Trick and Treat...? |
| 「ハロウィンパーティ?」 「芹沢君…何を考えて…」 「…バカかお前は…?」 うららの(戦闘に明け暮れている今の状況をまるっきり無視した)提案に他の3人は同じく驚き、彼等らしい言葉で反応した。 「ほら私…GOLDで散々迷惑かけちゃって…皆にお礼したいんだよね。ちょうど明日ハロウィンだからパァーっと食べて飲んで鋭気を養わないかなぁ〜って思って。もちろん全部私が手配するからさぁ…ね。」 「とかなんとかしおらしい事言っても要はさぼりたいだけじゃ…」 そう茶化したパオフゥにうららは容赦なくコンビネーションブローを叩き込んだ。 倒れたパオフゥに見向きもせず、さらに『しおらしく』真剣な眼差しで克哉に訴えた。 「お願い刑事さん。こんな時にって思うだろうけど…こんな時だから私は皆にお礼がしたいの。 生きるか死ぬかのぎりぎりで戦ってるから…好きなもので少しでも楽になったらなって・・・やっぱり駄目?」 「芹沢君…」 あまりにも真剣なうららの眼差しに克哉は名前を呼ぶことしかできなかった。そこまで自分を責めつづけなくてもいいのに。そして別に気を使わなくても僕達は全く恨みに思ってないのに。と哀しくもなった。 だが、その間にもJOKER…新世塾の陰謀を考えると素直に「そうだな」と言えないところが彼の彼たる所以でもあった。 「わかったわ。うらら」 「マーヤ…わかってくれたの?」 「うん。確かにここの所連戦連戦で疲れ果てちゃってるし、うららに甘えておもいっきり遊んでリフレッシュするわ…だからもうそれでチャラにして自分を責めないでね。そんなうらら見るのは辛いから…」 「マーヤ…」 そういうと2人はしっかりと抱き合った。そこはもう完璧に『2人の世界』で、克哉がツッコム余地などありはしない訳で… 「それじゃパーティ会場は私達の家でするということでいいでしょ?」 小首を傾げ微笑む舞耶のあまりの可愛らしさに克哉は赤面してもう何も言えなかった。 いつもの冷静さと分析能力があればうららの策略に気がついたかもしれなかったというのに… 嵐の前はいつも怖いくらい静かなものなのに… そして…『嵐』がやってくる。 「まったくあの強暴女が。」 自分が気絶している間に話が進んでしまってたパオフゥは歩きながら悪態をついてばかりだった。 それでもルナパレス港南へと向かっていってるのは…行かなかったらどうなるかが予測できるからである。 「まぁ…なってしまったものは仕方がないのだし、この際だから開き直って飲みまくればいいじゃないか。 全て芹沢君が用意するといったのだし」 「当然だ! …っておい周防。一応聞くがそのでかい箱はなんだ?」 「パンプキンパイだがそれがどうかしたのか?」 至極当然のように答えた克哉にパオフゥは頭を抱えた。こいつのマメさには本当に脱帽…いや脱力させられる。 「これはジャック・オ・ランタンを作った時の残りで作ったんだが…肝心のランタンを『本物』に取られてしまったのが残念だったな…と。あれは会心の出来だったのに…」 だったら「『本物』の頭を持ってくりゃよかったのにな」と言ってやろうと思ったのだが、もう目的地に着いてしまったので言うのを止めた。 ピンポーン インターフォンを鳴らすと装置の向こうから『どなた?』と返答が返ってきた。うららだ 『Trick or Treat?』 こう言うのはもちろん克哉。パオフゥが言うわけがない(笑)。 『Happy Helloween!』 元気よくドアが開いて現れたのはハロウィンの伝統的なコスチューム、ウイッチの仮装をしたうららだった 「いらっしゃい。刑事さん、パオ。さ、上がって上がって」 そういって通された舞耶の部屋はおそろしく綺麗に片付けられ(といっても散らかってていたものを隅にまとめただけなのだが)そこには和・洋・中・その他ありとあらゆる料理が所狭しと並んでいた。とても4人分の料理とは考えられない。あと酒瓶も何本も林立している。 「すごいな…これ全部芹沢君が作ったのかい?」 「すごいでしょ〜マーヤの胃袋は四次元ポケットだからこれぐらいはないとね。もちろん料理も服も全部私の手作りよ。」 「本当に君は家庭的で器用なんだね」 「それを言ったら刑事さんだって。こんな美味しそうなパイ作って来るんだし、いいお嫁さんになれるわよ♪」 「お…お嫁さん…」 「お前等勝手に和んでるんじゃねぇっ!!!」 おもいっきり存在を無視されていた パオフゥがついにキレた。 「あらパオいたの?」 「おういたともさ。来いって言ったのはお前だろうが!」 「ははは〜そうだったわね」 「……!?」 このときに(やっと)パオフゥは気がついた。うららはここに克哉を連れてくるのが目的だったのだと…何かの企みがそこにあるのだと。 「芹沢…お前何を企んでいる!?」 怒気を孕んだ声でうららに詰め寄った。うららは不敵な微笑みを浮かべパオフゥを真っ正面から見据えていた。徹底抗戦の構えだ。 「…おもしれえ…やろってのかい」 そんな一触即発の状況などまぁ〜ったく知らない、『ターゲット』の克哉は呑気に話しかけてきた。 「ところで…天野君の姿が見えないようなんだが。」 すると奥のうららの部屋からその本人の声がした。 「ごめんなさ〜い。やっと着替え終わったから今、出ま〜す」 そうして出てきた舞耶の格好は…黒のモヘヤの超ハイレグレオタード。…さらには猫耳・しっぽ・肉球つきグローブの三点セット!(要はキャットウーマン、フェ○リシアってこと) 「うららぁ〜本当にこれでいいの?」 さらには少し顔を赤らめて柱の影からひょこっと顔を出している様子は、…あまりにも似合いすぎてパオフゥも、これを作って着せたうららまでもが顔を引きつらせて硬直していた。 この二人でこうなのだから克哉はというと… バタン 盛大に鼻血を噴きながら克哉は床に倒れ込んだ…まぁ当然のことではあるが。 「克哉さん大丈夫!?」 それを見た舞耶は一目散に克哉も元に駆け寄った。 「えっと鼻血が出たときは…頭を高くすればいいのよね」 そう呟きながら克哉を自分の膝にのせた。着替えてないので太股は直にあたっているし、仰向けなので豊かなバストが目に入る。 (うれしいんだけれど…だけれども…) 「…どうして出血がひどくなるの…?克哉さんしっかりして!克哉さん!!」 舞耶は動揺して克哉をしっかりと抱きしめていた。もちろん彼にとっては逆効果である。 (達哉…すまん…不甲斐ない兄を…許してくれ…) 「天野!とっとと着替ろ!このままだと周防が死んじまうぞ!!」 間一髪のパオフゥの叫びによりなんとか彼は一命をとりとめることができた。 「せ〜り〜ざ〜わ〜」 「なによぅ。私は善意で行動したんだってばぁ」 「一体アレのどこがだ善意なんだ!?」 「マーヤに料理。あんたに酒。んでもって刑事さんには『大好きな猫のカッコをした大好きなマーヤ』…十分善意じゃない!」 「理には適ってるが、あいつにとっては刺激が強すぎだっつーの。今時信じられんくらい純情だし…それに天野がなぁ…あそこまでにあうと寒気がするぜ」 「それは確かに…まさかあれほどとは思わなかったのよね…」 「刑事さんには悪いことしちゃったなぁ…反省。」 「本当に悪気があってやったことじゃねーからな。あいつもわかってくれるさ」 「だからそのお詫びにクリスマスはもっと大人しくしたプランでマーヤとラブラブさせてあげるわ」 「全然反省になってない!!!」 さてクリスマスがどんな風になってしまうのか。 それはまだ誰にもわからない。 |
◇作者あとがき◇ ◇相方のツッコミ◇ …つーか、コレ、克舞の名を借りた実はパオうらだろ(滅)。 |