士魂号、ナイスバデー!


ある日のハンガーで、パイロットが馬鹿馬鹿しい会話を展開していた。

発端はいつものように士魂号を整備していたときの、滝川が放った独り言からだった。
「士魂号の水着ってビキニ?それともきわどい水着かなあ。 もしかしてフンドシだったりしてな」
仕事中だというのに、緊張感のかけらすら見当たらない発言。
そんな滝川の言葉に対し、根っから真面目な舞と壬生屋は揃って【咎めるような視線】で返したが、同性のよしみか速水だけがそのバカ話に乗った。
「んー・・・そうだねえ。士魂号ってよくみると原先輩そっくりだよね。舞もそう思わない?」
いきなり原の話を持ち出す速水に対し、間髪入れず女性陣がつっこみを入れる。
「ちょっと待て、どうやれば水着から原に飛躍するのだ!?」
「芝村さんという恋人がありながら他の女性を・・・速水さん不謹慎です!」
ワンテンポ遅れて滝川も、発言の真意を訊ねる。
「不潔かどーかは別にしても、原さんとコイツらの一体ドコが似てるってんだ、ハヤミスキー?」
階下の様子を窺い、速水は言う。
「う〜ん。例えばさぁ、士魂号のシルエットとか。
 前に瀬戸口くんも原先輩を“メリハリついたあのボディは素晴らしい!”って、すごく誉めてたんだけど」
瀬戸口を引き合いに出したことは、壬生屋には逆効果だったらしい。
壬生屋は嫉妬の炎を纏って鬼しばきの獲物を求め、ハンガーを飛び出して行った。
が、いつものことなので誰も気にしない。あれは二人の日課だから。

「確かにいわれてみれば、士魂号ってオンナっぽいな」
「・・・・・・出るところは出て・・・引っ込むところは細く・・・・・・(鬱)」
「ね?似てるでしょ。『ペットは飼い主に似る』っていうけど、ある種遺伝かもね」
「原さんのイメージでいったら絶対に『きわどい水着』だよなー」
「あ、それってこの間のキャンプ?」
「・・・キャンプ・・・水着・・・プール・・・」
ふるふると肩を震わす舞をほおって、二人は会話を続ける。
「そ。バイーン・キュッ!てカンジでさー」
「このコ達がもし女のコならフンドシはないかな。重装甲だったら違和感ないけど」
「てゆーかサムライなんだし、基本はフンドシなんじゃねぇか?」

―なおも会話を続ける二人だったが、先程から無視されていた舞がとうとう爆発し、速水に食ってかかった。
「私が悪いのか!?今直ぐ300字以内で答えよ速水っ!!!」
舞は速水の胸倉を掴み、怒鳴り散らす。
さらにタイミングが悪いことに、その場に壬生屋が戻ってきた。
壬生屋は速水を襲う?舞の姿をみとめ不気味に笑うと、舞に物騒なモノを手渡した。
「芝村さん、これをどうぞ!」
「有り難い!しばしの間借り受けた!!」

(・・・最低だ)
(僕のなにがいけないの?)
(ねえ、誰か教えてよ!)
鬼しばきを手に、背後に迫る舞から逃げつつ速水は思った。
しかし彼の問いに答えてくれる者は誰一人としていなかったと云う。


ただのギャグのつもりが速水・・・可哀想に。
士魂号ってナイスバデーだと思います。羨ましい限りです。
そして忘れられた滝川くん。

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