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「ごめんなさいレパード。私、まだ決められないわ。」
言い澱むアンジェリークに男が詰めよった。
「なぜだ!アンジェ。心に決めた奴がいるって事か?誰だ!ギルか?クラウドか?ウォルフか?それともこいつなのか?」
俺に敵対心をあからさまに向けて、レパードは俺を指さしていた。
それより俺は、ギルだの、レパードだのクラウド?ウォルフ?いったい何人彼女にプロポーズしているって言うんだ。「オスカー様は違うわ…。昔の知り合いなの。」
知り合い……。
まあ再会したばかりだから、甘い期待を抱ちゃいけないことくらいわかってはいるが、そりゃないぜ、お嬢ちゃん!今、俺とキスするところだったろう?「じゃあ、君は誰が好きだって言うんだ。まだ俺の知らない奴にプロポーズされているのか?」
レパードはその名の通り激しい豹のように彼女に詰めよった。
「レパードお願いよ、私を困らせないで。私、選べないの。本当よごめんなさい。」
瞳を潤ませ訴える彼女に、レパードも引き下がるしかないようだ。
「すまないアンジェ、君を誰にも渡したくなくて…。」
飼い主にしかられた猫のようにうなだれてレパードは立ち去っていった。
レパードがいなくなってから、彼女は見るからに辛そうな表情を浮かべた。
無性に彼女を抱きしめたい衝動を押さえながら、俺は彼女にほほえみかけた。「アンジェリーク。魅力的な女っていうのも大変だろう。俺にもわかるぜ、今の君の気持ちってやつをさ。」
俺を見上げた彼女の瞳には、うっすらと涙が…。
うっ!そ・それはポイント高い攻撃だぜお嬢ちゃん。「オスカー様…。」
アンジェリークは俺の胸にすがりついた。
「私…私どうしたらいいのかしら。みなさんなぜ私のことまだよくわからないうちからプロポーズなさるのか私わからないです。オスカー様だけですね。私のこのつらい気持ちをわかってくださるのは…。」
「ア・アンジェリーク。」ああ!だめだ。
俺もさっきからプロポーズしたくてうずうずしているんだ。
こんな状況じゃ言えやしないじゃないか!「こんなことオスカー様に言っても何にもならないことはわかっているんです。オスカー様はまた聖地に帰ってしまわれるのに…。でも今だけ、今だけこうさせてください。」
今だけだなんてお嬢ちゃん、俺が耐えられないぜ。
もう君をさらいたくてしょうがないんだ。
こんな危険なところに君を置いて置けない。
俺は彼女しっかり抱きしめた。「うれしい…オスカー様。」
「アンジェリーク。」今度こそ彼女のやわらかな唇にくちづけ様と顔を傾けた。
「失礼します。オスカー様大統領がおよびです。」
うが〜〜〜〜!!
おまえ!この状況がわかっとんかい!!「オスカー様。ごめんなさい私ったら、早く、早くいってください。大統領を待たせしては悪いわ。」
ああ、お嬢ちゃん。
このまま君を一人にするなんて…くっそぅ!大統領!!「オスカー様?」
「アンジェリークすまない。ここで待っていてくれないか、すぐ戻ってくる。だから待っていてくれ。」
「あ…は・はい。わかりました。」彼女の返事を聞いて俺は急いで大統領の元へ走った。
でも俺はやはりこのとき行くべきじゃなかったんだ。
その後、俺は激しく後悔した。