団地妻はお閑?
今日も今日とて、このサンクチュアリ団地のすぐ脇にあるファミレスには、お閑な団地妻達が、ランチを取りながらいつものように取り留めの無い世間話に花を咲かせていた。
その中の一つのテーブルに4人の妻達が座っている。
アンジェリーク、ロザリア、コレット、レイチェルの4人だ。
「アンジェのところの旦那って素敵よねぇ〜。いつもなんだかクラクラするような台詞で挨拶してくれて、うちの旦那に爪の垢でも煎じて飲ませたいわァ〜。」
飲んでいたコーラのストローから口を離して、レイチェルが溜息混じりにぼやいた。
「え?オスカーより、エルンストさんの方が、なんだかクールで素敵じゃない?エリートで将来は次官にでもなるんでしょ?」
「クール?そうね外ではね。うちではそうでもないのよ。彼、うちの中では子犬よ、子犬!まとわりつくわ、甘えるわで手におえないのよ。」
「え?子犬って?」
「だからァ〜、なにやっててもベタベタまとわりついてくるのよぉ〜お子様言葉でさァ〜。」残りの三人が信じられないと言うように、目を見開く。
エルンストが、子犬のようにお子様言葉で、レイチェルにまとわりつく姿は想像できなかった。「子犬って言えば、コレットのところのランディさんはそんな感じじゃない?」
ロザリアが、このショックな情報を早く頭から振り払いたくて、話題をコレットに振った。
「え?ランディ?うちの人は子犬じゃないわよ。まるで中学生のように純情よ。だって、もう結婚して一年以上経ってるのに今だにほっぺにキスするだけで、真っ赤になってるし、手が触れただけで、緊張してるのよ。」
「そ・それであなた達ちゃんと夫婦なの?」
「え?やあねぇ〜。ちゃんと夫婦してるわよぉ〜。ランディったら夜は激しいんだからぁ〜。」
「・・・・・・。」本当に人は見かけに寄らない・・・。
「ロザリアのところはどう?ジュリアスさんは家でもお説教してるの?」
オスカーの上司でもあるロザリアの旦那のジュリアスのことは、多少アンジェリークも知っている。
きっとあの厳格なジュリアスのことだから安心して聞いていられるに違いない。
そう思ってアンジェリークは話を振ってみたのだ。「ああ、うちの人?まあお説教くさいものね。でも私には言った事ないわよ。だって彼は私の下僕!言いなりなのよ。もうなにもかもやってくれるから私することが無いのよ。」
「えっ?部長さんが何をするの?」
「もちろん食事、洗濯、掃除、なんでもよ。だって私の手が汚れるのが耐えられない!なんて言うんだもん。」
「それってのろけ?」
「きゃあ!そう聞こえちゃったァ?」三人の白い目がロザリアに突き刺さる。
ロザリアも流石にバツが悪いのか話題をアンジェリークに振ってきた。「じゃあオスカーさんはどうなのよぅ!アンジェ!」
「え?オスカーは・・・そうね、Hだわね。」他の三人の顔がズイィッとアンジェによる。
「どうHなのよ!言ってみなさいよぅ!」
「え〜!そうねぇ。オスカーは家に帰るなりその〜・・・襲ってくるのよ。」
「・・・・・。」
「なかなか離してくれなくって、お嬢ちゃんを食べてからじゃないと食事が喉を通らない。なんて言って服を引っぺがしちゃうのよぉ〜。」
「そ・それはそれですごいわね。」
「そうでしょ!私こう毎日じゃ体がもたないわ!」
「・・・・・・。」頬を染めるアンジェリークを、他の三人はあきれたように見つめてから乾いた引きつった笑いを浮かべて顔を見合わせた。
その夜の赤提灯では、その旦那達が酒を酌み交わしながら自分の妻の自慢話に花を咲かせていることは、もちろんその妻たちは知る由も無い。
END
「団地妻はお閑?」はいかがでしたでしょうか?
いろんな旦那様を楽しく書けました。
みんなきっと家の中と、外では違ってると思うのでこれを書いて見ました。
そう言ううちの亭主も外と内では違います。
今度はオスカー様だけで無くランディ、ジュリアス、エルンストも壊してしまいました。
ファンの皆様にはほんと申し訳無いです。
それでもあえて許してね?
それでは次の創作までごきげんよう!