つい昨日、天然アジムが2匹も発生し、社員総動員でアジム狩りを行った。
皆よくがんばったもので、なんとかアジムは退治されたものの、各機体の損傷は
どれもひどいもので、今現在我々が修理に追われている。
何故か清掃係りなのに石垣さんまで修理を手伝ってくれる。手際がよくて
かなり助かる。ちなみに石垣さん曰く
「なに、掃除が終わって暇を持て余しとったからな。整備なんざDNA時代にゃ
よくやったもんだ、まあ任せとけ」
ちょうど、シルヴァスト(ムー専用機)の修理の真っ最中に、ムー本人が来て
いろいろ見てまわっている。やはり自分の愛機だから目を離したくないのだろう。
「おお? ずいぶんと治ってるな、あれだけボロボロにやられたのにな」
何を隠そう、昨日の戦闘で、彼の機体は懲りもせずアジムのサターン(CW)
を喰らってしまったのである、まあ今回の損傷はそれっきりだったからよかった
ものの・・・・・・
「なに、もうちょいだ。明日には出撃できる。まあまた長期休暇で農作業の日々
をすごすってのも悪くないっていうなら話は別だがな」
俺の苦笑い交じりの台詞に、おいおい、勘弁してくれよ。といった表情をするムー。
が、突然真剣な表情になり、俺の方を向いて、言った。
「なあ東方、おまえさあ、何機も、それも『MOAERシリーズ』とかいろいろと、
ライデンを作ってるよな?」
「ん、まあ、そうだが・・・・・・」
ムーは俺の乗機である「大和」の方を見つめていた。
「まあ『大和』は『NEO−MOAER』の改造機だからいいとして・・・・・・そ
の前に
作った『MOAER−2ND』とか『MOAER−GUTS』とか、あと『MOAE
R−TEN』
だな確か・・・・・・
いままでお前が乗ってたライデンタイプは一体全体
どこに行っちゃってるんだ? お前が乗り換えると、それまで乗ってた機体がいつも
見当たらないんだが・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
俺は返す言葉がなくなってしまった。
い、言えない・・・・・・
まさかセ@ンに横流ししてるなんて、口が
裂けても言えない・・・・・・
特に長官には、間違っても言えない!
いったら殺される!!
「なんだムー、そんなこともわからんか。全部同じ機体に決まってるだろ」
「そうだ、ただ機体色を塗り替えて気分転換してるだけだって」
石垣さんがフォローを入れてくれた。すかさず俺は調子をあわせる。
「なんだ、そうなのか。ははは、東方は以外に物好きなんだな」
ムーは納得したようで、ひとしきり笑うと職場に戻っていった。
「おまえさん、つぎに乗り換えると時ゃ、気をつけたほうがええな」
石垣さんは内面を知っているので笑うことができるが、こっちとしては冷や汗物であ
る。
はあ、こんどから気をつけよっか・・・・・・
・・・・・・そういって、次の日にはまた何か作っちゃうんだろなぁ・・・・・・
開発費用・・・・・・長官の特撮並にすごいかも・・・・・・まあ、自費だから問題
ないけど(汗)。
○月×日
報告者:アスリエル(普通攻撃課専属オペレーター)
私は危機感を感じている。
このままでは普通攻撃課ではなく普通農業課になってしまうのではないかと・・
アルハイム課長が三笠屋長官に普通攻撃課課長に任命されてからと言うもの、
普通攻撃課に所属している社員一同は
戦闘が無ければ畑仕事をしているのである。
無論、この私も例外ではなく、汗をかきながらせっせと畑仕事をしている。
普通に畑仕事をするならばまだ楽なのだろうが課長の徹底振りは凄まじく、
無農薬は当然、肥料は有機肥料・・・つまるところ動物のフンである。
醗酵しているので臭わないけれど、やはり精神衛生以上あまり良くない。
これを仕入れてくるのも大変で・・・
長官にそんなことを言ったら牧場まで作れといいかねないし・・・
はぁ・・・私なんでこんなことしてるんだろう?
私はそんなことを考えながら今日も農作業にせいを出すのであった。
凸月☆日
報告者:アスリエル(普通攻撃課専属オペレーター)
今日は課長がミミズを両手にいっぱい持ってきた。
課長の顔はとても嬉しそうに、笑っていた。
課長の話によるとミミズは勝手に畑を耕してくれるのだそうだ。
よくわからなかったが課長がそう言うのだからそうなのだろう。
ただ、これを見て気絶する社員が出てしまった。
この時代、ミミズなんてものは非常に珍しいので、気味の悪いものにみえたのだろう。
はぁ?今度はその社員の手当てですか?私オペレーターなのに・・・
こんな会社やめちゃおっかな・・・
私の頭には一瞬そんな考えがよぎったけど、
ここを止めると職を探すのに苦労しそうだし、今は我慢かなぁ〜
某月某日 正義晴れ
記入者:沖田 漏電(参謀長兼VR戦闘部部長)
今日は久々に長官に呼出をくらった
また怪獣映画につき合わされることを薄々予想しつつも、
持ち前の正義的根性で長官室に入室する私。
「失礼します」
「うむ、沖田か。まあ掛けろ」
そう言われて、足の一本無いパイプ椅子に座る私。
いつも思うのだが、この設備の劣悪さは何とかならないも
のだろうか。長官、貴方が『正義研究資料』と称して買い
揃えている特撮映像フィルム。せめて購買速度を月一回に
落として下さい。そうすればこの基地もプレハブの仮本社
から、装備や設備の充実した立派な基地になるというのに
・・・
「沖田よ、何を憂いた顔をしている?」
「はっ、何でもありません長官!」
さすが長官。私の微かな表情の変化を一瞬にして読み取っ
てしまう。しかしそれならば私の言いたいことくらいわか
りそうなものだが・・・
「気分でも悪いのか?まあいい。
今日はお前に重大な話があるのだ」
「は・・・それはどのような?」
長官は咳払いをすると、天を仰ぐようにして言った。
「沖田、お前はAフォースの参謀長だ」
「はい、大変な名誉であります」
「しかし、ここに一つ問題が」
「は?」
私の疑問符のついた言葉に、
長官は私の目を見据えて答えた。
「・・・お前、作戦考えたことあったか?」
長官の一言は、私を凍りつかせた。
そう言えば・・・私は参謀長で・・・参謀は作戦を考える
もので・・・でも私は戦闘の方が得意で・・・よく考えれ
ばなんで参謀なのかさえわからず・・・ていうか他にいる
参謀も見たことさえなく・・・私は・・・
「・・・」
「沖田・・・お前、何で参謀なんだっけ?」
乾いた唇を力無く動かし、私は問いに答えた。
「・・・それは長官がそう命じたからです・・・」
「私は何でそんなことを・・・?」
そう言って首をかしげる長官。
ああ、やはり長官は忘れているのですね。
「やはり正義の組織には参謀が必要だな。地球を防衛する
軍隊でも参謀は大きな位置を占めていたしな。うむ。」
と言って、さほど必要もないのに私を参謀長に任命したこ
とを。しかも、貴方自身長官という役職のくせに最前線に
立って戦うことに何の疑問も感じていないみたいだし。
「はて・・・私はどうして・・・?」
記憶を手繰り続ける長官の前で私は悟った。
Aフォースという組織では、階級の名前は何の意味も持た
ないということを。
今日の総轄。
今度、アジムが現れた時にでも作戦を練ってみよう。
あと最近残業続きで家に帰っていない。そろそろ帰らない
と、妻がAフォースまで来そうなので何とかしたいのだが
・・・仕事があるのは人生の喜びとは言うものの・・・
11月22日 天気:曇り PM4:30
記入者名:ベンジャミン伊東(AF特殊戦闘課課長兼放送係)
S-B-I2の戦闘レコーダーからのデータ
M.S.B.S.ver5.45J
登録機体名:S-B-I2
操縦者名:ベンジャミン伊東
今日のミ〜のお仕事は、新しくAフォースのパトロ・・スポンサーになってくれる
と言う企業への資料届けでゴワス。
東北エリアにあるその企業のビルに向かって、S-B-I2でまっしぐら!って
感じなのネ〜。
「モータースラッシャーは速いのネ〜〜♪今日のお仕事は久しぶりに楽勝?
って感じぃ〜〜?」
ここの所、HVとの小競り合い続きと、慣れない新機体のおかげで、少しお疲れモード
入っていたミ〜には、ちょうど良い骨休めなのネ。
安定した飛行で、何も起こらずに東北エリアへ到着。
企業のある仙台へと進路を取るベンジャミン。すこぶる順調。
「あ〜。なんか、拍子抜けなのネ〜。余裕すぎるアルよ・・HVもこういう時に怪VRの
一匹や二匹出してくればいいノニ。」
不謹慎な考えを巡らせるベンジャミン。その時!
どっか〜〜〜〜んっっ
「!?ふぁっつ?何ゴト??」
激しく揺れるS-B-I2。変形が解除され、地面へ真っ逆さま。
「んげっ・・何故ドリル?・・は!ドリル戦闘員!?」
すかさず辺りをスキャン。反応アリ。ドルドレイタイプ。HV反応(?)はナシ。
「HVじゃナイあるか・・・どちら様?」
聞いたか聞かないか、有無を言わさぬGD特攻。まともに喰らうS-B-I2。
「ひき逃げはんざ〜〜〜い(汗)」
S-B-I2、風前の灯火!相手は一向にこちらの呼びかけには答えない!
「えぇイ・・やむを得まセン。攻撃カイシ〜〜!」
右腕を前に構えるベンジャミン機。レーザー発射態勢!
「ふぁいやぁぁぁぁぁぁアっ!」
「正義いりまセンか〜〜?」
「あなたの街のAフォースゥ〜〜」
「せ〜いぎ〜の名〜のも〜とに〜〜」
気の抜けた声が大音響で響き渡る。発したのはS-B-I2。
「しまった!コイツ、広報用サイファーだったでゴワスぅぅわぁぁぁぁぁ・・・」
断末魔の叫び声を残し、ドリル特攻の餌食になるS-B-I2(と、ベンジャミン)。
・
・
・
・
3時間後。
「今回は、始末書だけじゃ済まないですよ。多分。」
S-B-I2を回収に来た片桐は呆れ顔で言い放つ。
「はうぅ。大体、アイツ、何のつもりだったアルか?いきなり攻撃してキテ!」
「・・・通信、切れてましたけど。S-B-I2。レコーダーには、コンタクト取られた形跡
が残ってましたけど。」
「は?」
ベンジャミン、領空無断侵入により、DNA駐留部隊に撃墜される。
被害報告。
・S-B-I2(広報用サイファー)1機大破
・仙台市周辺森林破壊
・仙台市周辺地域でのAフォースの信用ガタ落ち(ハデに宣伝しての森林破壊)
・Aフォース新スポンサーから貰えるはずだった契約金その他諸々
総額:計算出来ません。
ベンジャミン、謹慎+減俸1年(これだけでいいのか?!)
某月某日 天気:晴れ PM4:45
記入者名:ベンジャミン伊東(AF特殊戦闘課課長兼放送係)
「お〜のう!」
思わず口に出る悪態。
ベンジャミンは寝坊して焦っていた。テヘッ。
・・原因は、昨夜入手に成功した、
「過去のゲームをPC上で忠実に再現したプログラム(爆)」
に有ることは間違いない。
ヤバすぎアル。スペ@ンカー!
『どうやって言い訳するアルか・・・?』
バイクを走らせながら、ミ〜は思案を巡らせる。
『事故で・・テのはベタすぎだシ、何よりMyマシンを壊すのはイヤだし・・
事故で渋滞・・・は、ココの場合、「渋滞」がないでゴワスし・・』
考えている間に基地へはどんどん近づいている。
『グランマが病気で病院に連れて行ってから来た・・
ミ〜のばぁちゃん、日本にイナイね・・
・・・葬式ネタは・・朝っぱらからは使えないし・・・
お〜まいがっ!
こんなコトなら、もっとネタを仕込んでおくベキでしタ!(違)』
何も考えつかないまま、職場にたどり着くベンジャミン。
既に30分の遅刻である。
バイクを止め、恐る恐る社員詰め所へと足を運ぶ。
長官室の前を忍び足で通りすぎようとしたその時。
「おはよう。ベンジャミン君。」
殺気を押し殺した声がベンジャミンを威嚇する。
「あララ?ちょ〜カン、こんなトコロで逢うとは、
運命とは皮肉なモンでゴワスな。(滝汗)」
「何を口走っとるか。朝早いからといって、
ボケったおされても困るぞ。ベンジャミン社長。」
・・完全に怒っている。
「あ、コ、コレにハワケが・・そう、
グランばばぁがお葬式の事故で意識不明の渋滞が長くって・・・」
「混乱した言い訳はイイから、結論を的確に伝えろ。」
「・・ゲームしてたのネ。昨日。昔のヤツ・・・」
目の前の怪しい軍服男の片眉が上がる。
「ほほぅ・・・なにを?」
「・・ふぁ@こんのでぃ@くしす@むの
ウルト@マン・・・でゴワス・・」
「うむ。しっかり正義を行使しているな!行ってよろし!」
満面の笑みをうかべ、高らかに正義笑いを上げながら去って行く三笠屋。
・・・ベンジャミン、唖然。