「実のトコ、なっちはオトコいるんやろ?」
ラジオの撮りの最中、さんまさんが聞いてくる。
「いやー、彼氏はいませんよ。今はいいです。」
「そんな事言って実は、ってパターンやないか?」
「ホントですって」
あたしは笑いながら否定する。
実際、あたしに「彼氏」はいないんだから、突っ込まれても何も出てこないのに。
あの事件以降、あたしは大人しくしていますって。
事務所にも「次に男関係を撮られたら…」ってクギ刺されているし。

ラジオの撮りが終わった後、圭ちゃんが声をかけてきた。
「なっち、たまには食事しに行かない?」
「うーん、ゴメン、また今度にして」
あたしは、済まなそうに頭を下げてみせる。
「なっち、最近付き合い悪いよ」
圭ちゃんが不服そうに言う。
「最近、何か疲れててね…体調も今一だし…また今度誘ってよ」
「うん、わかった」
何とか無理矢理でも圭ちゃんを納得させた。

あたしはタクシーに乗り込み、自宅へ向かった。
途中、テイクアウト専門の美味しいパスタ屋に寄ってペペロンチーノとカルボナーラを買った。
あたしは自分の部屋のカギを開ける前にドアをチェックした。
(異常無しっと)
ドアを開けると部屋の電気を点ける。
「ただいまー、食事買ってきたよー」
あたしは奥の部屋のドアを開ける。



そこには、あたしの明日香が黙ってベッドの上で仰向けになっている。
明日香はあたしの方に一瞬視線を向けたが、プイッと反対側を向いてしまった。
相変わらず無愛想な子だよ、まっ、そこが可愛いんだけどね。
あたしはベッドの横に歩き、明日香にキスをした。
明日香は目を閉じるでも嫌がるでもなく、あたしをそのまま受け入れている。
そして抱き締める。
耳元で「愛してるよ」って言ってみる。


テレビ番組収録後、裕ちゃんが話し掛けてきた。
「なっち、最近落ち着いたなー。大人っぽくなったっちゅうか」
「ありがと、裕ちゃん。これも裕ちゃんの指導のお陰です」
「おー、そやろ。でもな、彼氏できたんとちゃう?」
「いる訳無いじゃん、なっちは仕事と家との往復なんだから」
最近、みんなに「大人っぽくなった」とか「彼氏できた?」とか言われるようになった。
確かにアレ以降、あたしの精神状態は凄く安定している。
生活に「張り」があるとホントに人間とは落ち着くものだと実感する。



あたしは明日香をズッと口説いてきたような気がする。
最初に会ったときから何か運命的な出会いを感じたから。
とにかく可愛くて仕方が無かった。あたしの横にずっといて欲しかった。
でも、裏切られた。
明日香はあたしを捨てて、モーニング娘。も捨ててしまった。
あたしが泣いて頼んでも「もう決まったコトだから」の一点張りだった。
悲しかった。

明日香が辞めてから、全てがどうでも良くなって生活がずいぶん荒れた。
以前は相手にしなかった男の誘いにも乗ったり、頑張って続けていたダイエットも止めた。

寂しかったから。。。

でも、心の隙間は全然埋まらなかった。
あたしには明日香しかいない、それを確信しただけのコトだった。




明日香が高校を辞めていたって報道された日、あたしは無理矢理、明日香を自分の部屋に
引っ張り込んだ。
基本的に世間知らずの明日香はあたしが激怒して泣いたふりをすると、あたしの部屋まで
着いて来た。
それ以降、明日香はあたしのベッドの上で四肢を鎖で繋がれた生活を送っている。
二度と逃がしてたまるものか!




付け合せのサラダと簡単なスープを作って明日香に食べさせてあげる。
明日香は黙ってパスタを口に運ぶ。
「美味しい?」って聞いても黙ったままだ。
最近、明日香はほとんど喋らなくなっている。
最初は「いい加減にして」とか「家に帰してよ」とか言ってたんだけど最近は文句も
言わなくなってきている。
唯一、明日香の声が聞けるのはエッチの時だけだ。
最初、明日香は悔しいのか声を出すのを我慢していたみたいだが、あたしが色々と開発して
あげたお陰で今ではスゴク感じやすい身体になっている。

食事が終わると、あたしは明日香の胸に手を這わす。
「あっ…」甘い吐息とともに声が漏れる。
胸のポッチにキスをしてあげると鼻を鳴らす。
そんな明日香を見てあたしも興奮して濡れてくる。
ゆっくり時間をかけて全身を愛撫して舐めてあげる。
明日香の身体は既に紅潮して、アソコもびしょびしょになっている。

あたしも我慢できなくなって、ベッドサイドの棚から双頭のバイブを取り出す。
そして明日香の身体に片側をゆっくり沈めていく。
「アッ…」
明日香の声のトーンが一段高くなる。
そして、もう片側を自分のアソコへ挿入する。
あたしが腰を使うと、明日香はすぐにイッてしまう。
そんな明日香を見るとあたしも興奮してイッちゃう。
本当に可愛い明日香…
あたしだけの明日香…


そんな行為を何回か繰り返してから眠りにつく、これが毎日の日課。
今日も明日香の頭を抱いて眠ろうとした。
「なっち、もういいでしょ…十分でしょ…」
何週間ぶりかに明日香が言葉を発した。
そして泣き出した。
「お願い…家に帰して…」
明日香が泣くなんて滅多に無いことだ。
モーニング娘。の時に泣いたトコなんて殆ど見た事が無いし、ここに拘束してから
泣いたことは一度も無い。

「もう…開放してよ…」
この言葉にカチンとして、あたしは明日香の頬を張った。
こんなに愛してんのに「開放して」なんて…
涙が溢れ出してきた。
明日香卒業を聞いたあたしが明日香に泣いて「辞めないで」って頼んだ時の返事
「もう決まったコトだから」
この言葉がフラッシュバックしてきた。
開放してしまったら、明日香はあたしの前に二度と姿を見せなくなるだろう。
だから開放することはできない。
拘束したのも、いつかはあたしのコトを愛してくれるようになるって思ったから。。。
なのに明日香は「開放して」って言った。

その言葉の意味する事の答えはすぐにわかった。
明日香はあたしを愛した事は無いし、これからも愛してはくれないというコトだと…
全身が震えて吐き気がした。
目の前がクルクル回っている。
「わかったよ、明日香。開放してあげる…」
あたしはゆっくりと立ち上がった。
明日香は期待を込めた目であたしを見つめている。
あたしはそのままキッチンへ向かった。
そして、流し台の下の収納から刺身包丁を取り出した。
白く輝く刃先を一点に見つめる。
「なっちと明日香はずっと一緒なんだからね…」


END


溢れる思い…TOPに戻る