「特別読みきり」ムーの休日


その日は、雨が降っていた。
木造プレハブの建物の一室で男は横になっていた。彼の名前はM−W、通称ムーだ。

「今ごろ長官達は戦っているのだろうか?」

彼は独り言を言った。
彼は前回のアジム退治の出撃際に機体を大破させてしまっていたのだ。
原因は様々あるが、一番大きいのはアジムからサターン(CW(笑))攻撃を戦闘開始に受けた事だろう。
つい先ほど長官達が出撃していった。普段なら自分も出るはずであったが、生身ではさすがに出撃するわけにはいかない、よって休暇なのだ。

「あーあ、久々の休暇なのに、やることないや・・・」

彼は困っていた。機体の整備などをしていればいいような気もするが、あいにくと彼にはその知識がない。それでやろうものならば、よけい壊れるだけである。

「そうや、こないだサイファー注文しといたっけ」

結構前のことであるが、このごろ忙しかったためすっかり忘れていたのだ。

「よし!、じゃ、格納庫に行くか!」

目的の出来た彼は喜んでかけていった。
地下に下りていくつかのゲートをくぐり、しばらく進むと格納庫についた。するとそこには精悍な老人がいた。石垣清掃主任である。

「おや?主任こんにちは」

「ん?ムーか、どうしたんだ?お前の機体はまだ修理中だぞ」

「確かけっこうまえにサイファー注文しといたなーって」

「ああ、あれは部品取りに使ったぞ」

と、ある方向を指差す石垣主任。そこには・・・

「ス、スペシネフ!?」

そう、Vアーマーの無いスペシネフと間違うくらい部品の取られたサイファーが無造作に置いてあったのだ。
その事実に愕然となり崩れ落ちるムー。

「ははは、お前には悪いと思ったんだがな。緊急だったんだ」

もはや原型を留めてないため、直らないことは素人のムーにも一目瞭然である。
ムーはただひたすら落ち込んだ。

「おいおい!若いのがそんなに暗くなるな!ワシもDNA時代によくあったぞ!」

ムーの耳にはまったく届いてないようだ。
彼はトボトボと歩き始めた。

「そんなにショックかねー?」

石垣清掃主任は彼の背中を見ながらつぶやいた。
ムーは自室に帰ると不て寝をした。

休日2日目
今日は昨日とはうって変わって晴れていた。
ムーは目を覚ますと早速麦藁帽子をかぶり宿舎の裏側に回った。
そこにはムーが丹精こめて作った畑がある。
もちろん、無農薬だ。
トマトっぽいものが美味そうに色づいていた。
トマトでは無い、トマトっぽいものだ。他にも色々な野菜っぽいものが育っている。
全て彼の努力の結晶である。
実はAフォースが自給自足ができるようになったのはムーの活躍が非常に大きい。
先のHV団襲撃事件の際には破損もかまわず機体を盾にして畑を守りきったのだ。実に漢らしい!
その後なぜか長官に怒られたが・・・まあ、それはまた別の話である。

「そろそろ食べごろかな?」

彼は一つ手にとってもぎ取った。
そしてかぶりつく。やはりトマトっぽい味がした。美味かった。

「 やったぞ!栽培成功だ!新鮮組の皆さんにお礼をしよう。」

そもそもなぜムーは畑など作ったのか?
それは・・・

3ヶ月前・・・

三笠屋   :「うーん、困ったな。」
ムー    :「どうしました?長官」
三笠屋   :「最近な、やけに食費がかさむのだ。それでな、経費が足りなくてな。」
ベンジャミン:「それなら、自給自足が良いアルヨ。」
三笠屋   :「うむ!そうだな、ムー!お前作れ。」
ムー    :「ええ!?そ、そんな・・・言いだしたのはベンジャミンじゃありませんかー。」
ベンジャミン:「ワタシ、広報活動で忙しいヨ、ニンニン。」
三笠屋   :「そもそもお前がやたらと食うからだ!(でも、これほどの量食えるのか?)自分の食う分くらい自分で作れ!」
ムー    :「経費が出れば良いんでしょ?だったら長官が特撮テープ買わなければいいんですよ!」
三笠屋   :「うるさい!これは決定事項だ!今からとりかかれ!」
ムー    :「あんまりだー!」


と、言ういきさつがあったのだ。

*:以下また加筆(笑)



やっぱ、覗くのはよくないよなぁ。