「バレンタイン〜当日〜」
今日はついにバレンタインデイ
チョコレートの包みがこんなに大きくなったのは、
少女がその想いをありったけ詰め込んだせい
「はい、シンジ!」
「あ、ありがとう…」
重い…(想い…)
大きい…
アスカちゃん特製特大チョコレートは、
シンジくんの細腕には、ちょっと荷が重すぎるようです。

「…ちょっと、家に置いて来るね」
「だーめ、お昼休みに目の前で食べてもらうんだから」
そうです、シンジ君はこの目立つ大きなチョコを持って
学校にゆかなければならないのです。
だって、少女の幼馴染みを狙う女の子はたくさんいるから
アスカちゃんは見せつけなくてはいけません
こんなに
こんなに
シンジは私のものだって
アスカちゃんの狙いはあたりました
健気なチョコレートを胸に抱いて少年を待っていた女の子達
みんな涙を飲みました

少年にとって気になるもう一人の女の子
綾波レイ
も、会っても挨拶も返事一つもしません
すっと、向こうに行っちゃいます

その赤い瞳は、冷たげです
すこし悲しげでもありました
なんだかシンジ君、とっても落ち着きません
なんだかシンジ君、とっても心配です
嫌われたんじゃないだろうかって…
(アスカちゃんもレイちゃんも、友達扱いするとすねちゃう女の子です)
(おままごとの恋人のように、言葉をかけて、優しくして…)
(そうしないと、すぐにすねちゃっておかんむりなのです…)
シンジ君は、追いかけました
「綾波、ちょっと待ってよ」
明るく、でも人気のない一角で、少女は振り向きました

その赤い瞳は、うるんでいました
すこしなまめかしくもありました
そして、追い付いてきた少年に、物も言わず近付いて

溶けたチョコレートを、ほんの少しだけ、口移し…
放課後…
強い刺激をうけたり、チョコを食べすぎたりして鼻血を出したシンジ君を
看病したのは(といっても、首筋叩いて鼻栓つめただけですけど)、
保健のミサト先生でした

「もてるわね〜シンジ君」
「…そ、そんなことないです」
ミサトさんは、甘くないけど優しい
お姉さんのようで、ほっとしました…
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