【焼き銀杏】

 上体だけ振り返った梨華ちゃん……唇からうなじにかけての、綺麗なラインに見とれてた。
 だから、
「…キス…していい?」
って言われたときも、ちょっとドギマギしただけで、ほとんど抵抗もなく
「…いいよ」
って……。

 誘われるままにキスした。
 相変わらず梨華ちゃんの唇は、柔らかくって、滑らかで、温かくて…ホント、最高だった。
 梨華ちゃんを抱きかかえるようにしたキスは……すごく…頼られてるって感じが強かった。
 私、梨華ちゃんに頼られてる…応えてあげたい…頑張らなきゃって……。

 少しだけ唇を離して……。
「苦しくない?」
 振り返るっていうか、仰け反るようにキスしてる梨華ちゃんに尋ねる。
「ううん…全然………明日香ちゃんが支えてくれてるもん……」

 小さく首を振る梨華ちゃんが、すごくいじらしくて……。
 もう一度キスをした。
 今度は、深く深くキスをした。
 熱くて…熔けるようなキス……。
 私は……あっと言う間に梨華ちゃんと一体になって…梨華ちゃんしか見えなくなってた。

【チャーミー石川】

 舌と舌が触れ合う感覚が、すごいH。
 私が、もっと明日香ちゃんに近づこうと仰け反ると、バランスをとるように私を抱きしめる腕に力が入って、明日香ちゃん自身も前のめりになってくる。
 だから益々二人は密着して……今までにないくらい深い深いキスだった。

 あんまりにも深いから、息継ぎをするみたいに一呼吸入れたんだけど……。
「明日香ちゃん?」
 もう目の周りとか、ポッて赤くなってる。
 瞳も何となく虚ろな感じで……本当にキスに弱いね、明日香ちゃん。

 もう一回軽くキス。
 唇を離す。
 明日香ちゃんが私の唇を追うように腰を浮かせるのと、私が手を引いて立ち上がるのが同時だった。
 タイミング良くスッと立ち上がった明日香ちゃんだけど、すぐにフラッて。

 慌てて抱き留めて、もう一回キス。
 今日はいつもより、いっぱいキスしたい気分。
 「私のものだよ」って、印をいっぱいつけたいから。

 そうやっていっぱいキスしながら、ベッドの脇へと誘う。
 それから……明日香ちゃんの服を一枚一枚取り除いていく。
 出来る限り明日香ちゃんの心に近いところまで触れたいから。
 明日香ちゃんと私の間に、薄紙一枚ほどの隔たりがあったりしてもイヤ!

 最初は身をよじったりしてた明日香ちゃんも、反撃するように恥ずかしげに私の服に手を伸ばす。
 いち早く明日香ちゃんをショーツだけにしちゃった私が、不意打ちで明日香ちゃんをベッドに押し倒す。
「あっ!…ズルイ……」
 聞こえませんよ。全然聞こえません。

 エヘヘ……大好きな明日香ちゃんの胸に唇を這わせちゃうよ。
「…ぃゃ……」
 どうしようもなく唇から漏れ出す喘ぎ声。
 我慢しなくて良いのに……相変わらず明日香ちゃんは恥ずかしがり屋さんだね。
 豊かな乳房の縁に沿って、グルッと弧を描くように指と唇を動かす。

 二つの弧が最も近くなる場所、ちょうど心臓の上……。
 あれ? これ…何?
 左胸の中心よりのところに……何か…赤い印……。
 これって……もしかして……キスマーク!!
 瞬間、あの娘。の不敵な笑顔が浮かんできた。
 よっすぃ〜!!!

【焼き銀杏】

 優しく梨華ちゃんに触れられて……込み上げるような幸せを感じてた。
 そしたら突然、息を呑むような雰囲気がして、梨華ちゃんの動きが止まった。

 ???
 何だろうって首を上げて覗いたら、二つの乳房の真ん中に梨華ちゃんの驚いたような顔。
 ……何だか…ヤラシイ構図。
「どうしたの?」
 聞いたら、梨華ちゃん、ハッとした感じで私を見て……。

 ムギュッ。
 咄嗟に顔を隠すように両脇から私の乳房を寄せた。
「…あ…明日香ちゃん…胸、大きくなった?」
なんて言いながら。

「……ばぁか……」
 恥ずかしくって顔を背けちゃった。
 でも、実際に大きくなったかも。
 やっぱり…梨華ちゃんに触られてるからかなぁ……。
 なんて考えたら、余計に恥ずかしくなってきたよ。

 梨華ちゃんの顔も赤かったから、そんなこと考えてたのかなぁ?
 でも、何かちょっと変。
 だって、さっきまで触れるか触れないかみたいなソフトタッチだったのに、左胸の下側を、ゴシゴシッて感じでこすったりしてる。
 何だろ?

 梨華ちゃんに、もう一回、「どうしたの?」って聞いてみようと思ったら、急にゾクゾクッて快感が走り抜けた。
 強いキス。
 それも、さっきこすってた辺りをついばむような。
 チュ〜ッて吸うような感じ。
 梨華ちゃん、そんなにしたらキスマークついちゃうよぉ……。

 ま、梨華ちゃんのキスマークだったら良いか。
 胸だから、他の誰かに見られるってこともないし。
 梨華ちゃんだけが知ってる私の秘密…ってことだよね。
 何か…ちょっと嬉しいよ。

【チャーミー石川】

 うぇ〜ん!
 こすっても消えないよ〜。
 こんなのイヤだ〜!!
 私の明日香ちゃんに、よっすぃ〜のつけたキスマークなんて…許せな〜い!

 どうにかして消さないと。
 どうしたら消えるの〜?!
 どうしたら……どうしたら……。

 !! よしっ!
 明日香ちゃんの胸に刻まれた憎らしいキスマークを、覆い隠すように唇で挟み込む。
 それから思いっきり吸って……。
「ん……ぁ……」
 明日香ちゃん、色っぽい声出してる。

 唇を離すと、前より大きくてピンク色のキスマークの出来上がり。
 もうこれは、よっすぃ〜のじゃないんだから。
 私の愛のこもったキスマーク。
 それにもう一回キスをして……何だか嬉しくなった。
 だって…これからは私印の明日香ちゃんだもんね♪

 前よりずっとずっと愛しさが増して、改めて思いを込めて指と唇で触れる。
「…!…ふぅん……」
 急だったから、明日香ちゃんがビクッて。
 ごめんね、明日香ちゃん。
 よっすぃ〜のせいで横道にそれちゃったけど、でもそのお陰で私の印をつけてあげられて、すごいドキドキしてる。
 これからちゃんと愛してあげるからね♪

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