ニャンコなあなたへ

ゼフェルはロボットを作るのが大好きだ。
自分の思ったとうりに作り、そしてプログラムされたようにしっかり動くのを見るのは楽しいし、満足もする。
だが、彼が実は最も愛して止まないのは、この忠実なロボット達ではなく、まったく気ままで気まぐれな予想もつかないことをしてくれる猫だった。
ゼフェルは猫に目が無い・・・・。
公園で猫を見かけると、むしょうに抱きしめたい衝動に駆られるが、犬と違って猫は絶対に寄り付いて来ることは無いのだ。
近づけば必ずと言ってもいいほど走り去ってしまう。
だから、ゼフェルは猫を見つけると、その姿を眺める為にじっと我慢して動かないようにしているのだ。
その行動は時として滑稽だ。
猫を発見した時、ただ歩いている時ならいいのだが、鼻でもほじっていようものなら鼻に指を突っ込んだままネジが切れた様に止まってしまうのだから。
そして、猫が可愛いしぐさを見せると思わずデレ〜ッと鼻の下を伸ばしたニヤケ顔になってしまう。
猫が糞をしていたなら、いっしょになって気張ってしまうし、けんかをしていると、声を出さない様に口だけをパクパクさせて応援しているのだ。
彼の猫好きはこれだけにとどまらない。
彼は自宅に戻って夕食を取り、風呂から出て、そう午後10時から12時までの時間をおニャンコタイムとしていた。
おニャンコタイム・・・・。
それはゼフェルが猫になる時間だ。
その時間中ゼフェルは猫の着ぐるみパジャマを着て、猫になりきる・・・。

 

「ご主人様。」

今日の犠牲者が入ってきた・・・。
ゼフェルの館の執事が、10時を回ったことをうっかり忘れてゼフェルの部屋に入ってしまった。

『ハッ!しまった!』

執事は自分の愚かさを呪ったがもう時すでに遅し・・・。

「うにゃ〜〜ん!」

今日のゼフェルは三毛猫だ。(着ぐるみは日によって違う様だ)
三毛猫ゼフェルは丸くなっていたベットから飛び降りて、執事の前にごろごろした。
このゴロゴロサインは遊んで欲しいと言うサインだ。
執事は泣く泣くテーブルの上においてあった猫じゃらしを手に取り、

「は〜いvvvこっちですよ〜ん!」

などと言いながら猫ゼフェルとゼフェルが飽きるまで付き合うのだ。

 

そんなある日10時を回った頃にゼフェル宅を訪れたものがあった。
ゼフェルにそんな趣味があろうことはその人物が知る由も無い。

「夜分にどうもスミマセン・・・ゼフェルいますか?」
「ああ!これはランディ様ようこそおいで下さいました。して、主人にご用でしたでしょうか?」

10時を回っていたこともあって、ゼフェルの執事はランディをなかなか屋敷の中には入れてはくれなかった。
だがそんなことに気付くようなランディではないし、執事の何気ない妨害などランディには通用しなかった。

「ゼフェルにちょっと用があるので、通らせていただきますね?」

めちゃくちゃさわやかに笑顔でそう言われては執事も引き下がるしかなかった。

「主人はただいま二階の自室で、おくつろぎです。ですが、ランディ様・・・くれぐれもこのことはご他言無用ですぞ。」
「?」

なんのことかさっぱりわからないランディは首をひねりながら、二階のゼフェルの部屋へと向かって行った。

「ゼフェル〜!はいるぞ?」

ランディが室内に入ると、猫の着ぐるみパジャマを着たゼフェルが目にはいった。

「ラ・ランディ??」

突然の来訪者にパニクるゼフェル。
ランディはというと驚きのあまりに声も出せない様で、ぽか〜んと口をあけて突っ立っていた。

「な・なんだよ!なんか用かよ!どうせ俺を馬鹿にしてるんだろ?いいよ、いいよ、どうせ俺は猫馬鹿なんだよ!」

顔を真っ赤にしながらゼフェルが言い放つと、

「ゼフェル〜〜!!」

とランディが駆け寄ってきた。
その目には、なにかウルウルと涙まで溜めている。

「おまえもだったのか〜!着ぐるみパジャマ!うれしいよ!俺だけかと思ってたよ!俺は犬のなんだ!」
「はっ??」

ランディから着ぐるみ仲間と勘違いされたゼフェルは以後、おニャンコタイムに着ぐるみは着無くなったそうだ・・・・。

 

END

 

「ニャンコなあなたへ」はいかがでしたでしょうか?
ゼー様を壊したのははじめてか?
でもおニャンコゼー様・・・・。
似合いすぎてると思いませんか・・・?(そんなのしのちゃんだけか?)
まあとにかく楽しんでいただけたら嬉しいです。
感想・・・・待っててもいいよね?