向日葵のように
| 「おーい、パティ!」
名を呼ばれたパティは、声のした方へ歩いて行った。 「なぁに、レスター?」 声の持ち主を見つけて、自分の存在を知らせる。 「よぅパティ、こっちだ」 椅子にも座らずに立っている。すらりとした長身。 「レスター、なぁに?」 気にはなったけど、それに気付かぬフリをして呼びかける。 「パティ…えと」 顔と裏腹に、コトバの方はハッキリしない。 「どしたのよレスター? なんかヘン」 パティのキツイ一言に、レスターが少し憮然とした顔になる。 「パティ…これ」 決心したように、レスターが手に持っていたものを差し出す。 「わあっ! レスター…これは?」 喜びに輝いた顔に、ふと疑問が浮かぶ。 「ミレトスの市場には、何でもあるからな…」 そう言って、レスターは笑った。 「そうなんだ…レスター、これをあたしに?」 問いかける声が弾むのを感じる。 「ああ。パティには向日葵が似合うだろうと思ったから」 レスターがまた笑う。 「そう? そうなのかな…」 自分では良く分からなくて、パティは返事が出来なかった。 「パティの笑顔は、いつも眩しいから…まるで向日葵のように」 レスターの台詞にびっくりして、パティは顔を上げる。 「……レスター」 視線がぶつかって。 「ありがとうレスター…あたし、嬉しい」 その素直な言葉に、レスターもにっこり笑う。 「パティが喜んでくれたのなら、俺も…嬉しいよ」 パティはそんなレスターの袖を引く。 「えへへ…ねえ、レスター」 袖を引かれて、レスターは身体を屈める。 「どうした、パティ?」 パティは背伸びして、レスターの耳に唇を寄せる。 「じゃああたし、ずっとレスターの隣で、笑ってるからね!」 |