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コレットとアリオスが、館の中へと飛び込んだ時、目の前にはジュリアスが、血を吐きながら床に崩れ落ちるところだった。
床に広がる血だまりに突っ伏しながらも、ジュリアスはまた呪文を唱え始めた。

「あれは・・・・復活の魔法だわ!」

アンジェリークが叫んだ。
オスカーはとっさに腰にあった剣を抜き、ジュリアスめがけて投げつけた。
剣は呪文を完成させる寸前で、ジュリアスの額に深ぶかと突き刺さり、彼はとうとう力尽きた。
目の前で、突如展開された殺人劇にコレットはショックのあまり声を失っていた。
恐れを抱いた魔人の壮絶な死に様。
コレットには一体何が展開されているのかわからなかった。

「オスカー様。」

コレットの耳に、聞きなれない女の声が入る。
恋人の名前に驚いて、コレットは顔を目の前に伸びる階段の上方に向けた。
そこには愛しい恋人と、美しい女がいだきあう姿が見えた。

「オ・オスカー様?」

何がなんだかわからない状況下で、またしても理解に苦しむ光景にコレットの声は上ずっている。

「オスカー!おまえは何をやってるんだ!そいつは誰だ!」

ただならぬ雰囲気の二人を見て、アリオスは声をあげた。
その声に、オスカーばかりかコレットまでもが驚き、視線をアリオスに向けた。
そしてオスカーはコレットを目にした。

「コ・コレット?」

アンジェリークを抱きしめた手が、驚きのあまり一瞬緩む。
アンジェリークはオスカーの動揺に不安を覚えて彼を見上げた。
オスカーもまたそんなアンジェリークに気付いて、また彼女を抱く腕に力をこめた。

「オスカー!その女はなんだ!おまえは魔女退治に行ったんじゃなかったのか!」

アリオスの目は怒りに燃えていた。
どんな思いで、自分がコレットを思っているのか知りもしないオスカーのコレットに対する裏切りが許せなかった。
コレットもアリオスの怒りを見て、混乱していた頭の中がやっと明確になり、自分が今置かれている立場に気がついた。

「オスカー様・・・・。これはどう言うことなの?彼女は・・・誰?」

声に出して見ると、なぜかコレットは瞳が涙で潤むのがわかった。
オスカーは相変わらずアンジェリークを庇うようにして立ち、コレットを見つめた。

「コレット・・・・。君との婚約を解消してくれないか?」
「オスカー!貴様!!」

いきり立つアリオスをコレットは押さえ、オスカーに話の続きを促すように見つめた。

「俺は君を裏切った。君がいながら、俺は彼女・・・アンジェリークに惹かれてしまったんだ。でも彼女は悪くない。悪いのは俺なんだ!恨むなら俺を恨んでくれ!」

アンジェリークを庇うオスカーの姿に、真実の愛を見たコレットは衝撃を禁じえなかった。

「魔女は?オスカー様魔女はどうなったの?彼女は魔女じゃないの?兄様はどうしたの?」

震える声で、訴えるコレットの姿にオスカーは苦渋に満ちた表情を浮かべた。
傍らに立つアンジェリークはコレットが、オスカーの恋人である事実にショックを受けて言葉を失っていた。

「魔女はいなかった・・・・。ランディのことはわからない・・・。何処にもランディの痕跡が見つからないんだ・・・。すまない。とにかく俺はもう君の元には戻らないつもりだ。俺が愛してるのはアンジェリークなんだ。そう俺はアンジェリークを愛している!」

コレットに最終的な宣告をした瞬間だった。
またしてもこの現場に悪夢の光景が広がった。

 

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