がんばれ!実えんどうまん。
(甘納豆編)
「キャ〜!助けてオスカー様!」
聖地に響く、美しき金の髪の補佐官の叫び。
「待ってろ、お嬢ちゃん!」
何処にいようが、その声を聞きつけ走りだすESPな炎の守護聖オスカー。
今日もまた、バカップルな二人に聖地は混乱していた。
アンジェリークは今、とても参っていた。
アンジェリークは、ジュリアスに書類を届けにきたのだが、ドレスにつまずいて書類を床にぶちまけ、その書類がまた誤っていたことが判明して、ジュリアスに小言をいわれている真っ最中だった。「だいたいそなたは女王候補のころより、落ち着きがなくその自覚に欠けるところがあった。まったく一体いつになればしっかりしてくるのだ。このままでは女王陛下の足を引っ張りかねぬぞ。うんぬんかんぬんちんたらうんパッパ。」
アンジェリークはその長〜いお説教にもうそろそろ20分は絶えていた。
『ああ!オスカー様助けて〜!』
思わず心の中でアンジェリークはオスカーに助けを求めていたのだった。
そのころオスカーは、メルの占いの館に来ていた。
「すまない。お・お嬢ちゃんと俺の相性を占なってほしいんだ。」
ちょっぴり頬を染めながら、オスカーは照れ笑いを浮かべてメルに占いを依頼していた。
「はい!わかりましたオスカー様!アンジェリークとオスカーの相性ですね。」
明るく返事をメルは返すとを、突然超低音の声で
「ぶっせつまぁ〜か〜はんにゃ〜は〜ら〜みぃた〜しんぎょう〜!」
(それ、お経だって!)と、呪文を唱えた。
そこへ、突然オスカーの頭に響くアンジェリークのSOS!「はっ!お嬢ちゃん!!」
猛然と立ち上がり、オスカーはダッシュで占いの館を飛び出した。
「あっ!オスカー様〜!結果聞かなくていいんですか。」
メルがオスカーの消え去った方向に叫んでは見たが、
『まあいいか。聞いたら心臓止まっちゃうかもしれないものね?クス。』
と心の中でほくそえんでいた。
オスカーが駆けつけたとき、アンジェリークはまだジュリアスのガミガミ攻撃にさらされていた。
ジュリアスのまるで機関銃のような説教攻撃は休まるところがない。「やばい!これでは負ける。やはりここは必殺技だ!」
オスカーはやおらポケットに手を突っ込むと、甘納豆(あずき)の入った袋を取り出し、お口の中へザラザラザラ〜!
甘納豆(あずき)を食べたオスカーのハートビートゲージ(トロワ参照)は、ググッっとマイナスの方向へ、そしてぐるりと回ってMAXへ!ピロリロリ〜ン
「必殺・クドクドじじい!」
叫ぶのと同時にオスカーは、クドクドじじいに変身した。
足はがに股で雪駄を履いている。
よれよれのズボンに、同じくよれよれのシャツ。
腰が曲がって、口はフガフガしている。
ときより、タンを吐く癖があるようだ。かぁぁ〜っっっぺ!「あ〜こりゃそこの若いの!」
自分のほうが三つも若いのに、オスカーはジュリアスにそういって声をかけた。
「オ・オスカー?」
素っ頓狂な声で、ジュリアスは目を丸くした。
オスカーの方は腰をトントン叩きながら、相変わらず口をフガフガさせて脇にあったソファーに、「よっこらしょっと!ふあぁ〜〜!」
と座った。
そして、なぜか頭をコクコクさせ、「近ごろの若いもんはなっとらんの〜。おなごは泣かせるものじゃあ無いぞぉ〜、かわいいがるもんじゃ!そ〜んなこともわからんとは・・・はぁ〜なさけないの〜。まあこれも時代の流れじゃと言ってしまえば、それまでなんじゃが、わしの若い頃はなあ〜そうじゃなぁこうもっとおなごを可愛がったもんじゃぞ〜。はぁ〜なさけないの〜。まあこれも時代・・・うんぬんかんぬん(後はエンドレス。)」
語るに語る。
おじじオスカーは、口をフガフガ、頭をコクコク、この訳もわからないエンドレスな話を一時間続けた。
流石のジュリアスも、いつはてるとも知れないおじじのエンドレスな語りにうんざりした。「アンジェリーク・・・。頼む、あいつをここから連れ出してはくれまいか・・・・。」
ジュリアスの泣きが入り、アンジェリークは慌ててオスカーの腕を取り、
「はい。さあ、行きましょうね〜オスカー様。」
とフガフガのオスカーをまるで、老人介護の看護婦がする様に連れ去った。
「フガフガ、そこの若いもん!これからは気をつけるのじゃぞ!」
オスカーの最後の言葉に頭が痛むジュリアスであった。
こうして、またもやアンジェリークの危機はオスカーによって救われたのだ!
それからしばらくの間、ジュリアスの説教が物凄く短縮されたのは言うまでもない。
END
「がんばれ!実えんどうまん。」(甘納豆編)いかがでしたでしょうか?
ジュリアスの説教に対抗するのにはどうしたらいいのか!
そんなことを考えてたら、おじじになっちゃいました。
このシリーズはまだ続きそうです。
次の犠牲者は誰か?
答えはマルセル・・・。
さあ、どんな必殺技が出るか!乞うご期待!