『あの子のこねこ』収録作


あの子のこねこ (昭和59年デラマ1月号掲載)
あらまし
突発性空中にこねこ見えちゃう病速水人見は童顔のせいでみんなにペット的にかまわれていると思い悩む高1の女の子。 そんな彼女も同級生である杉本浩司の励ましで立ち直る事ができ、最後は浩司君とラブラブになるのでした。
みどころ
速水の笑顔。速水は本当によく泣く女の子なのだが、こねこが見えるときにだけ見せる笑顔は読んでてフヌケになるくらい良い


ねいち (同年デラマ7月号掲載)
あらまし
「ねーちゃん」+「幼稚」=「ねーち」、少女は妹のえりにそう呼ばれている。 妹依存症のねいちは父の転勤に伴う引越しでえりと離れ離れになる事を恐れ、童画家という自分の夢すら捨てようとしてしまう。 だが自分のせいで妹を不幸にすることはできないと考え東京行きを 決意し、はじめてえりに姉らしい態度で接することができたのであった。
みどころ
・夢を追う少女の努力と苦悩。
・「ねーち」から「ねーちゃん」への成長。「ひとりでもがんばるんだよ」というねーちゃんがカッコイイぜ。


あひるのくつした (同年デラマ5月号掲載)
あらまし
自分が他人とずれているのが恐ろしい。幼少のトラウマが原因で本郷文子自分の心を殺しつづけて生きてきた。 だが、かけがえのない親友を失いかけたとき気付くのだ、傷つく事を恐れてはいけないと。 「傷つくのがいい事なら きいてもらいたいことが たくさんあったんだ……」
みどころ
・読む人によっては最高の癒しになるでしょう。多くの方に読んでもらいたいですね。
・最終ページの掛け合いがサイコー。


病気じゃないよ (昭和58年デラマ11月号掲載)
あらまし
美加は近所の病院の研修医津田先生が大好きな中学生、明るくてがんばり屋の女のコだ。 津田先生は手術の失敗(?)で医者を続ける自信を失うが、美加のエネルギー充電をうけ4年間のアメリカ修行を決意する。
「4年の間に美加が病気になったらとんで帰ってなおしてやる」そう言って津田先生がアメリカに旅立ってから1年、美加はあ・い・に・く元気でしたとさ。
みどころ
・中学生という設定のせいか美加は他の作品の主役よりも明るく元気である。でも泣いちゃう時もあるんだぜ、だって女のコだもん。(←書いてて恥ずかしい)
・津田先生が美加のために無理してラーメン2杯も食べちゃうという珍しいやさしさもGOOD。

<まとめ>
 あきの香奈は読切専門少女マンガ描きなので学園モノが多い。『五月フルデイズ』の項でも書いたがこれは作者が年若い故の必然でもある。とりわけ初期の作品である『五月フルデイズ』『あの子のこねこ』『教室のはじっこ』は学園三部作ともいうべき充実振りである、というかそれしかない。

 その中にあって、本作『あの子のこねこ』は一番の傑作ぞろいである。というのも、あきの香奈漫画の重要なテーマの一つである(内側からも外側からも)抑圧された少女の解放」が最も鋭角的に表現されていると思われるからだ。 4つ収録されている作品の主人公がそれぞれ「愛玩少女」「長女」「大人しい優等生」「母子家庭のコドモ」である事からもそれが伺える。 彼女たちは例外なく周りとずれた、「普通でない」存在なのだ。

 若年で描いたというのは憶測だが、男性にはこういった自己肯定の物語を描くのは難しく、それだけでもうただひたすら尊敬してしまうのである。(「エヴァンゲリオン」を見て頂ければよく判ると思います。)

 大人には痛みを伴ったノスタルジーを、子供には癒しを与えてくれる事でしょう。でも男がこういうの好きだって言ったら女々しいとか言われるんだろうなぁ・・・。
おすすめは「ねいち」&「あひるのくつした」

五月フルデイズ/あの子のこねこ/教室のはじっこおべんとの中にキス2つ。プロデュース
あの黒いねこにきいて保健室の美知子先生メープルシュガー

もどる