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【焼き銀杏】 部屋のチャイムを押すと、すぐにドアが開いた。 ドアを引いて招き入れる吉澤には、余裕があふれていて……。 思わず目をそらした。 脅すような視線なんて、全然怖くない。 「……ふ〜ん……」 吉澤は無言で……「そんなこと、答えるまでもなく知っている」ということなのか。 私を睨んだまま、吉澤からの答えはなくて……。 「…愛してるよ……ごっちんのこと……」 視線に込められていた殺気が問題にならないほど、その「愛してる」という思いが、私を圧倒して……身体の芯から震えていた。 絶望が、強風のように私の心に吹き付けて、ちっぽけな感情を、そして私の全てを、どこかへ弾き飛ばしていった。 |
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【チャーミー石川】 飯田さんが言うように、私も変わったけど……明日香ちゃんもだんだん変わってきたような気がする。 明日香ちゃんが変わったのか、本当は前からそうだったのか。 例えて言うと……。 でも……今なら……明日香ちゃんと一緒なら、風に向かって挑んでいけそう。 だからやっぱり、私は明日香ちゃんの傍にいなきゃね。 |
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【焼き銀杏】 何とか…何とかしてあげたい。 人を本当に愛するということに、普遍的に付きまとう恐れ。 形は違っても、そのことは私も吉澤も同じだと、直感的にそう思った。 何をどうしたらいいのか……頭を抱えたくなるほど、私は混乱してた。 |
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【チャーミー石川】 でも……もうちょっと、弱いところも見せてほしい。 私は泣き虫だから知ってるの。 明日香ちゃんは強い人。 でも明日香ちゃん、ちょっとそこで思い出して。 |