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【焼き銀杏】
駄目だよ。
このままじゃ、いつもと同じ。
受け身の私を、優しく愛してくれる梨華ちゃんって形。
私ばっかり気持ちよくなって……いつまでもそれじゃ、嫌なんだから。
でも…どうしたらいいか分からない。
ここ最近、考えてたけど答えなんて見つからなかった。
それでも、今の状況は「待った」が効かない。
ベッドにゆっくり下ろされて……。
私に覆い被さってる梨華ちゃんの目が優しかった。
「梨華ちゃん……」
「ん?」
「今日は…私が……」
思い切って言ってみた。
梨華ちゃんは首を傾げて見つめてる。
「…良いよ」
ニコッて笑って、私の隣に横たわった梨華ちゃん。
……えぇと。
まず、どうしたら良いんだっけ?
いつも梨華ちゃんにされてることを思いだそうとするんだけど、こんなときに限って焦っちゃって混乱しまくり。
えぇ〜い!
と…とにかく、キス、だよね?
いつもと違ったドキドキ感が、焦ってる自分を表してる。
おっかなびっくり顔を近づけると、梨華ちゃんはスッて目を閉じて。
焦るな、明日香!
これまでだって何度か私からキスしたことあるじゃん!
……でも、今回は全然勝手が違うよ。
目の前の無防備な梨華ちゃんの姿が、あらためて責任の重大さを感じさせる。
すべてを任せてくれた梨華ちゃんの期待に、何とか応えなきゃ!
何とか呼吸を整えて、えいや!って唇をつける。
ぅぁ……やっぱり梨華ちゃんの唇、柔らかいよぉ…。
思わずいつも通りに、自分の方が熔けちゃいそうになる。
慌ててもう一回気合いを入れ直して……一生懸命についばんでた。
……能動的に愛してあげるのって…大変だなぁ。
私、最後まで保つのかなぁ?
不安いっぱいに、ぎこちなく梨華ちゃんを愛し始めた。
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