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「どうした、ランディ。」

ドアをあけたアンジェリークに、オスカーは背を向けた状態で窓に立たずんでいた。
アンジェリークはオスカーの姿を見たとたん、いてもたってもいられ無くなって、思うより先に走り出していた。
ランディの返事を待っていたオスカーの背中に、突然誰かが抱きついてオスカーは驚いて振り返った。
そしてその目に、日の光りを思わせるような美しい金髪が入ってきた。

「アンジェ?」

オスカーはまだ驚きから抜け出せない。
なぜ彼女がここにやってきて、自分にしがみついているのかわからなかった。
オスカーの記憶の中のアンジェリークは、いつも自分をにらんでばかりなのだから仕方がなかった。

「オスカー、オスカー。ごめんなさい。私・私あなたが信じられなかったの。」

オスカーの背中にうずめていた顔をあげて、アンジェリークはオスカーを見つめた。
アンジェリークにとってオスカーに、こんなことを打ち明けるのはかなり勇気がいることなのだろう顔が耳まで真っ赤になっていた。
その美しい翡翠の瞳が、熱っぽく揺らめいている。

「何をそんなに謝ることが君にあるんだ。君が俺を信じてくれなくても俺は何も気になどしないのに…。」
「あなたが婚約者のロザリア姫をお断りして、王様から罰を受けたって聞いたの。」
「ああ、そのことを君が気にすることなどないんだ。どうせ今頃ジュリア様は内心喜んでいるはずだ。なんといっても最愛の妹姫を手に入れられるんだから。」

そう言ってオスカーは喉の奥で笑った。

「でも、でも……。」

まだ何か言いたげにしているアンジェリークの様子に、オスカーは気づきちょっとからかうように笑った。

「なんだ?アンジェ。まさか俺にもうほれちまったのか?」
「バ・バカ!そ・そんなこと……。」

顔を真っ赤に染めてアンジェリークをうろたえた。
恥ずかしさのあまり、顔をそむけるアンジェリークにオスカーはうれしそうに笑った。
そして、そっとアンジェリークの腰に手を回して自分に引き寄せると、耳元に口を寄せた。

「なあ、そうなのか?そうならそうといってほしい。アンジェ、俺にほれたのか?」

耳元でささやかれる甘い声に、アンジェリークの体はしびれた。
甘い陶酔を感じながら小さくアンジェリークはうなずいた。
それを見てとったオスカーは、急に力強くアンジェリークを抱き寄せた。

「本当に?本当に俺のことを?」

オスカーはアンジェリークのやわらかな今の髪に顔を埋めながら何度も尋ねた。
そのたびに胸を熱くしながらアンジェリークはコクコクとうなずいた。
おもむろにオスカーの腕が緩み、そして右手がアンジェリークの顎にかかる。
そっと顎を持ち上げて顔を上向かせると、そのやわらかな桜色の唇に優しく口づけた。

「やっと捕えた。」

くちづけを繰り返しながらオスカーは感慨深気にそう呟いた。
アンジェリークは何とも言えない幸福感に包まれた。

「アンジェ、俺の炎。おまえのためなら俺は何もほしくない。アンジェだけいればいい。」
「オスカー好きよ。どうしていいのかわからないくらいよ。あなたのことがたまらなく好きなの。」

二人は激しく抱きあいながらお互いを求め次第にくちづけはその強さを増していった。

「アンジェ。もう俺は我慢できない。君がほしいんだ。」

アンジェリークの首筋にキスをおとしながらささやくオスカーに、アンジェリークは酔いしれながら、

「私もあなたがほしいわ。私をあなたのものにしてちょうだい。」

と、吐息とともに答えた。
オスカーはアンジェリーク抱きかかえると、隣の部屋にあるあのベッドへとアンジェリークを連れていった。
そしてそっと、ベッドへアンジェリークおろすと、

「本当ににいいんだな。」

とその熱く燃えるアイスブルーの瞳で見つめた。

「今度はたたいたり何かしないわオスカー。」

頬を赤らめながらアンジェリークは答えると、自分からオスカーの首に腕を回して口づけた。

「アンジェ…愛してる。君だけ永遠に……。」

そして二人はいつしかベッドへ身を横たえ、愛を確かめあうのだった。

 

END

 

 

RBいかがでしたでしょうか。
ちょっと強気のアンジェちゃんは初めてのキャラ設定で結構楽しく書かせていただきました。
オスカーも強引な炎のような激しさを持ったキャラにできてよかったと思います。
でも相変わらずのまとめの悪さで最後はあまり納得のいくものではありませんがお許しください。
それではまた新たなる創作に向けて頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。
それではまた!

 

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