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| Data | |
| 登場門派 | 八極拳 |
| 出版社 | 徳間書店 |
| 作者 | 今野敏 |
| TOKUMA NOVELS1992年 | |
渋谷センター街をしきる若者チーム(ちいまあというやつですか)、「渋谷自警団」はある夜別のチーム「メデューサ」と抗争する。人数と機動力で優る「渋谷自警団」が勝利し、「メデューサ」のメンバーは袋叩きに会う。そのときビルの隙間から黒い影が飛び出し、謎の拳法で若者達を打ち倒す。全員を倒し終えると、黒い影は去った。 若者達は救急車で病院に運ばれるが、医者、警官ともそのダメージに疑問を持つ。打たれたのは各自胸に一発のみ。だが人間は胸に一発の拳をもらったくらいでは倒れるものではない。それに全員が虚脱感を訴えている。とても一発の拳がもたらしたダメージとは思えないのだ。渋谷署刑事捜査課強行犯係の刑事・辰巳吾郎はかかりつけの整体師・竜門光一に若者達の怪我を見せる。怪我の様子で竜門は黒い影が「ある武術」を修めている可能性が高いことを知るが、敢えて辰巳には告げない。竜門は独自に調査をはじめ、犯人が劉永伯という八極拳の達人であることを知る。しかも彼は日本人の中国残留孤児で、既に50を過ぎた老人なのだ。竜門は武術の達人は尊敬されるべきだとの思いから、劉に腕ずくでも自首させようとするが逆におそろしい一撃を受けて瀕死の状態になってしまう。そして竜門は劉永伯の日本という国への憤りを知る。夢にまで見た祖国に受けいられなかった悲しさ、息子を日本のやくざに殺された恨み・・・だが竜門はなんとしてでも劉永伯を止めねばとの思いを強くする。竜門はプロの整体師として、自分の体をどこまで短期間にもとに戻せるかの勝負に出る。そして竜門は命 を賭けて劉永伯との戦いに挑む・・・ |
この作品はTOKUMA NOVELSから出ている小説である。この手のバイオレンスアクション小説には中国拳法はつきものだが、まあ実際の門派が出てくることは滅多にない。せいぜい「台湾で身につけた拳法」とか「中国の古流武術」とかいう怪しいものしか出てこない。が、この「拳鬼伝」は結構ちゃんとした説明が出てくる。格闘描写もどっかの伝奇小説のような荒唐無稽のものではなく、現実にのっとった武術の経験をにおわせるものになっている。それもそのはずで、本作の主人公竜門光一は常心流武道の整体師なのだが、作者も作家兼常心流武道整体師なのだ。そりゃ整体や格闘の描写が詳しいわけだ。 そして問題の中国武術の描写だ。よく調べている、といいたいがなにか引っかかる。それは、どうもこの作者は資料に拳児を使用しているのではないかという疑問だ。巻末にも参考資料は何も載っていないので確定はできないが、そう思わせる部分がいくつかある。具体的にあげてみると 1、拳児に出てくるものの説明は詳しい。 2、だが、拳児で説明されている以上のことは何も載っていない。 3、「中国拳法では体当たりを『心意把』と呼び、殺し技とされている」という拳児を読んだ人が陥りやすい過った認識を持っている。 4、「李書文や郭雲深はいたずらに套路などをたくさん覚えようとせず、ひたすら基本技を練習した」という拳児で繰り返し繰り返しでてきた説明がやっぱり出てくる。 ・・・等がある。これは確たる証拠にはならないし、別に拳児を資料にして小説書いたって全然かまわないわけだけど・・・・ |
| 「拳鬼」 |
| Data |
| 企画製作 大映株式会社 ビデオ作品 1995年 ●監督:廣西真人 ●脚本:笠井健夫、吉岡敏男 出演 ●阿部寛 ●木内美歩 ●石橋雅史 ●長谷川初範 |
| 「拳鬼伝」のビデオ化。これを知ったのは「ベ○トビデオ」という某雑誌のVシネマ紹介だったのだが、不思議なことに散々探したがレンタルビデオ屋でこのビデオを見かけたことは一度もない。NECOというケーブルテレビで放映されることを偶然知ったので、ようやく見ることができたのだがこれ以外の方法で普通の人が見ることができるんだろうか? 主演は阿部寛。どうなることかと思ったが意外と体はできてるし、格闘シーンも全部自分でやってるらしい。そういえばどっかで「総合格闘技をやってる」とか言ってた気がする。しかし、シュウエイハク(なぜかビデオでは劉がシュウに変えられてた)役のじいさまは明かに武術未経験者だ。むっちゃ弱そう・・・(※1)が、逆光で遠目のシーンではいきなり動きが良くなる(笑)!それでも八極拳の動きじゃなくてJACの伝統的なアクションだけど。一応套路を披露するシーンもあって、これは呉式八極拳の小架だったので「八極拳は河北省ソウ州孟村の・・・」という説明にちゃんと合致してた。エンディングのスタッフロールには「八極拳指導」という人はいないし、武術指導は原作者の今野敏だったのでこの套路も原作者が指導したんだろうか?ちなみに原作者はこのビデオのどっかに出てるらしいがもちろんどこに出ているのやらさっぱりわからん。 |
| ※1 その後、掲示板に書きこんでくれた方からシュウエイハクを演じた石橋雅史氏は、「剛柔流空手の六段か八段で歴とした武道家」であるとのご指摘がありました。その実力は「若い頃はまだ極真空手が大山道場で活動していた顔面攻撃や道場破りで一番激しかった頃に、外出の多かった故大山倍達氏が特に頼み込んで師範代をしてもらった程の実力者で、その柔らか味のある組手に魅了された人間が何人もいたそうです。この辺の事情は現極真会館師範の櫨山初雄氏の著作などで見る事ができます。(当時石橋氏との組手で勝てたものは師範クラスは別として、いなかったそうです)」・・・というほどのものらしいです。いやはや私の見る目のなさには驚かされますな。驚天動地、吃驚人間大集合といった趣さえ感じられるほどっていうかこんな見る目のなさで中国武術を語っていいんでしょうか?いや、いくない(←反語)。ひょっとしたらというかむしろこのホームページ内には確実にこんな恥ずかしい上に失礼な間違いが数多く存在するんだろうなと思った。でも間違いは正していけばわりかしOKかもしれないとも思ったのでここに謹んで石橋氏に謝罪し、これからは間違いをできる限りなく す方向でいこうと駿河湾から出でつつある朝日に誓った。 また劇中の八極拳については「「拳鬼」における八極拳については雑誌「秘伝」連載の「映画の中の武芸者たち」(という題だったと思いますが)の中で「部外者(空手家)による型解釈があの殺陣になったのではないか」といったことが述べられています。」との明快なお答えまでいただき、まったくこのご指摘をくださった道神さんには大感謝ですな。あと石橋氏は「仮面ライダースーパー1の悪役空手家」とか「鳥人戦隊ジェットマンで何の脈絡もなく登場する修験者」も演じておられたそうで、スーパー1については私の記憶の一番古い部分に微かにメモリーが残っております。私の原体験にまで関わっていた人物であったとは・・・。 |
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