨華ちゃんちに迎えに行くよ」
「…うん。待ってるね」
このごろ、よっすぃ〜はますます男の子チックでかっこいい。
中澤さんの釘と明日香ちゃんがいなかったら、私、絶対に襲ってるね。
はっ! いけない、いけない。
明日香ちゃんと約束したんだから。こんな想像してちゃダメよ、梨華!
明日香ちゃん一筋!
I love 明日香ちゃん!!
私が自分の中で戦ってる間に、よっすぃ〜はごっちんにつかまってた。
「よっすぃ〜、明日デートしようよ〜」
「明日? いいよ。どこ行こっか?」
「う〜んとねえ……」
腕なんか組んじゃって、仲良く出て行っちゃった。
いいなあ。私も明日香ちゃんと腕組んで歩きたいよ〜。
でも明日香ちゃん、恥ずかしがり屋さんだから嫌がるかなあ?
腕ぐらいならいいかなあ?
「石川。後藤と吉澤知らない?」
私が重大問題に思いをめぐらしてると、保田さんが入ってきた。
「ごっちんとよっすぃ〜なら、今、仲良く出て行っちゃいましたよ」
「そう……」
保田さんは、考えるときの癖でアゴに手をやってちょっと上を向いていた。
「どうかしたんですか〜?」
「ん〜?……石川」
「はい?」
「…吉澤には気を付けな」
保田さんは、いっつも真面目だけど、いつも以上に真剣な顔をしてた。
「え?…よっすぃ〜がどうかしたんですか?」
保田さんは、ちょっと入り口の方を振り返って、それから私の目を見て言った。
「…吉澤と後藤は付き合ってるんだよ」
「あ、やっぱり……」
あの二人は本当に仲がいいし、そうかなあとは思ってたんですよ。
「それは別にいいんだ。あくまで二人の問題だしね」
保田さんは頷きながら「いいんだ」って繰り返してます。
「ただね…後藤と付き合ってるのに、なっちとか石川とか…矢口を見るときの吉澤の目が…妙に色っぽいんだよね……」
「そんな……」
一瞬、さっきのよっすぃ〜の妖しい目を思い出しちゃいました。
「それで…ちょっと調べてみたんだけど……吉澤って女子校じゃない?」
「はい」
「女子校の吉澤の友達とかに探りを入れてみたんだけどさ……」
さぐりって…保田さんは探偵さんだったんですか?!
「吉澤って…かなりの…『プレイガール』だったんだって」
『プレイガール』?!
何ですか〜?
「相手は女の子ばっかり。次々告白されちゃって大変だったって…それでさあ…二股とか三股とかは普通で、告白する方もそれを承知だったって……」
保田さんは「信じられない!」って感じで怒ってた。
こう見えて保田さんは、お母さまに厳しくしつけられたらしいから、そういうことは許せないのかも。
「今は後藤と、結構マジに付き合ってるみたいだからいいんだけど……後藤を傷つけるようなことだけは絶対に許せないから…石川も気づいたことがあったら教えてね?」
「……はい」
私はまだ信じられないところもあったけど、取りあえず頷いた。
「石川も誘われちゃったりするかもよ。気を付けなよ?」
そう言ってから私の肩をポンと叩いて、保田さんも部屋を出ていっちゃって…。
……よっすぃ〜が『プレイガール』?…ホントかなあ?
あさって一緒に遊ぶ約束をしたけど、それは友達としてだよね?…保田さんの話を聞いちゃったら、何だか不安になってきちゃったです。
そんなことを考えながら、ふと時計を見ると、予定の時間を回っちゃってました。
「いけな〜い。明日の準備をしなくっちゃ♪」
慌てて帰る私の頭はもう明日香ちゃんとのデートのことでいっぱいで、よっすぃ〜のことはすっかり忘れちゃってました。
当日待ちきれなくて、約束の時間の十五分前から駅前で待ってたら、明日香ちゃんも十分前ぐらいに来てくれて…明日香ちゃんも待ちきれなかったのかなあ?って嬉しくなったのに……。
「へえ。梨華ちゃんも、ちゃんと待ち合わせ十分前集合が身についてるんだ」
って感心されちゃった。
明日香ちゃんは娘。時代の習慣で、いいことだからプライベートでも続けてるんだって。
やっぱり明日香ちゃんはすごいなって思ったけど……ちょっとさびしい……私はこんなにワクワクしてるのに、明日香ちゃんはいつも通り涼しい顔なんだもん……。
何だか悔しいから、「行こっか?」って言いながら、さっと明日香ちゃんの腕をとって、腕を組んで歩き出しちゃった。
明日香ちゃんはびっくりしてたけど嫌がらなかった。
勇気を出して腕組んでよかった♪
それからお洋服屋とかアクセサリーを一緒に見て回って、二人でピアスを買ったんです。
そのとき私はおねだりしちゃって……。
「ね、お願い! 私、夢だったの」
両手を合わせて頼み込んじゃいます。
「え〜…でも……」
「ピアス、片方ずつ交換しようよ〜。二人の記念に…ねえ、お願いだから」
明日香ちゃんを困らせるのは胸が痛むけど、どうしても二人の記念のものが欲しかったから、ねばりにねばっちゃったんです。
「…でも…私、ピンクのハートは勘弁してほしい……」
私が手に持っていたのはピンク色のハート型。
明日香ちゃんは空色の星型。
私が好きな可愛らしい系は、明日香ちゃんは苦手。
「…だ、だったら…私、こっちの星型の黄色のでもいいから〜…お願い、明日香ちゃん!」
ピンクのハート型にも未練はあるけど、とにかく明日香ちゃんとの記念をつくることが先決だから……。
明日香ちゃんは、軽くため息をついて、
「…わかった。交換しようね」
「ホント?! やった〜!!」
思わず大きな声を出しちゃった。
うれしい! 私と明日香ちゃんの記念のピアス。
買って、すぐに付けっこして……黄色と空色で色違いの星型ピアス。
二人でおそろ。
何だかちょっと……涙が出そうになって、明日香ちゃんを驚かせちゃった……。
無理なおねだりしちゃったから、お詫びにアイスクリームをおごっちゃう。
ストロベリーとチョコミントを買って、待ってる明日香ちゃんのところへ急ぐ。
「お待たせ〜♪ 明日香ちゃん、どっちが良い?」
明日香ちゃんは不思議そうな顔をして、フッて柔らかく笑った。
「バニラ」
「え〜っ!!」
バ…バニラが良かったの? どうしよう……。
「…私、買ってくるね」
「うそうそ。チョコミントちょうだい」
いたずらっ子みたいな瞳で私を見てる。
ひど〜い……でも…その瞳が可愛いから…許しちゃう。
お昼はもちろんパスタよね。
前からお気に入りだったお店に明日香ちゃんをエスコート。
向かい合ってペペロンチーノなんかつつきあって……二人の耳には、片方が空色、もう片方が黄色のおそろの星型ピアスが……。
完璧っ! きのうの夜、シミュレーションした通りの二人きりの時間。
明日香ちゃんは、そんなに口数の多い方じゃないけど、私の話をニコニコしながら聞いてて、時々アドバイスとかツッコミとか、豆知識とかを話してくれる。
本当に明日香ちゃんって物知りなのにビックリする。
一般常識なのかも知れないけど、私の知らないこと、学校じゃ習わないようなことをたくさん知ってる。
だから尊敬しちゃうし……もっと大スキになっちゃった♪
それから材料を買いこんで、お家でケーキ作り。
ここは私の見せ場よね。
「難しいねえ」
って言ってる明日香助手を従えて、チョコレートケーキ作りに精を出しちゃいます。
ここでも明日香ちゃんは聞き上手で、
「へえ、そっかあ。流石に上手だね…で、ここはどうするの?」
とか言われて舞い上がっちゃって、ほとんど私一人でつくってたような気が……。
ま、明日香ちゃんに食べてもらえて、
「美味しいね」
って言ってもらえたから、いいかな。
「あ、もうこんな時間。私、帰らないと」
明日香ちゃんの無情なお言葉。
「え〜…もう帰っちゃうの?」
「ごめんね……」
表情には出てないけど…でも、明日香ちゃんもさびしそう……。
でも…明日香ちゃんの会えるのはOFFのときしかないのに。
少しでも一緒にいたいから、駅まで送っていく。
でも、駅が近すぎて…あっという間に着いちゃった……。
「…ねえ…明日、予備校に行くんでしょ?」
「うん」
「……終わったら…会えないかなあ?…ほら、晩ご飯とかつくるし……」
無理なことを言ってるのは分かってる。
でも…少しでも明日香ちゃんに会いたいよ!
「…いいよ」
って明日香ちゃん。
「ホントに?!」
「うん。予備校から直接ここに来るよ。その方が近いし」
やったあ!
「腕によりをかけて美味しいご飯つくって待ってるから!」
「期待してるよ。じゃ、きょうはこれで」
明日香ちゃんはニコッて笑って、改札口を通っていっちゃった。
一人で歩く帰り道は…とってもさびしかった。
次の日。
約束通り、よっすぃ〜が来た。
保田さんの忠告なんて、完全に忘れちゃってた。
でも…あんなことになるなんて……。
きのうとは違う意味で、私にとって忘れられない日になった。
「紅茶でいいかな?」
「うん。ありがとう」
よっすぃ〜がこの家に来るのは二回目だけど、前は矢口さんも一緒だったから、二人きりは初めて。
部屋の中を見渡したりして、よっすぃ〜は物珍しそうにしてる。
「ねえ…梨華ちゃん」
「なに?」
「…福田さんと…付き合ってるの?」
薄い笑いを浮かべながら、よっすぃ〜は私の方を見てる。
「な…ど、どうして?」
何か声がひっくり返っちゃってる。
「きのう、ごっちんと原宿に行ったら、梨華ちゃんが福田さんと歩いてるの見ちゃったんだあ」
見られてた……別に…別にやましいことは何もないけど…認めちゃってもいいのかなあ?
「…お友達になったんだよ」
「へえ…そうなんだ……」
よっすぃ〜は目を細めて私を見てた。
まるで獲物を狙う狼の目のように鋭かった。
ス〜ッて私の横に近づいてきたけど、なぜか動けなかった。
「な〜んだ。私はてっきり…もうこんなことしてるのかと思ったのに」
言い終わるより早く、私の唇は奪われていた。
「いやっ!…やめ……あぁんっ!…いゃ〜……」
顔をそむけて立ちあがろうとしたら、よっすぃ〜の手が私のうなじをなで上げた。
逃げたいのに…膝に力が…入らないよ……。
「…よっしぃ〜……や…やめて……」
そんな私の言葉なんか耳に入らないように、面白そうに眺めてるよっすぃ〜がいた。
「へえ、やっぱり首筋が弱いんだね。そうじゃないかって思ってたんだあ」
首筋を這うよっすぃ〜の指が動くたびに、私の体はビクッ、ビクッと震える。
それを眺めながら、よっすぃ〜は笑ってた。
「な〜んか…面白いよね。梨華ちゃんの体って……」
文字通り、私はよっすぃ〜に弄ばれてた。
悔しい…悔しいけど…今の私には何も出来なかった。
「…たす…けて…よっ…すぃ…助け…て……」
ただひたすら、よっすぃ〜の興味が私から去るのを願うだけで……。
「梨華ちゃん…もっと気持ちよくしてあげる」
それは最悪の状況を示す言葉。
「いゃっ!…よっすぃ…やめてっ!……」
懇願する私を無視して、抱き上げてベッドへと運ぶ。
横たえるのももどかしそうに、すぐに耳元を中心にキスの嵐。
逃げることも出来ず、ただあえぐだけの自分がイヤ。
よっすぃ〜は手馴れたもので、いつの間にかショーツの中の濡れたあそこにも手が伸びていた。
腰から下が燃えるように熱い。
よっすぃ〜の指が触れるたびに、熱が広がっていく。
「あっ…あぅっ…はあっ!…も…もう……」
目の前がチカチカする。
ダメ…感じちゃ…イヤだよっ!…こんな…こんなことで…なんで感じちゃうの!
もう頭に霞がかかって、よく分からなくなっちゃってた。
明日香ちゃん…明日香ちゃん…ごめんね…ごめん!
「梨華ちゃん…もう…いっちゃいなよ。ほらっ!」
私の中に入ってた指が二本になって、すごい勢いでこすりあげてた。
「…!…くぁっ!…あ…ぁう…ぃやぁ〜っ!……」
あっけなく、私はよっすぃ〜に屈してしまった。
意識が戻ったときには、私は一糸まとわぬ姿だった。
「…はぁう…いゃ…あ…きゃぅっ……」
何度も私は、いっちゃって…何度も空が落ちてきて、そして遠ざかっていった。
ベッドの片隅には、私の服と下着が投げられてるのが見えた。
そこには…あの明日香ちゃんとおそろのピアスも……。
相変わらず、よっすぃ〜の耳へのキスに体の自由を奪われながら、私は必死で腕を伸ばしてた。
明日香ちゃんと…おそろの…ピアス。
指にかかりそうになったときに、よっすぃ〜の指が私の充血して立ち上がった乳首を捻りあげる。
声も出せずに反りあがる背中……。
それでも、焦点の定まらない視界を頼りに、ピアスを求めた。
「梨華ちゃんすごいね。さっきからいきっぱなしじゃん。気持ちいいでしょ?」
よっすぃ〜は、簡単にいっちゃう私を、明らかに面白がっていた。
ただひたすらに私をいかせ続けてた。
このまま私はおかしくなっちゃうかも……本気でそう思った。
そんな私を助けてくれたのは、明日香ちゃんだった。
明日香ちゃんとおそろのピアス。
やっとの思いでつかんで…握りしめた。強く握りしめた。
手のひらから全身に痛みが走って……次の瞬間、私はよっすぃ〜を弾き飛ばしてた。
「痛ってえ……なんだよ、もう……」
口調はとぼけた感じ。でも、私を見る目はすごく怖かった。
「もういいよ…私、帰る」
さっさと自分だけ服を着て、よっすぃ〜は帰っていった。
バンッていうドアの音を残して……。
私は身動き一つ出来なかった。
足腰にまったく力が入らなかったし、何より精神的なショックが大きすぎたから。
「…明日香ちゃん……」
その名を口にして、私は泣き続けてた。
私…明日香ちゃんの恋人にふさわしくないね。
明日香ちゃん…やっぱり…私の体…ケガレちゃってるみたいだよ。
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