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強引にバルコニーにつれ出したオスカーの手をアンジェリークは力一杯降り払った。
オスカーはやはりアンジェリークに嫌われたと思って不安な面持ちになった。

「痛いですオスカー様。」
「ああ、すまなかった。痛かったか?悪かった。今日俺はどうかしてるんだ。みんなが何故か俺を君に近づかせないようにするものだからちょっと焦っていたのかな。君に嫌な思いをさせたのなら謝るよ。」

いつもの自信満々なオスカーと比べて今日のオスカーはすっかり自信を無くしていた。
そんなオスカーの様子にアンジェリークは小首をかしげた。

「オスカー様?どうなさったの?いつものオスカー様となんだか違うわ。」
「お嬢ちゃんは俺のことが嫌いか?」

突然のオスカーの質問にアンジェリークは目を瞬ながら頬を桜色に染めた。

「な・何をおっしゃるんですか?」
「お願いだ。正直に答えてくれ俺のことを嫌っているのか?」

真剣なまなざしのオスカーに気押されたアンジェリークは頭を左右にプルプルと振った。

「じゃあなぜ守護聖達は俺にいやがらせをしてるんだろう?」

顎に手をあてて眉間にしわをよせ考えこむオスカーをアンジェリークは不安そうに眺めた。
オスカーが自分にもしかしたら告白してくれるのではと内心期待していたアンジェリークは全く違うことに心を奪われているオスカーにちょっぴり不満を覚えた。
まだ頭をひねっているオスカーにふくれ面で

「御用はそれだけですか?」

とすねていった。
オスカーはそう言われて初めてアンジェリークの様子に気がついた。
内心、しまった!と思ったがもうすでにときは遅かった。
アンジェリークはすっかりへそを曲げてしまいとりつくしまもなかった。

「すまないお嬢ちゃん。俺が悪かったよきげんをなおしてくれ。」
「知りません!」

一体何を怒っているのかさっぱりわからなかったがオスカーはとりあえずアンジェリークの機嫌を取ろうと一生懸命になった。
オスカーはそのことですっかり本来の目的を見失っていた。
そうこうしているうちに二人のやりとりを影でこっそり見ていったオリヴィエがあきれた顔をして二人の間に入ってきた。

「あきれちゃうわね!オスカー、あんた一体何をやってるの?アンジェリークに言いたいことはそんなことじゃないでしょ。」

オリヴィエの言葉にオスカーは失念していた今日の目的を思い出した。
あまりの大ボケにオスカーは額に手をやった。

「ありがとよ。極楽鳥。」

オスカーはオリヴィエに礼を言うとアンジェリークに向き直った。
そしてアンジェリークの両肩に手を載せると真剣な面持ちでアンジェリークに詰めよった。

「お嬢ちゃん、いやアンジェリーク。俺はどうやら君のことで頭がいっぱいだ。今日ことごとく君に近寄ろうとするのを邪魔されてもしかしたら君に嫌われているじゃないかと生きた心地がしなかった。俺はすっかりバカになってしまったのかもしれない。どうだろうこんな俺の気持ちを君は受け取ってくれるだろうか。」

オスカーの告白をアンジェリークは目を潤ませながら聞いていた。
そして頬を桜色に染めながらうなずいた。

「最高の誕生日プレゼントだわ。」

その答えにオスカーは思わずアンジェリークを思いっきり抱きしめた。

「オスカー様苦しいです。」
「すまん。ついうれしくてガキみたいに喜んでしまったよ。君を愛しているよ。」

オスカーはそう言うとオリヴィエがそばにいることも忘れてアンジェリークにくちづけた。
あまりの遠慮のなさにオリヴィエは呆れたように両肩をすくめて二人の前から立ち去った。
そしてオスカーはいつまでもアンジェリークをはなさなかった。
もう誰も二人の間を邪魔しないように。

 

END

 

「お手をどうぞ」はいかがでしたでしょうか。
あまり長くないお話でしたがちょっと情けないオスカー様は書きづらいですね。
そのためか少々盛り上がりに欠けてしまいました。
まだまだ修行が足りませんね。
次回はまたパラレルワールドなお話を考えています。
どうぞお楽しみに。

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