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「こら!このエロエロ校医!俺のアンジェから今すぐ離れろ!」
頭から湯気が出そうなくらいの勢いでランディが乱入してきた。
「やれやれ、坊や。いつからお嬢ちゃんはおまえさんのものになったんだ?」
両手を少し上げてからかう様にオスカーが言うと、案の上ランディは噛み付いてきた。
「あんた、先生だろう?生徒に手だしていいと思ってるのか?」
「おやおや、俺がそんなに器の小さな奴だと思ってるのか?好きになった女を手に入れるのに、立場なんて関係ないね。」好きな女という部分でアンジェリークの頬が赤らむ。
そんなアンジェリークの反応にランディは逆上する。「俺は小さい頃からこいつだけを見てきたんだ!いまさら、ポッとでのエロエロ校医に渡してたまるか!」
そういうが早いか、アンジェリークの腕をつかんで引き寄せると、
「アンジェ、好きだ。」
といってくちづけた。
目をまんまるにして驚いているアンジェリークをよそに、今度はオスカーがいきりたった。「そんなへたくそなキスで、お嬢ちゃんの心をつかめると思うなよ。」
そういうと今度はオスカーが、アンジェリークを引きよせ、
「大人のキスを教えてやるよ。お嬢ちゃん。」
といって思いっきり深いキスをアンジェリークにした。
あまりのテクニックに腰のくだけたアンジェリークを抱き抱えると、オスカーは勝ち誇ったようにランディを見かえし、「お前じゃまだまだ青いな!俺の敵じゃないな。」
といって鼻で笑った。
「くっそー!!」
肩を震わせて怒るランディに、オスカーは片手をピッピと振って犬を追い払うような仕草をした。
「さあ、邪魔者は消えな!俺はお嬢ちゃんを渡す気はないぜ。」
「俺だってアンジェをおまえ何かに渡す気はないぞ!」にらみ合い火花を散らす二人の間に挟まれて、アンジェリークは何が何やらさっぱりわからなかった。
ランディの気持ちも、今初めて知ったし、オスカーが自分のことを本気だったとはこれまた初めて知ったことだったのだ。
でも、目の前で繰り広げられる争奪戦を何とかしなくてはいけないということだけははっきりわかっていた。「やめてくださいー!」
振り絞りようにアンジェリークが叫ぶと、もうすでにとっ組合になっていたオスカーとランディの動きがピタリと止まり、アンジェリークの元へ二人とも駆けよった。
「やあ、すまなかったお嬢ちゃん。君に寂しい思いをさせてしまったかな?でも許してくれ、この餓鬼んちょを黙らせたらずっとそばにいてやるからな。」
「誰が餓鬼んちょだ!アンジェ、このエロエロ校医をやっつけたら今日も二人で帰ろうぜ。」アンジェリークにとりいるのに二人は必死なようだ。
「もう、二人ともやめてください。けんかを見るのはとても辛いし、いやです。」
ちょっと涙を潤ませた顔が、これまたキュートで二人の男たちは心臓をバクバクさせた。
「ああ!罪なお嬢ちゃんだぜ。俺の心をこれほど迷わすなんてな。わかったよ、君が嫌なことはこのオスカーは絶対しない。」
「俺だってアンジェが悲しむようなことはしないよ。だからアンジェ、泣くなよ。」そう言って二人の手がアンジェリークの肩にかかる。
アンジェリークはにっこり笑ってうなずいた。
だが、二人の男の間では心の中でまだ激しいバトルが続いていたのだった。