【チャーミー石川】

「…ん…んふ……」
 キスをした状態のまま、私を押し倒す勢いで、身体を重ねてくる明日香ちゃん。
 私の胸を一生懸命に、でも、ぎこちなく愛撫してくれる。

 ……明日香ちゃん、緊張してるね。
 そんなに指に力が入ってちゃダメだよ。
 もっと…優しく……リラックスして……。
 明日香ちゃんの背中に手を伸ばして、触れるか触れないかくらいに、ゆっくりと指を這わせた。

「…ぁん……」
 私の胸に集中してた明日香ちゃんは、少し驚いて小さく声を漏らす。
 背中から腰、脇腹を通って、また背中へ……。
 単純に繰り返していく。

「り…梨華ちゃん……」
 ね?
 じわ〜って気持ちいいのが広がっていくでしょ?
 明日香ちゃんの肩から力が抜けていくのが分かるよ。

 そしたら急に、明日香ちゃんの指の動きが柔らかになって、胸元からゾクッて快感が走って……。
「…ふわぁ…いぃ……」
 私、無防備に喘いでた。

【焼き銀杏】

 梨華ちゃんの指が触れる背中から腰、脇腹。
 すごく繊細なタッチに、次第に熱を帯びた快感が呼び起こされる。
 こんなところも感じちゃうなんて……。
 胸とかのストレートな感覚とはまた違って、じわじわと湧き上がる快感に、少しずつ追いつめられるような感じ。

 初めての感覚に、何だか少し恐怖感のようなものも浮かんでくる。
 だって……自分がどうなっちゃうか分からないから……。
 でも、梨華ちゃんとなら、おかしくなっちゃってもいいかも……。

 霞がかかった頭で、そんなことを思ったりしてたら、目の前に見える梨華ちゃんの胸が、一層、愛おしくなって……。
 背中を這う梨華ちゃんの指使いをマネて、そっと美しい曲線をなぞっていく。
「…ふわぁ…いぃ……」
 急に梨華ちゃんの声が艶っぽくなって、一瞬、背中の指使いが乱れる。

「…あ…明日…香ちゃ…ん……いぃ…いぃの……」
 梨華ちゃん…気持ちいいんだね?…ねえ、そうでしょう?
 初めて私から梨華ちゃんを抱いたあの夜、無意識のうちに同じことをやってた。そのことが急激に思い出される。

「ぁん…ん…ぁふ……」
 もっと…もっと感じてよ、梨華ちゃん……。
 その声、もっと聞かせて……。
 私はただ無心にそのことだけを願って、梨華ちゃんの肌のなめらかさを、指先で追いかけていた。

【チャーミー石川】

 肌を通して、明日香ちゃんの指と唇、舌の感触を感じてた。
 明日香ちゃんの息遣い……明日香ちゃんの高まりそのままに、熱くて、荒くて……ずっと私の肌を撫で続けてる。
 感じる…明日香ちゃんの思いを。
 震えちゃう…呼び起こされる快感に。

 あっという間に、固くしこった乳首をついばまれ、キュンッて切ない快感に身をよじらせて……。
「…ん…んぁ……あぅ……」
 明日香ちゃん…すごい…気持ちいいよ。
 時々チラッと見上げる明日香ちゃんと視線が合って、でも、ウルウルのその瞳を見たら、明日香ちゃんもギリギリ精一杯だってことがわかるよ。

【焼き銀杏】

 もう…結構…いっぱい、いっぱいだよ。
 張りつめた梨華ちゃんの胸から、ずり下がるようにして愛の水湧く泉を覗く。
 もう十分、濃紅に染まったそこに唇を近づけて……。
 それだけで身体はカッカ熱いし、頭はボ〜ッてしちゃうし、気を抜いちゃったら、即座に正気を持って行かれちゃいそう……。
 だって…梨華ちゃん、H過ぎ!

 艶めく肌が私を誘う。
 ヒクつく腰つきが、私の性感を表層まで押し上げる。
「…ふ…ぁん…ぁぅん…」
 わななくような声が、耳元から私を犯す。

 今思うのは、今まで梨華ちゃんと付き合った人達は、梨華ちゃんの感じやすさに逃げてたんだと思う。
 だって、そうじゃないと自分の方が先におかしくなっちゃいそうだもん……。

 でも、私は逃げる訳にはいかない。
 梨華ちゃんを真正面から愛してあげたいから。
 その思いだけが、今の私を支えてた。
 それでも、腰の奥が今にもヒクヒク痙攣を起こしそうだった。

【チャーミー石川】

 明日香ちゃんの指が、遠慮がちに私のそこをかき分けて入ってきた。
 最初はちょっとヒヤッ。でもすぐに私の体温で溶け合う。
 溶け合いながらも、そこにちゃんと存在して……。
 私、明日香ちゃんのこと、感じてるよ。

 また乳首にキスをしに戻ってきた明日香ちゃん。
 でももう、ふわっと焦点の定まらない感じでフラフラしてる。
 私も、もう……。

 指の動きに合わせて、目の前をチカッチカッて走ってた光がもう見えない。
 目の前が全部光だから……。
 明日香ちゃんが優しく撫でてくれた私の中心から、一気に熱いものが全身に広がって……。

「…いぃ…すごい……いっちゃ…あ…明日香ちゃん!!……」
 どこかに飛んでいく自分を、明日香ちゃんの背中に回した腕を引き寄せることで、つなぎ止めようとして……。
 無駄な抵抗も及ばず、私は真っ白な世界に引き込まれて行った。

【焼き銀杏】

 中に入り込んだ指が、キュキュキュッと締め付けられて、梨華ちゃんの恍惚とした表情が目に入ってきた。
 良かった…ちゃんと最後まで梨華ちゃんを愛してあげることができたんだ。

 途端に自分の中がドロドロと溶けて渦巻いていることを思い出す。
 どうしたものかと思う間もなく、私の背中を抱き寄せていた梨華ちゃんの腕がほどけて、一瞬、腰を撫でるように肌に沿ってベッドに落ちて……。

 たったそれだけ。
 でも、それでもう十分で……。
「あ…いゃ…駄目……」
 カクカクと腰が蠢いたかと思うと、渦巻いていた快感が一気に弾けて……私の意識はあっという間に中空に拡散した。

【チャーミー石川】

 ス〜ッと意識が戻っても、まだ気だるい快感が残ってる。
「…明日香ちゃん……ありがとう……」
 こんなに幸せな気分なのは、私の胸の上に頭を預けるように抱き着いてる明日香ちゃんのお陰だね。

 でも…明日香ちゃん、何の返事もない。
「明日香ちゃん?」
 首を伸ばして覗き込むと……明日香ちゃん、寝てた。

 すごい可愛い寝顔。
 …私のおっぱいに顔をムニョッてつけてるのが恥ずかしいけど……。
 いつまでも見ていたい明日香ちゃんの寝顔。
 でも…シャワー浴びたいんだけど……身体中ベタベタするし。

「明日香ちゃん?」
 上半身をそっと起こしながら呼びかけても、明日香ちゃんはピクリとも反応しなかった。
 ちょっと考えて……ソロソロと明日香ちゃんの下から体を抜き出す。
 うつ伏せから仰向けに寝返りを打たせて……。
 それでも明日香ちゃんは、ス〜ッ…ス〜ッ……って寝息をついてた。

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